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日暮里店
2023/06/05

東京都荒川区 絵画の買取|長谷川利行|熱狂的コレクターも多い昭和の鬼才放浪画家

2:18 am

はじめに

こんにちは。東京都荒川区で、絵画や掛け軸など骨董古美術品の査定・買取を行っている買取専門店『くらや日暮里店』です。江戸時代に活躍した有名作家の肉筆画から現代アートまで、当店では幅広く骨董古美術品の査定・鑑定を行っております。

 

絵画・掛け軸のご売却を検討されている方をはじめ、遺品整理や片付けで見つけた油彩画やリトグラフ作品などの価値を知りたいという方は、一度お気軽に『くらや日暮里店』にご連絡ください!骨董古美術品に精通したプロの鑑定士が、お客様の大切なお品の価値をしっかりと見極め高価買取いたします。

 

さて本日は、昭和期に活躍した洋画家〈長谷川利行〉の作品をご紹介しましょう。荒川区にご実家があるというお客様からのご依頼で出張買取に伺った際に、「祖父が一番大切にしていた絵なんです」といって見せてもらったのが、冒頭に掲載している写真の絵画でした。

 

49日を終え、御両親とともに遺品整理をされているという御祖父様の部屋には、額に収められたたくさんの絵画作品が保管されていました。亡くなられた御祖父様は無類の絵画好きだったそうで、好きな作家の作品を模写することを趣味とされていたのだそう。

 

当店の鑑定士が一枚一枚丁寧に査定・鑑定を行っていると、ご依頼主であるお孫様が〈長谷川利行〉の水彩画を出してこられました。聞けば、「相場を調べてみてもブランド品や貴金属みたいに情報が出てこなくて。両親も私も絵画に興味がないので、どれほどの価値があるのか分からず困っているんです…」とのこと。

 

とりわけ絵画などの美術品は、作家の人気度や需要によって価値が大きく変わってきます。一般の方がその作品の持つ価値を正確に把握することは難しく、評価をする際には絵画に関する専門知識と審美眼が求められるのです。

 

長谷川利行の作品がどれほど需要が高いかをご説明し査定額をお伝えしたところ、「最初は手放すかどうか迷っていたけれど、高く評価してもらえる人に買ってもらいたい!」と快くご売却いただけました。「絵の良さや価値が分からない私たちよりも、祖父の様にこの作品を大切にしてくれる方に繋げてください」と仰っていたのが印象的でした。

 

関東大震災から復興を遂げつつあった昭和初期。汽車や駅、喫茶店や酒場の喧騒などといった当時の街を天性の明るい色彩で鮮やかに描き出した〈長谷川利行〉とは、一体どんな人物だったのでしょうか。その生い立ちや人物像をはじめ、二次流通の市場において高評価となる作品のポイントなど、〈絵画の買取〉についてお話ししていきたいと思います。

 

長谷川利行をはじめ、現代アートや掛け軸などといった美術品の査定・売却を検討されている方は必見です!是非最後までお付き合いください。

日本のゴッホ?長谷川利行とは

生い立ち

〈りこう〉の愛称でも親しまれている長谷川利行(はせがわ としゆき)は、大正から昭和にかけて活動した洋画家です。並外れた描写力や表現力と、波乱万丈ともいえる生き様が共通することから〈日本のゴッホ〉などとも呼ばれます。

 

生まれは京都・山科。正確な生年月日については明らかにされていませんが、一般には1891(明治24)年7月の生まれだと言われています。出生日だけでなく家族構成についても幾つかの謂れがあり、絵を始めた時期も不詳。謎多き人物ですよね。

 

1906(明治39)年、長谷川利行15歳のときに和歌山県有田郡にある私立耐久中学(現 県立耐久高校)に入学。この頃から詩や短歌をつくるようになったと伝えられています。同級生の間では「水彩画は群を抜いて上手」と専らの評判だったようですが、中学時代の長谷川利行は小説や詩、短歌などを能くする文学青年としても名を馳せていたそうです。

 

その後中学校を中退するも、歌や詩に興味を持ち続けた長谷川利行は、1919(大正8)年に私家版の歌集〈長谷川木葦集〉を発行しました。30歳の頃に上京して以降も、暫くは大衆小説などを書いて過ごしていたようです。

 

先述の通り、長谷川利行がいつ頃に絵を始めたかは不明ですが、生涯誰にも師事することなく独学で画を学んだと言われています。他の画家たちのように自身のアトリエを構えることはなく、思い立ったら絵を描くという姿勢を持ち続けました。

