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日暮里店
2023/04/27

東京都荒川区 絵画の買取|リ・ウファン 李禹煥|余白の芸術 国際的評価も高いもの派の作品

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はじめに

こんにちは。絵画や古美術品の査定・買取を行っている買取専門店『くらや日暮里店』です。日本画はもちろん、洋画・中国美術・韓国抽象画など、古美術品から現代アート作品まであらゆる分野の芸術作品を幅広く高価買取しております。

 

遺品整理や生前整理、引越し前の片付けなどで手放そうか悩まれている絵画・美術品をお持ちの方は、一度『くらや日暮里店』で査定してみませんか?絵画に関する専門の知識を持ったプロの鑑定士が、しっかりと丁寧に価値を見極めます。

 

過去に当店をご利用されたことのあるお客様から、先日一本のお電話がありました。お話を伺うと、「遺品整理の片付けが思うように進まず困っている」とのこと。御父様が亡くなられてご実家の解体を考えるようになり、「引き取ってもらえるものがあるか見てほしい」というご相談内容でした。

 

お約束当日、『くらや日暮里店』の鑑定士が東京都荒川区にあるお客様のご実家へ伺うと、処分予定のものは既にある程度纏められていました。一通りの査定が終わり、そろそろおいとましようと準備していたところ、ふと鑑定士の目に留まったものが…。

 

それは、部屋の隅に立てかけてあった簡素な額でした。お客様曰く、燃えないごみの日に出そうと置いておいたものなのだそう。聞けば、御父様が蒐集されていた絵画で「絵…というか抽象画なんだけど、うちで飾るのもちょっとなぁ。良さもいまいち分からないし」とお話しされていました。

 

鑑定士が確認してみたところ、その絵の作者は韓国人現代美術の第一人者〈リ・ウファン〉であることがわかりました。これを捨ててしまっては大変勿体ない!予期せぬお宝発見にお客様も大変驚かれていたご様子でしたが、ご提示した査定額に納得され、その後快くご売却いただけました。

前衛美術作品や抽象画は、大学教授など所謂文化的水準の高い方が所有されていることが多い印象です。価値や良さが分かりにくいということもあり、燃えないごみとして処分されてしまうことも残念ながら多くあります。古くて価値の分からない絵画をお持ちの方も、捨てる前に一度プロの鑑定士に相談することを強くお勧めします!

さて、今回は冒頭の買取エピソードでも登場した〈リ・ウファン〉の買取についてのお話です。国際的評価が非常に高く、リトグラフも高値で取引されることの多いリ・ウファンは、現在ヨーロッパを中心に活動している韓国人作家です。

人物像や代表作をはじめ、高評価を得るためのポイントなどもご紹介していきますので、リ・ウファンをはじめ世界で活躍する有名画家が手掛けた絵画・美術品の査定・買取を検討されている方は必見です。是非最後までお付き合いください。

李禹煥について

今年で87歳を迎えるリ・ウファンですが、昨年には六本木の国立新美術館で、東京では自身初となる大規模な展覧会が開催され話題になりました。新作の発表だけでなく、展示構成の企画にも自ら携わり、活動意欲は一切の衰えを感じさせません。

 

芸術一家に生まれたわけでもなく、元々ものをつくる作家を目指していたわけでもないリ・ウファンは、画家を自称しないアーティストとしても有名です。そんなリ・ウファンが芸術の道に進み、現在では韓国現代アートを牽引する存在となった背景には、一体何があったのでしょうか?

李禹煥の歩み

ヨーロッパを中心に創作活動をしている韓国人画家、リ・ウファン(Lee Ufan)。国際的評価の高いアーティストであること、現在は多摩美術大学名誉教授に就任していることから、その名を知っているという方も多いことでしょう。

 

リ・ウファンの生まれは1936年。韓国慶尚南道の山奥にある生家は、漢方薬を扱うこともあった薬師の家系で、儒教的な規律の厳しい旧家で育ちました。新聞記者の父と古典文学に造詣の深かった母を持ち、姉ひとりと妹ふたりの4人兄弟で育ったそうです。

 

リ・ウファンがまだ幼かった頃、彼の家に滞在していた文人(黄東樵)から詩や漢文、書などを教わり、これが後の創作活動に大きく役立ったと伝えられています。高校は釜山の名門校ソウル大学付属へ進学し、文学に没頭しました。

 

この頃はまだ画家になるつもりはなかったようなのですが、学業成績があまり芳しくなかったリ・ウファンは、学校推薦を受けるべく美大を受験したのだそうです。晴れてソウル大学校美術大学絵画科へ進学したものの、入学から僅か二ヶ月後の1956年夏、横浜在住の叔父が病臥し、父の遣いで叔父に漢方薬を届けるために来日することになりました。

 

