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旭川店
2020/12/24

北海道旭川市 日本刀の買取|刀工 刃文 鍔|鑑定士が見ている査定ポイント

11:49 am

はじめに

ごきげんよう。
日本刀や甲冑など刀剣武具をはじめ、遺品・生前整理などに関わるご不用品の買取を行っている買取専門店『くらや旭川店』店長の大平雅之です。

 

「『くらや旭川店』の鑑定士は、日本刀の何を見て査定額を判断しているのか?」

 

今回はお客様より多くいただくこちらの質問について、ご説明していきたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

登録証の確認

はじめに、日本刀の〈登録証(銃砲刀剣類登録証)〉があることが前提となります。登録証が無い場合は、売却することはおろか所持することもできませんのでご注意を。登録証の申請方法などについては、2020年8月11日掲載のブログに記述しておりますので、ご参照ください。

 

登録証に記載されている内容は、登録記号番号・種別・長さ・反り・目くぎ穴・銘文・備考・交付日です。

種別について

長い順に、刀(かたな)・太刀(たち)・脇指(わきざし)・短刀と表記されており、そのほか槍(やり)や薙刀(なぎなた)なども含まれます。刀や太刀は、刃渡りが概ね60㎝以上です。刀と太刀の違いについては、〈反りの深さ〉や〈銘の位置〉で判断することが主になります。

 

脇指の長さは、概ね30㎝以上60㎝以下です。脇指については更に〈大脇指〉〈中脇指〉〈小脇指〉の3つに分類され、10cmごとに区別されます。

 

・大脇指 約50~約60cm
・中脇指 約40~約50cm
・小脇指 約30~約40cm

 

短刀は長さ約30cm以下です。

長さと反りについて

長さと反りに関しては、単位表記が尺のものとセンチメートルのものがあります。1尺約30.3cmに当てはめてサイズを測り、登録証に記載された長さと相違がないか確認が必須です。ここで相違があれば、登録のない刀だということを意味してしまいます。

目くぎ穴について

目釘穴とは、刀身が柄から抜けるのを防ぐために、柄と茎(なかご)を固定する目的で穿たれた穴のことです(柄は握る部分、茎は柄に被われる部分のこと)。留め具である目釘には主に竹が用いられていました。

 

目釘穴の位置や形状は様々です。鑑定士は、登録証に記載されている個数と実際の目釘穴の数が一致しているかを確認します。

銘文について

銘とは、茎に切ってある刀工(刀の作製者)の名前や製造年月日などのことで、刀工が日本刀を作る工程の最後に自らの手で切るのが基本です。登録証の(表)には主に刀工の名前が、(裏)には主に製作年月日が記載されているので、こちらも実際に刀に切られている内容と照合します。

 

鎌倉時代より以前に作られた刀には銘がないものも多くありますが、大宝元年(701年)に制定された〈大宝律令〉によって、銘を入れることが義務付けられました。茎の部分に銘があれば査定は比較的容易ですが、無銘のものでも刀の造りから予測を立てることが可能です。

 

鎌倉時代より前に作られたもの以外にも、無銘である理由は色々と考えられます。元々は切られていた銘が何らかの理由で消えてしまったり、奉納無銘(神社などに奉納することを目的に作られた刀)・献上無銘(身分の高い人に献上するために作られた刀)・影打無銘(複数作った刀の内、製作依頼者に選ばれなかった刀)であったりすることも。

 

無銘の刀を鑑定する場合、鎌倉時代以前の古刀以外はその理由をあまり重要視していません。無銘の刀だからといって、必ずしも銘がある刀より劣るということはないからです。これは刀剣類に限ったことではありませんが、鑑定時にはそのお品物の状態や美しさなど、美術品として良いものであるか否かを判断します。

 