 

15年余り続けた画業は当時もそれなりに評価された一方、日常生活は大変荒んでいたようです。酒に溺れ胃癌を患った長谷川利行は或る日三河島の路上で倒れ、養育院に送られるもその数ヶ月後に死去。1940(昭和15)年、誰にも看取られることなく49歳で生涯の幕を閉じたのでした。

人物像

長谷川利行を語る際、〈放浪〉〈酒〉〈破天荒〉などというキーワードがよく使われます。長谷川利行に関する経歴に謎が多いのは、その生き方から距離を置いていた友人も多く、彼らが後世まで多くを語らなかったからかもしれません。

 

画家としての名声はある程度得ていましたが、生来の放浪癖と酒癖の悪さも有名でした。普段の生活は到底褒められたものではなく、過度の飲酒により生活は破綻。晩年の10余年間は浅草や上野、日暮里、新宿の貧民街を転々とする放浪生活を送っていたそうです。

 

簡易宿泊所を渡り歩いては、お金が無くなると自身で描いた絵を友人・知人に押し売り、時には岸田國士など著名人の自宅に押しかけ、頼まれてもいない肖像画を描いて金銭を要求することも…。酒に酔い車に轢かれてしまうこともあったようですから、破天荒と評されるのも納得です。

 

そんな長谷川利行ですが、彼の描いた絵を熱狂的に支持するコレクターも確かに存在していました。〈靉光〉〈井上長三郎〉〈吉井忠〉らといった有名洋画家たちにも、多大な影響を与えていたようです。

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独特なスケッチ法と作風

絵にする題材は、長谷川利行自身が街中を歩きまわって探していたのだとか。題材が決まるとその場で画材を広げ、絵具をチューブのままびゅっと画布に擦り付けナイフで削り、咆哮しながら僅か1~2時間という速さで作品を完成させたとも伝えられています。

 

煙草の箱の裏、捨てられたボール紙、板切れなど何にでも絵を描きまくり、筆が無ければ指で描いたという長谷川利行にとって、絵を描くことは生きる事そのものだったのでしょう。当時は綺麗とは言い難かったであろう東京の繁華街や工場街。そこで毎日のように飲み歩き、その場に居合わせた人々と雑談を交わしながらその場で筆を走らせている姿が浮かびます。

 

好んでいたという白色の多用、華やかな色彩、荒々しくも迷いのないタッチは、長谷川利行ならではの作風と言えるでしょう。東京の喧騒をそのままキャンパスに落とし込んだような、明るい色彩の作品などは大変人気です。

代表作

酒売場

1927(昭和2)年、第14回二科展で樗牛賞を受賞した油彩画。樗牛賞は〈新人への奨励賞〉と言えば分かり易いでしょうか。この作品のほか、〈麦酒室〉〈鉄管のある工場〉という作品も出品しています。

 

〈酒売場〉は、長谷川利行が足繁く通った浅草のバーが舞台となっている作品です。灰白色の壁をベースに、黒・赤・緑・黄色の線が映えます。建物の前で酒を愉しむ人々の姿も描かれ、どこかモダンな印象を持つという方も多いでしょう。

カフェ・パウリスタ

1928(昭和3)年に制作された作品。過去にテレビ番組の企画で発見され、のちに東京国立近代美術館が購入したことでも知られます。長谷川利行が当時下宿していた個人宅に伝わったことから、下宿代として置いていったとも考えられている作品です。

 

作品に描かれている〈カフェ・パウリスタ〉は、現在も銀座に存在しています。この老舗カフェは、〈高村光太郎〉〈芥川龍之介〉〈永井荷風〉などといった芸術家や文化人たちも通っていた超有名店で、銀座の街をよく描いた長谷川利行も時々訪れていたそうです。

水泳場

1932(昭和7)年、長谷川利行が41歳の時に制作された油彩画。この作品は長らく所在不明でしたが、2006(平成18)年に兵庫県で発見され、その後板橋区立美術館が購入。代表作〈夏の遊園地〉もまた然り、白い線が躍る様から夏らしさも感じられます。

 

一目見ただけでは「何が描かれているのか分からない」と思う方もいるのでは。この作品には、関東大震災後の復興事業としてつくられた隅田公園内のプールが描かれています。赤を基調にした華やかな作品で、プールに集まった人々の賑やかな声が聞こえてきそうな一枚です。