この頃はまだ日韓の国交が正常化されておらず、リ・ウファンは密航船に乗って日本を訪れたのだとか。叔父から帰国を引き留められ、拓殖大学で日本語を学んだのち、日本大学文学部哲学科で東洋思想や西洋文学などを学びました。

 

これまでの経緯では、美術や芸術とは縁が薄いように感じますよね。そんなリ・ウファンが美術の道へ進むことになったのは、前衛美術家・赤瀬川原平らとの出会いが大きかったようです。アルバイト先のビルに入っていた画廊で、赤瀬川原平をはじめとする様々な作家たちと交流し影響を受けたリ・ウファンは、1960年代後半から自身の作品を展覧会へ出品するようになりました。

 

現代アート作家〈関根伸夫〉との出会いもまた、リ・ウファンにとって大きなものだったに違いありません。関根伸夫は〈もの派〉の主要なアーティストとして知られており、東京都庁舎シティーホール前に設置されている〈水の神殿〉をはじめ、数多くのモニュメント作品を生み出している芸術家です。

 

東洋の老荘思想に理解が深いリ・ウファンは、関根伸夫の作品に共鳴し交流を深めていきました。石やガラス、鉄板、木片、綿などといった素材を使った立体のインスタレーション作品は、リ・ウファンの名を広く世に知らしめるきっかけとなったのでした。

 

2010年、香川県直島町に〈李禹煥美術館〉が開館。2011年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館、2014年にはヴェルサイユ宮殿、2019年にはフランスのポンピドゥー・センター・メッスで大規模な個展が開催されるなど、近年も益々活躍の場を広げています。

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もの派とは?

1960年代後半頃から、〈もの派〉と評される現代アートのなかで中心的な役割を担ってきたリ・ウファン。〈もの派〉とは、1960年代後半から1970年代前半にかけて日本で興った前衛的な美術動向で、リ・ウファンや関根伸夫のほか、吉田克朗、小清水漸、榎倉康二、菅木志雄、高山登、成田克彦らといった十数名の作家群で構成されています。

 

大きな石を削って石像をつくる、紙の上に絵の具で絵を描くことで絵画をつくる、これが我々にとって身近な芸術の在り方ですよね。これに対しもの派は、例えば未加工の岩を移動させて集める、壁に立てかけた鉄板の前に石を置くなど、空間性を利用した〈つくらない〉芸術様式と言えるでしょう。

 

もの派の〈もの〉が指す木や石、綿、紙、鉄板などといった素材をなるべくそのままの状態で扱い、物と人と空間の関係性を重視した芸術を生み出す。〈つくる〉を最小限にすることで生きる余白の芸術は、白いカンバスに点や線のみを描くリ・ウファンの代表的シリーズ作品にも通ずるものがあるように思えます。

 

もの派は芸術運動の括りではなく、またリ・ウファンらが自称したものでもなく、彼等作家群に対し揶揄して付けられた一種のラベルのようなもの。起源も明確にはされておらず、〈印象派〉などと同じパターンで定着した呼び名です。

 

素材としての〈もの〉に注目し、自然物をあるがまま見せるという思考が根底にあるもの派の芸術。日本の土着的な自然信仰さえ垣間見えるこの芸術様式は、戦後の日本で興った現代美術として近年国際的にも高く評価されつつあります。

代表作

風景I・風景Ⅱ・風景Ⅲ

巨大なカンバスにピンクの蛍光塗料で描かれた3連画。1968年、この作品を東京国立近代美術館で催された韓国現代絵画展で発表した際、リ・ウファン自身「美術の道でなんとかやっていけるかもしれない」と手応えを感じたのだそうです。

 

それぞれピンク、赤、オレンジと色味が微妙に異なる蛍光塗料が用いられており、その鮮やかな色が天井や床に反射し空間全体を染め上げます。ただ色が塗られているだけの〈つくらない〉この作品からは、空間そのものを強く意識するリ・ウファンの一貫した制作スタイルが強く感じられます。

関係項

1968年頃から制作された〈関係項〉は、リ・ウファンを語る上では欠かせない重要な作品。主に石や鉄板、ガラスを組み合わせた立体作品のシリーズで、これらの素材には殆どと言っていいほど手が加えられていません。

 

最初期に発表された、載せられた石の重さでガラス板にメリメリとヒビが入っている作品〈現象と知覚B 改題 関係項〉は大変有名です。〈関係項-アーチ〉〈関係項-鏡の道〉など、このシリーズ作品には包括的に〈関係項〉というタイトルが冠されており、その見方や感じ方は作品を鑑賞する人に委ねられます。

点より・線より

1970年代初頭からは、平面作品の制作にも着手するようになります。この頃に登場したのが〈点より〉〈線より〉のシリーズです。「リ・ウファンといえばこれでしょう!」という方もきっと多いはず。最初期は点や線がカンバスにびっしりと描かれていますが、後の作品は余白が多くなっていくのも特徴です。

 

