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佐賀店
2021/02/18

佐賀県佐賀市 絵画の買取|肉筆画 版画 エスタンプ|名曲誕生に一役買った佐賀の著名画家

5:59 am

はじめに

こんにちは。古美術品をはじめ、絵画などの買取を行っている買取専門『くらや佐賀店』の丸山です。
先日、お客様より絵画の買取に関するご相談を承りました。「祖父が知人から贈られたもので、価値はよくわからないのですが…」と、店舗にお持ち込みいただいた絵画は〈大隈武夫〉の〈初秋の阿蘇山〉でした。10号の作品は、日焼けや絵具の亀裂、剥離もなく、状態が良好であったため高評価となりました。

 

長期間保管された直筆の油絵に多くみられる、経年劣化によるひび割れや絵具の剥落。直射日光に当てないこと、過度な乾燥に晒さないこと、湿度の高い部屋で保管しないことなど、絵画の保管には気を付けたいところですね。

 

絵画の説明と査定にご納得いただいた後、先ほどのお客様より「実は他にもたくさん査定してほしいものがあるのですが」と、お爺様の遺された陶磁器類の出張査定をご依頼いただきました。

 

後日ご自宅にお伺いしてみると、飾り棚にはずらりと並んだ〈十三代柿右衛門〉の花瓶が。おそらくお爺様は、柿右衛門がお好きで収集されていたのでしょう。その旨をお客様へお伝えすると、「祖父が柿右衛門を集めていたなんて知らなかった」「陶磁器類は私の好みではなかったので、全部捨てようとしていた」と仰っていました。

 

きっかけは1枚の絵画。しかし、不要だと思っていたものを処分する前に一旦立ち止まることで、ご家族も気づかれていなかったお爺様のお人柄に触れることが出来たというエピソードでした。

 

さて、今回は〈絵画〉についてお話ししていきたいと思います。油絵やリトグラフなどの絵画は、持主亡き後ご家族が遺されたものの行先に悩まれ、ご依頼いただくことも多いお品物です。お手元の絵画の種類を簡単に見分ける方法などもご紹介します。

絵画の種類

作家本人直筆の〈肉筆画〉、印刷技法を使って作られた〈版画〉その他、〈ちぎり絵〉などの種類に分けることが出来る絵画。

 

肉筆画はもちろん、作家本人による〈版画〉〈リトグラフ〉もありますよね。また、第三者による複製版画〈エスタンプ〉なども存在するため、その種類よって絵画の価値も必然と変わってくるのです。

 

ここからは、〈肉筆画〉〈版画〉〈エスタンプ〉それぞれの特徴や見どころをご紹介していきたいと思います。

肉筆画

印刷や複製ではなく、作家本人が実際に手で描いた作品のことです。油彩の場合は主にキャンバス(画布)に描かれていることが多いですが、作品によっては紙・金属板・パネル板・木板・皮革にも描かれます。

 

油彩やアクリル絵具で描かれた作品には凹凸がみられ、作家の絵筆の運びまでもが表現として使われているのが特徴です。リトグラフやアートポスターとの見分けの際も、絵具の重なり具合や筆跡で判断することが出来ます。

 

また、キャンバスのどこかにサインを入れることが多く、誰の作品であるのか判別できるようにされているのも肉筆画の特徴です。仮にモチーフが同じであっても、肉筆画においては全ての作品が世界に1点しかないため、希少価値も高くなります。

 

下記に挙げるものは、使用される代表的な絵具です。

油絵具

〈油絵具〉の歴史は古く、600年以上の歴史があると言われています。筆跡を残した印象派のような表現から、繊細で緻密な描写のものまで幅広い技法に対応することができる絵具です。

 

時代によって用いられる技法も異なり、600年の間に流行り廃りも多くありました。油絵具は、キャンバスだけでなく紙・パネル・金属板にも使用できることが特徴です。

5:59 am

アクリル絵具・アクリルガッシュ

油絵具と比較すると、まだ歴史の浅い〈アクリル絵具〉。その誕生は1940年後半頃とも言われています。絵具が乾くと色が少し濃くなるのも特徴と言えるでしょう。

 