ノアノアの少女

1937(昭和12)年に制作された油彩画。ノアノアは新宿にあった喫茶店で、青いシャツを着た一人の少女が画面全体に描かれています。同年に発表された〈新宿風景〉など、東京の風景画を描くことが多かった長谷川利行ですが、肖像画もまた好評を得ていたようです。

 

〈岸田国士像〉〈靉光像〉などといった著名人をモデルにした作品もありますが、〈ノアノアの少女〉や〈浅草の女〉〈ハーゲンベックの少女〉に見られるような、東京に暮らす名も無き少女たちを対象とした作品も多く残されています。

 

 

2018(平成30)年には、府中市美術館(東京都)で長谷川利行の画業を辿る大回顧展が開催され、〈カフェ・パウリスタ〉〈水泳場〉〈夏の遊園地〉など約140点の作品が公開されました。長年所在不明となっていた油彩の大作が近年相次いで発見されたこともあり、今まさに多くの関心が寄せられています。

 

この世を去ってから80余年が経ちますが、現在も長谷川利行は大変人気がある画家のひとりです。長谷川利行の油彩画・水彩画・リトグラフ作品等をお持ちの方は、再び注目が集まっている今こそ、一度査定に出してみてはいかがでしょうか?

 

『くらや日暮里店』には、絵画作品の真贋判定や買取経験を数多く積んだ経験豊富なプロの鑑定士が在籍しております。「本物の作品かどうか見てほしい」「売却するかどうかは悩んでいるけれど、まずは査定だけ」というご依頼も大歓迎です!

 

他店で査定を断られた、査定額に納得がいかなかったというお客様も是非お問い合わせください。絵画に関する専門知識を持ったプロの鑑定士が、正しい価値を見極めます。

高評価ポイントは?

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長谷川利行の作品の中でも、〈油彩画〉〈サイズの大きな作品〉〈色鮮やかな作品〉は高評価となる傾向にあります。油彩画の作品においては、4~6号サイズのもので約70~100万円程の価値がつけられることも。画題によっては高額査定も期待できるでしょう。

 

お手持ちの作品が本物であることを証明する〈鑑定証〉などがあれば、査定時に必ずお持ちください。絵画に限ったことではありませんが、有名な作家の作品ほど偽物・贋作が多く出まわっています。正真正銘作家本人の作品であることを証明する〈鑑定書〉は、査定時に鑑定士が確認する重要なポイントです。

 

長谷川利行の描く風景画や静物画、肖像画は、いずれも今から約80~90年前に描かれたとは思えぬ鮮やかな色彩に溢れています。そんな長谷川利行の作品をお持ちの方は、だんだんとその価値が気になってきたのではないでしょうか?

 

『くらや日暮里店』では、真贋判定や査定のみのご依頼も承っております。売却されるかどうか悩まれている方もお気軽にご相談ください!

まとめ

例えば金の価格などは、どなたでもインターネットなどを駆使すれば大体の相場を知ることができます。しかし、絵画や掛け軸などといった美術品の価値というものは、調べればある程度わかるというようにはいきません。

 

需要がある作家、同じ作家でも高評価となる画題や制作年代など、ひとえにいくらと言えないのが絵画の世界です。作品の価値を正しく評価するのは、絵画に関する専門知識を持ち、真贋判定や査定経験を多く積んだ鑑定士でなければできません。

 

大切に蒐集してきた絵画や、故人の想いが詰まった骨董古美術品の査定・鑑定は、経験豊富なプロの鑑定士が在籍する『くらや日暮里店』に是非お任せください! 作品ひとつひとつをしっかりと丁寧に査定し、高価買取いたします。

 

「サイズの大きい絵画を持ち運ぶのは不安…」「額に入った絵画がたくさんあって店舗まで持って行けない」という方へは、〈出張買取〉がお勧めです。『くらや日暮里店』が行っている出張買取サービスは、リピーターの方も多く大変ご好評をいただいております。

 

日程をお打合せする必要があるため、出張買取を希望される方は事前に店舗までお電話ください。当日は当店の鑑定士がお客様のご自宅等へ直接お伺いし、査定から買取までを一貫して行います。大きなサイズの作品の搬出もお任せください。

 

生前整理・遺品整理・部屋の整理・ご実家の片付けでお困りの方も、まずは一度お気軽にご相談ください。査定・相談・出張買取にかかる費用は全て無料です。お客様のご来店・お電話を、心よりお待ちしております。

 

 

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