規則的に点を描いている〈点より〉シリーズでは、繰り返し打たれた点の色が次第に薄くなっていきます。これと並行して制作された〈線より〉も同様、線の始点では濃い色彩だったのもが段々と淡い色へ薄まっていく様が表現されています。

 

溶いた青色の岩絵具を染ませたタンポ(拓本を採るときに墨をつけて叩く道具)を、カンバスの上に規則正しく捺し、色が薄れてくると再びタンポに青色をつけ捺す、という作業を繰り返す…。〈点より〉〈線より〉シリーズに見られるこうした反復行為は、時間表現への関心や時間の経過といったものを示しているのだそうです。

風より・風と共に

1980年代から制作を開始した〈風より〉〈風と共に〉シリーズも、〈点より〉〈線より〉シリーズに続き極めて独創的な平面作品です。荒々しい筆遣いで不規則な方向に線が蠢く様は、〈線より〉シリーズから抱く印象とは大きく異なりますよね。〈点より〉〈線より〉シリーズと同様、1980年代終わり頃からは線の数は減少し、次第に何も描かれていない空白が目立つようになります。

 

 

〈照応〉〈対話〉〈応答〉など、上記にご紹介した作品以外にも数多くの有名シリーズがありますが、いずれの作品も絵筆で描かれた部分はごく僅かなものが多いのが特徴です。つくることは最小限に留めながらも、鑑賞する側に様々な解釈を委ねるリ・ウファンの〈余白の芸術〉は、今もなお後に続く世界中のアーティストに多大な影響を与えています。

高評価となるポイント

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肉筆画は少なく、流通しているものの多くがリトグラフであるリ・ウファンの作品は、現在どんなものでも高評価が得られると言っても過言ではありません。近年特に注目を集めていることから、今後さらなる相場上昇も見込まれます。

 

1960~1970年代には十数万円で購入することができた作品に、現在では100倍以上もの価値が付けられることも。油彩、水彩、版画など、平面作品だけでも多岐にわたり制作されていますが、なかでも前項でご紹介した代表シリーズ〈線より〉は大変有名で、高額査定が期待できるでしょう。

 

査定・鑑定の際には、画題や作品の大きさ、鑑定書の有無などを総合的に評価します。また、作品の状態も重要な査定ポイントです。油彩の場合はヒビやカビ、水彩ならシミや退色など、状態の良しあしは査定評価に大きく影響します。直射日光や高温多湿の場所での保管は避け、額は定期的に埃を拭うなど気を配るようにしてください。

 

リ・ウファンが手掛けた作品の多くには、通し番号やサインの仕方に一定の方式があるのですが、真贋を見極めるには鑑定士の経験や慧眼が問われます。どれだけ本物の作品に触れてきたかが物を言う世界です。絵画や美術品の査定・買取経験を多く積み、腕を磨いた鑑定士でなければ正しい評価を行うことはできません。

 

絵画や美術品は、どの鑑定士に査定・鑑定を依頼するかが重要です。リ・ウファンをはじめとする現代アート作品の査定・買取を検討されている方は、買取経験豊富なプロの鑑定士が在籍する『くらや日暮里店』に是非ご相談ください!

まとめ

近年のオークションなどでは、リ・ウファンが手掛けた絵画作品には何億円もの値が付けられることも。現代アート界の中でも不動の人気を誇るアーティストゆえ、オリジナル作品はなかなかお目にかかる機会はありません。

 

版画作品などは過去に比較的手頃な価格で入手できたこともあり、「リ・ウファンの作品だと知らずに持っていた」という方も実は結構いらっしゃいます。遺品整理などで絵画を手放す際などは、現在の持ち主の方が作家や作品の価値を知らず、そのまま処分してしまうことも多くあるのですが、これは非常に勿体ないことですよね。

 

絵画や古美術品、現代アート作品といったものは、誰しもがその正しい価値を見極められるものではありません。一般的な買取店等では、絵画や美術品の持つ価値が分からず見過ごされてしまうことが殆どです。

 

買取専門店『くらや日暮里店』には、絵画や現代アートに関する専門の知識を持ったプロの鑑定士が在籍しております。真贋判定や買取経験を多数積み、これまで培ってきた確かな鑑識眼でお客様の大切なお品の価値をしっかりと見極めます。絵画や現代アート作品をお持ちの方で査定・買取を検討されている方は、是非一度、お気軽に『くらや日暮里店』へご相談ください。

 

「大きな絵画を持ち出すのが大変」「絵画以外にも査定してほしい骨董古美術品がある」という方へは、当店の〈出張買取〉がお勧めです。事前にお電話で訪問日程を調整し、お客様のご自宅等で鑑定士が査定から買取までを一貫して行います。リピーターの方も多く大変ご好評いただいているサービスです。

 

査定・相談・出張費用は一切かかりませんのでご安心ください。お客様のご来店・お電話を、心よりお待ちしております。

 

 

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