艶感・透明感が特徴のアクリル絵具ですが、後発でマットな質感を持つ絵具が開発されます。それが〈アクリルガッシュ〉です。

 

アクリルガッシュで描かれた現代アート作品は多数ありますが、アクリル絵具と比べるとアクリル樹脂が少ないため柔軟性に欠けます。厚塗りのものなどは、曲げたり折ったりすると画面が割れてしまうことがあるので注意が必要です。

水彩絵具

アクリル絵具も水彩絵具も「水で溶かして描くことができる」といった面では共通しています。では、両者の違いは一体どこにあるのでしょうか?

 

まず、使われている材料の違いが挙げられます。絵具は基本的に、顔料とバインダーと呼ばれる〈展色材〉が練りあわされて作られるのですが、アクリル絵具と水彩絵具はこの〈展色材〉が違うのです。

 

また、アクリル絵具がキャンバスをはじめコンクリートなどにも塗れるのに対し、水彩絵具は基本的には紙に描くのが一番適しています。重ね塗りしても紙面に凹凸ができにくく、下地の色を透過して様々な発色が可能であることも特徴のひとつです。

 

水彩絵具は耐久性・耐水性が低いため、取り扱いにはご注意を。

版画

〈版画〉は、木板・石板・金属板などを彫り込み、絵具やインクをのせて紙に転写したものの総称です。技法によって〈凸版画〉〈凹版画〉〈平版画〉〈孔版画〉などに大別されます。

 

印刷・転写といっても、版画作家による作品はれっきとした〈美術品〉です。作家自身が携わった作品を〈オリジナル版画〉、オリジナルの作者の権利の了解を得たうえで第三者の手で複製された作品を〈エスタンプ〉(複製版画)として区別されています。

 

オリジナル版画として認められるには、以下のような条件が必要です。

 

①版画を作る目的で作家自身が下絵を描き、木版などを制作したものであること
②作家自身が自分の手で擦ったもの、または作家の監督の下、職人が指示通りに擦ったもの
③擦りあがった作品1枚1枚を作家が容認、または職人が製版し、刷り上がり作品を作家自身が容認したもの
④完成した作品の板面左下にエディションナンバーを、右下に自筆サインを入れたもの
⑤あらかじめ決めた部数を擦り、終わった版を廃版したもの

 

これらを満たした作品はオリジナル版画と認められ、美術品として販売されます。世界に1点だけの〈原画〉〈肉筆画〉と呼ばれるものとの大きな違いは、〈エディションナンバー〉と〈直筆のサイン〉が入っていることです。

 

エディションナンバーは、例えば〈25/300〉と記載されています。これは「300枚擦った版画のうちの25番目に擦られた作品」という意味です。

エスタンプ

〈エスタンプ〉は、オリジナルの作者または権利者の了解を受けた上で、オリジナル作品を元に版画の技法を使って制作されます。つまり「作者本人が直接関わっていない版画作品」です。

 

同じ版画の技法を使用して作られているため、オリジナル版画と見分けがつきにくいことも多々あります。ほとんどのエスタンプには、余白部分にそれとわかる刻印などが入れられているのですが、中には刻印などが無く判別が難しいお品物も…。

絵画の判別方法

同じ作者のまったく同じ作品があった場合、〈肉筆画〉〈リトグラフ〉〈エスタンプ〉〈アートポスター〉では、当然のことながら価値が全く異なります。実際に作品を見られる状況であれば、画面に絵具が載っているかどうかを確認することで判別することが可能です。

 

〈油彩画〉や〈アクリル画〉は絵具の凹凸がある作品が多く、〈水彩画〉には絵具が重なった跡が見えます。〈リトグラフ〉であれば作品下部にエディションナンバーと直筆サインが記載されており、〈エスタンプ〉にはそれとわかる印が画面または裏面に記載されているはずです。