鑑定の際は刀を分解しますが、柄を外して茎を見るためにこの作業は必須です。お客様に於かれましては、この点をご了承いただけますようお願い致します。

刀工の確認

登録証に記載された銘と、茎の銘が一致していることを前提として生産地を確認します。一例として、添付の写真をご参照ください。

北海道旭川市 日本刀の買取|刀工 刃文 鍔|鑑定士が見ている査定ポイント
北海道旭川市 日本刀の買取|刀工 刃文 鍔|鑑定士が見ている査定ポイント

〈越前國〉〈近江守藤原継廣〉と切られているのがお分かりいただけるかと思います。この刀の生産地は越前國(現在の福井県の辺り)です。

 

次に越前國の刀工を確認していきます。この場合のポイントは〈継〉。下坂系の越前康継の門人であることがここから分かります。また日本刀は、作られた年代によって〈古刀〉〈新刀〉〈新々刀〉などと呼称が変わるというお話は以前のブログにも記述しましたが、写真のお品物は〈新刀〉です。

 

全国各地で活躍していた刀工も、系統別に分類されていました。新刀の代表的な系統として挙げられるのは、下記の通りです。
※( )内は、おおよその現在の都道府県名

 

▽磐城・岩代国(福島県) 三善系・兼定系
▽陸前国(宮城県) 国包系・安倫系
▽常陸国(茨城県) 坂東太郎卜伝(鎮正入道)
▽武蔵国(東京都・埼玉県) 下坂系・野田系・虎徹系
▽加賀国(石川県) 陀羅尼系・辻村系・清光系
▽越前國(福井県) 下坂系・堀川系・三条系
▽近江国(滋賀県) 近江石堂
▽山城国(京都府) 埋忠系・堀川系・三品系
▽摂津国(大阪府・兵庫県) 国助系・国貞系・助広系・忠綱系・石堂系
▽紀伊国(和歌山県) 南紀系・石堂系
▽播磨国(兵庫県) 手柄山系・宗栄系
▽備前・備中国(岡山県) 長船系・水田系
▽筑前・筑後国(福岡県) 福岡石堂・鬼塚吉国
▽肥前国(佐賀県) 忠吉系
▽薩摩国(鹿児島県) 波平・正清系

刃文の確認

刃文とは、刀身の刃につけられた模様のことで、〈焼き入れ〉という工程で作り出されます。焼き入れとは、刀身を熱したのち一気に水槽の中に入れて冷却することです。

 

刃文は、刀工が焼き入れの際に〈焼刃土(やきばつち)〉の置き方を工夫することで表現するものであるため、刀工や流派、時代の特徴を示す重要な要素の一つと言えるでしょう。

 

基本となる刃文の形は、〈直刃(すぐは)〉と〈乱刃(みだれば)〉。直線的な刃文を総じて〈直刃〉と呼び、〈糸直刃(いとすぐは)〉〈細直刃(ほそすぐは)〉〈中直刃(ちゅうすぐは)〉〈広直刃(ひろすぐは)〉の4種類があります。

 

直刃ではない焼刃は総じて〈乱刃〉と呼ばれ、〈互の目(ぐのめ)〉〈丁子(ちょうじ)〉〈簾刃(すだれば)〉〈皆焼刃(ひたつらば)〉などといったものが代表的です。〈互の目〉や〈丁子〉には、更にその種類が細分化されそれぞれに名称がありますが、これらのご紹介はまたの機会に。

時代の確認

先ほども少し触れましたが、日本刀は鍛刀期によって〈古刀〉〈新刀〉〈新々刀〉と区別されます。諸説ありますが、〈古刀〉は平安時代末期から1595年(文禄4年)まで、〈新刀〉は1596年(慶長元年)~1780年(安永9年)まで、〈新々刀〉は1781年(天明元年)~1876年(明治9年)の廃刀令まで。それ以降は〈現代刀〉呼ばれます。

 

奈良時代より以前に作製された日本刀は〈上古刀〉と称され、反りのない直刀でした。この時代の日本刀としては、天皇譲位の際に用いられる三種の神器のひとつ〈天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)〉や、奈良県天理市の石上神社に伝わる宝刀〈七支刀(しちしとう)〉などが有名です。

