
もくじ
ご実家の片付けや遺品整理、生前整理をきっかけに、洋食器についてご相談いただく機会が増えています。
愛媛県松山市のイオンスタイル松山3階にある買取専門店 くらや 松山店では、ブランド洋食器をはじめ、骨董品、美術品、茶道具、陶磁器など幅広いジャンルの店頭買取・出張買取を行っております。
「サイドボードに飾ったままになっているブランド食器を整理したい。」
「箱に入ったままのカップ&ソーサーがある。」
「親が集めていた洋食器だけど、価値が分からない。」
といったお問い合わせを多くいただいております。
ブランド洋食器には、ウェッジウッドやロイヤルコペンハーゲン、ヘレンド、リチャードジノリなど、世界的に知られるブランドが数多くあります。その中でもマイセンは、1710年にヨーロッパ初の硬質磁器窯として誕生し、300年以上にわたり世界中で愛され続けています。現在でも「洋食器を代表する最高峰ブランドの一つ」として広く認識されており、その歴史や技術力は他のヨーロッパ磁器窯にも大きな影響を与えました。
マイセンは、美しい絵付けや優れた品質に加え、長い歴史の中で数多くの人気シリーズや芸術性の高いフィギュリンを生み出してきました。
今回は、マイセンの歴史や人気シリーズ、フィギュリンの魅力をご紹介するとともに、東温市でご相談いただいた出張買取エピソードについてもご紹介いたします。
マイセンの歴史は、18世紀初頭のドイツ・ザクセン王国から始まります。
当時のヨーロッパでは、中国や日本から輸入される磁器が王侯貴族の間で絶大な人気を集め、「白い金(ホワイトゴールド)」と呼ばれるほど非常に高価なものでした。特にザクセン選帝侯でありポーランド王でもあったアウグスト2世(「アウグスト強王」とも呼ばれる)は熱心な磁器収集家として知られ、その情熱からヨーロッパでも磁器を製造したいと考えるようになります。
その命を受けて研究を進めたのが、錬金術師ヨハン・フリードリヒ・ベトガーと、数学者・科学者エーレンフリート・ヴァルター・フォン・チルンハウスでした。二人を中心とした研究の結果、1708年にヨーロッパで初めて硬質磁器の焼成に成功します。そして1710年、アウグスト2世によってドイツ・マイセンのアルブレヒツブルク城内に磁器製作所が設立され、ここからマイセンの歴史が始まりました。
当時、硬質磁器の製法は国家機密として厳重に管理され、「アルカヌム(秘法)」と呼ばれていました。しかし、その後は徐々に製法がヨーロッパ各地へ伝わり、多くの磁器窯が誕生します。そのような中でも、マイセンは卓越した技術力と芸術性によって高い評価を維持し、ヨーロッパ磁器文化の発展を牽引する存在となりました。
また、マイセンといえば「双剣マーク」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この双剣マークは1722年に導入されたもので、ザクセン選帝侯家の紋章に由来しています。模倣品から自社製品を守るために採用されたものであり、現在でも世界最古級の商標として使われ続けています。鑑定の現場でも、この双剣マークは年代や真贋を確認するうえで重要な手がかりの一つとなっています。
300年以上の歴史を持つマイセンは、伝統的な技法を受け継ぎながらも、時代ごとにさまざまなデザインやシリーズを生み出してきました。次章では、現在でも高い人気を誇るマイセンの代表的なシリーズについてご紹介いたします。
300年以上の歴史を持つマイセンは、時代ごとに数多くの美しいシリーズや装飾を生み出してきました。その多くは現在でも製作が続けられており、世界中のコレクターや愛好家から高い人気を集めています。ここでは、マイセンを代表する人気シリーズをご紹介いたします。
マイセンを代表するシリーズといえば、やはり「ブルーオニオン」です。1739年に誕生した染付の代表作で、中国磁器の影響を受けてデザインされました。名前に「オニオン(玉ねぎ)」とありますが、実際に描かれているのはザクロや桃、竹、菊などの吉祥文様であり、ザクロを玉ねぎと見間違えたことから「ブルーオニオン」と呼ばれるようになったという説が広く知られています。現在でもマイセンを象徴するシリーズとして、高い人気を誇っています。
「ブルーオーキッド」は、1970年にマイセンの著名な磁器絵付師ハインツ・ヴェルナーが手掛けた「枝に咲く青い蘭」をもとに誕生したシリーズです。繊細な蘭の花をコバルトブルーの下絵付けで描いた上品なデザインが特徴で、余白を生かした洗練された美しさから、現代のマイセンを代表する人気シリーズの一つとなっています。
18世紀のヨーロッパでは、中国や日本など東洋文化への憧れから「シノワズリ(東洋趣味)」が流行しました。マイセンでも、中国風の人物や風景、草花などを描いた作品が数多く制作され、絵付師ヨハン・グレゴリウス・ヘロルトによる作品は現在でも高く評価されています。東洋文化をヨーロッパ独自の感性で表現したマイセンならではの装飾として人気があります。
「ミングドラゴン」は、中国・明時代の磁器に描かれていた龍をモチーフとしたシリーズです。中国では龍は幸福や繁栄、力強さを象徴する縁起の良い存在とされており、マイセンでは四本爪の龍を優雅に描いています。東洋文化への敬意とマイセンの高い絵付け技術が融合した人気シリーズです。