 

印刷物は小さな点の集合として転写されています。印刷物である〈アートポスター〉は、よくよく観察してみると無数の小さな点で描かれているのです。

佐賀県の著名作家

中島潔(なかしまきよし)

中島潔(1943年~)は日本画家・絵本作家・イラストレーターで、郷愁ある童画や儚げな人物画を得意としています。中島潔の〈雨やどり〉という作品は、長崎県出身のある有名歌手が購入し、そこからインスピレーションを受けて、作品名と同じ名前の名曲が作られたというエピソードも。

 

中島潔の作品は肉筆画・版画という形で発表されており、原画をもとにしたアートポスターもたくさん制作されています。絵葉書を額装した小さな作品もあるので、ご興味のある方は探してみてください。

岡田三郎助(おかださぶろうすけ)

岡田三郎助(1869年~1939年没)は、昭和初期まで活躍した日本を代表する洋画家・版画家です。女性像を得意とし、ポーラ美術館(神奈川県)収蔵の〈あやめの衣〉は切手の図案にも採用されています。

 

岡田三郎助は、後述する〈百武兼行〉の油彩画に影響を受け、画家を志すようになったのだそう。文部留学生としてフランスにも留学しており、帰国後は東京美術学校の教授として後進の育成に尽力しました。

百武兼行(ひゃくたけかねゆき)

百武兼行(1842年~1884年没)は、江戸時代から明治にかけて活躍した洋画家です。日本で初めて洋画・裸婦像を描いた人物とされています。フランスで初めて洋画を学び、日本人で最初にオックスフォード大学へ留学した人物の一人でもあるようです。

 

作品があまり残っていないため、地元でも名前が知られていないこともあるのですが、「鍋島直正公の肖像を描いたといわれる人物」と言えばピンとくる方が多いのではないでしょうか?

九州の著名画家

青木繁

福岡県久留米市出身。明治期のロマン主義を代表する画家で、日本美術史上に残る作品を数々残しています。28歳で早逝したため残されている作品はあまりなく、また未完成の作品も多いです。放浪していた際に残した絵画が複数残っているという説もありますが、定かではありません。

坂本繁次郎

福岡県久留米市出身。青木繁と同郷で、友人関係でもあった日本画家です。二人は互いに切磋琢磨し合い、絵の腕を上げていたのだとか。青木繁が早逝した後は、青木繁の遺作展の開催や画集の刊行のために尽力していたようです。

大津英敏

熊本県熊本市出身の洋画家で、娘二人をモデルにした〈少女シリーズ〉や、幻想的な〈毬シリーズ〉で知られています。現在も家族を題材とした作品を多く描いていますが、風景画や動物画なども制作しており、どれも淡い色彩が特徴的です。

田崎広助

福岡県八女郡北山村(現・八女市立花町)出身の洋画家。美術学校を志すも父の反対にあい、教師を目指しながら独学で絵画修行を行いました。赤・黄色・オレンジなど、明るい色彩を多用している作品が多いです。

 

風景画では特に山を題材にした作品が多く、熊本の阿蘇山をモチーフとした作品が多数あります。

まとめ

一口に〈絵画〉と言っても、画材・手法・作成年代・保存状態など、鑑定士が見るべきところは多岐にわたります。絵画の売却にお悩みの方は、是非『くらや佐賀店』にご相談ください。

 

絵画の買取経験が豊富な鑑定士が、ひとつひとつ丁寧に査定させて頂きます。額装された重量のある絵画や、「店舗に持ち込むには量が多すぎる」などのお悩みがあるお客様には〈出張買取〉も行っておりますので、一度ご相談ください。

 

出張費用・相談費用は無料となっております。皆様のご来店・電話でのお問合せなど、心よりお待ちしております。

 

 

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店舗:くらや佐賀店
住所:佐賀県佐賀市本庄町袋297-1
電話:0120-322-510
営業:10:00~19:00
定休:水曜日

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