刀装具の確認

刀剣を携帯するための外装を刀装、刀剣の部品を刀装具と呼びます。日本刀に悠久の歴史があるように、刀を装飾する道具にもまた高度な技術が終結しているのです。

 

刀装具には、〈鍔(鐔)(つば)〉〈小柄(こづか)〉〈目貫(めぬき)〉〈笄(こうがい)〉〈下緒(さげお)〉などといったものがあります。中でも〈鍔〉は、他のものと比べるとお持ち込みいただく機会が多い刀装具です。

 

鑑定士は、査定依頼をいただいた鍔が〈どんな素材で作られているか〉〈どのような形をしているか〉〈どのような装飾がされているか〉などを確認して、査定・評価を行っています。

形状

鍔の形状は大小種々あり、代表的なものは丸形・角形・障泥(あおり)形・木瓜(もっこう)形・喰出(はみだし)形などです。

素材

鉄や銅を素材としたものが多いですが、錫や亜鉛などを含有した合金(赤銅・真鍮・四分一・さはり)も使われています。

地(じ)

鍔における地とは、表裏の地肌のことです。表面の仕上げ方も様々にあり、彫り以外の部分を平らに凹凸なく磨いたものを〈磨地(みがきじ)〉、魚卵状に連続して丸い点を打ったものを〈魚子地(ななこじ)〉、鉄鍔で槌を打った跡を残したものを〈槌目地(つちめじ)〉と呼びます。

鍔における耳とは、外周部分の縁のことです。側面を丸く仕上げ、強度を高めるために厚く作ることも。その形状は平坦なままの〈角耳〉、外側面を丸く仕上げた〈丸耳〉などがあります。

彫刻

立体的に高く彫り上げた〈高肉彫り〉、図柄があまり隆起せず、最も高い所が周囲と同じくらいの高さになるようにして彫刻した〈薄肉彫り)など、彫刻の種類も様々です。他にも〈毛彫り〉といって、細い線彫で図柄を描く技法もあります。

象嵌(ぞうがん)

象嵌とは、地金に切り込みをつけて金属をはめ込む技法のこと。地と象嵌の高低差がなく平らに磨きあげる〈平象嵌〉、象嵌が糸のように細い〈線象嵌〉などがあります。

 

模様を金の薄い板で包んだ〈うっとり象嵌〉は、象嵌ではありますが色絵のように仕上がるため華やかな印象です。

鑢目(やすりめ)

鑢目とは、茎に施した鑢の跡のこと指します。柄から茎が抜け落ちるのを防ぐために刻まれていたようです。阿弥陀仏の後光がさしたように放射状に彫りを施した鑢目のことを〈阿弥陀鑢(あみだやすり)〉、雨足のように見える鑢目のことを〈時雨鑢(しぐれやすり)〉と言います。

 

鍔に関しても銘の確認を行いますが、刀装具の場合無銘のものが大変多いです。また偽物も存在しますので注意が必要となります。

まとめ

刀剣は、その歴史が長く奥深いものであるが故に、真贋を含めた査定が非常に難しいお品物です。その特性上、細心の注意を払い査定を行っております。

 

刀の取り扱いをしたことがないという方は多数いらっしゃると思いますので、注意喚起をひとつ。お客様のご自宅等に刀剣類がございましたら、鞘から刀を抜くことはお勧めしません。抜刀・納刀をする際刀にダメージを与えてしまったり、お客様ご自身や周りの方に危険を及ぼす可能性も否めないからです。

 

取り扱いを含め、ご不安な点がある方はぜひご相談ください。『くらや旭川店』では、刀剣類など難易度の高いお品物に関しても、お客様から安心して査定を任せていただけるよう努めております。

 

日本刀などをお持ち込みいただく際は、必ず登録証を併せてご持参ください。しっかりとした査定技術をもつ経験豊富な鑑定士が、お客様の大切なお品物をひとつひとつ丁寧に査定し、買取させていただきます。

 

査定・相談はもちろん無料です。皆様のご来店・お電話を、心よりお待ち申し上げております。

 

 

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