小さな花々を一輪ずつ散りばめるように描いた「散らし小花(スキャタードフラワー)」は、可憐で上品な印象を与えるシリーズです。一つひとつの花を職人が丁寧に手描きしており、同じ絵柄でも配置や表情が少しずつ異なることから、手仕事ならではの温かみを感じることができます。飽きのこないデザインとして長年愛され続けています。
「スノーボール」は、雪のように白く丸い花を立体的に表現した、マイセンを代表する芸術作品の一つです。その起源は1739年にアウグスト3世の依頼によって制作された装飾にさかのぼり、一輪一輪の花びらを手作業で取り付ける高度な技術が用いられています。花器や飾り壺などに採用されることが多く、現在でもマイセンの高い技術力を象徴する作品として高く評価されています。
このようにマイセンには、長年親しまれている定番シリーズから、職人の高い技術が生み出す芸術性豊かな作品まで、さまざまな魅力があります。しかし、マイセンの魅力は洋食器だけではありません。次章では、世界中のコレクターを魅了し続けているフィギュリンについてご紹介いたします。
マイセンは洋食器だけでなく、「フィギュリン」と呼ばれる磁器人形でも世界的に高い評価を受けています。
フィギュリンとは、人や動物、神話の登場人物などを磁器で立体的に表現した作品のことです。18世紀から現在まで数多くの作品が制作されており、その芸術性の高さから世界中のコレクターに愛されています。
マイセンを代表するフィギュリンです。18世紀半ばにヨハン・ヨアヒム・ケンドラーを中心に制作されたシリーズで、宮廷音楽家に扮した猿たちをユーモラスに表現しています。現在でも人気が高く、マイセンを象徴する作品の一つとして知られています。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という人間の五感を人物像で表現したシリーズです。それぞれ異なる仕草や表情が細かく作り込まれており、マイセンの高い造形技術を感じられる作品として人気があります。
愛らしい天使をモチーフにした作品で、楽器を演奏する姿や遊ぶ姿など、さまざまなデザインがあります。贈答品やコレクションとしても人気の高いシリーズです。
犬や猫、鳥をはじめ、さまざまな動物を繊細に表現した作品です。毛並みや羽根まで丁寧に作り込まれており、動物をモチーフにしたフィギュリンも世界中のコレクターから支持されています。
このようにマイセンは、洋食器だけでなく芸術作品として高い評価を受けるフィギュリンも数多く制作しています。次章では、東温市でご相談いただいたマイセンのカップ&ソーサーの出張買取エピソードをご紹介いたします。
今回ご紹介するのは、東温市にお住まいのお客様からいただいた、出張買取のご相談です。
お客様は、ご実家の片付けを進める中で、お母様が長年大切にされていたブランド洋食器を整理することになったそうです。
「実家のサイドボードにブランド食器が飾ってあるのですが、母が大切にしていたものなので、一度見てもらえませんか。使う予定もないので、この機会に整理しようと思っています。」とお問い合わせをいただきました。
後日、ご都合に合わせてご自宅へお伺いし、一点ずつ拝見させていただきました。
お客様のお話の中で、「母が一番大切にしていたのが、このマイセンだったんです。」とお聞かせいただいたのが、「ブルーオーキッド」のカップ&ソーサーでした。サイドボードの中でも一番目立つ場所に飾られており、お母様が特にお気に入りだったことが伝わってきました。
お客様からは、「母はこの青一色のデザインが大好きで、このカップだけは特に大事にしていました。」と、お母様との思い出もお聞かせいただきました。
マイセンは、シリーズによって人気が異なるほか、保存状態も評価のポイントになります。今回も、一点ずつブランド、保存状態などをご説明し、ご納得いただいたうえでご成約となりました。
「母が大事にしてきたものだから、丁寧に見ていただいてとてもうれしかったです。」と言っていただき、当店としてもとてもうれしく思いました。
マイセンは、300年以上の歴史を持つヨーロッパを代表する磁器ブランドです。長い歴史の中で数多くの人気シリーズやフィギュリンが生み出され、現在でも世界中のコレクターや愛好家から高い評価を受けています。
また、同じマイセンでも、シリーズや制作年代、保存状態、付属品の有無などによって評価は大きく異なります。「昔購入したものだけど、今でも評価してもらえるのだろうか」「箱がないけれど大丈夫だろうか」といったご相談をいただくことも多くあります。
実際に、ご実家の片付けや遺品整理、生前整理をきっかけに、「大切にしてきたブランド洋食器を見てほしい」というお問い合わせも増えています。
買取専門店 くらや 松山店では、マイセンをはじめ、ヘレンドやウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲン、リチャードジノリなど、さまざまなブランド洋食器の店頭買取・出張買取を行っております。
ブランド洋食器の整理をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。一点からでも丁寧に拝見し、シリーズや保存状態などを確認したうえで、分かりやすくご説明いたします。