
もくじ
ご実家の片付けや遺品整理を進める中で、長年使われていなかった蔵や倉庫から、たくさんの古い道具が出てくることがあります。
昔から家にある陶磁器や茶道具、掛軸、書道具、鉄瓶、銀瓶など、ご家族にとっては見慣れないものも多く、「古そうだけれど価値があるものなのか分からない」「何に使う道具なのかも分からない」と困ってしまうことも少なくないと思います。
愛媛県松山市イオンスタイル松山の3階にある買取専門店 くらや 松山店では、骨董品や美術品をはじめ、陶磁器、茶道具、煎茶道具、掛軸、書道具、金工品など、幅広いジャンルの店頭買取・出張買取を行っております。
今回ご紹介するのは、西条市にお住まいのお客様からいただいた、ご実家の蔵の片付けに伴う出張買取のご相談です。
お客様はご家族で蔵の整理を進めていたところ、箱に入った陶磁器や昔の道具など、さまざまな古いものが出てきたそうです。しかし、いつ頃から蔵に保管されていたものなのか、誰が購入したものなのかも分からず、ご家族で見ても価値を判断することができず、一度専門業者に確認してもらおうと思われたとのことでした。
「実家の蔵を片付けていたら、古いものがいろいろと出てきました。自分たちでは何が価値のあるものなのか分からないので、一度まとめて見てもらえませんか。」
このようなご相談をいただき、後日、西条市のご実家へ伺うことになりました。
蔵や倉庫は、長い年月にわたって使われてきた道具や、ご先祖様の代から受け継がれてきたものがそのまま残されていることもある場所です。箱に入れられたまま何十年も保管され、ご家族も中身を詳しく見たことがないというケースも多くあります。
また、骨董品の価値は、見た目の古さだけで判断できるものではありません。作者や時代、素材、技法、状態、付属品や一緒に残されている資料など、さまざまな点を確認する必要があります。そのため、一見すると価値がないように思える古い道具でも、びっくりするような評価になる作品が見つかることがあります。
今回の西条市での出張買取でも、蔵から出てきた骨董品を一点ずつ確認していく中に、目を引く銀瓶がありました。
確認すると、幕末から明治時代にかけて活躍した釜師・名越昌晴(なごし まさはる)の銀瓶でした。
名越昌晴とはどのような人物で、どのような作品を残したのでしょうか。
次章では、今回の出張買取で見つかった銀瓶を手掛けた名越昌晴について、詳しくご紹介していきます。
名越昌晴(なごし まさはる)は、幕末から明治時代にかけて活躍した釜師です。
名越昌晴は1830年に生まれ、旧姓を小幡仁之助といい、江戸名越家八代・名越昌孝の門人として釜づくりの技術を学びました。その後、名越家に入り、江戸名越家の十代を継いで幕府の御釜師を務めています。通称を「弥五郎(彌五郎)」といい、江戸名越家では代々「弥五郎」の名が受け継がれていました。
名越家は、京都で釜を制作してきた歴史ある釜師の家系です。江戸名越家は、名越善正の次男・家昌が徳川幕府に召し出されて江戸へ下り、幕府の御用を務めたことに始まるとされています。その後、江戸名越家は代々幕府の御用釜師を務め、茶の湯で使われる釜などを手掛けてきました。
その十代を継いだ昌晴も、幕府に関わる重要な仕事を任されています。
嘉永5年(1852)、江戸城内の宝蔵が火災に遭い、そこに収められていた釜も被害を受けました。昌晴は文久2年(1862)、命を受けて損傷した名物釜六口の修補を行い、その功績によって褒賞を受けたと伝えられています。また、徳川家に伝来した東山御物の雲龍釜の修補にも携わっています。こうした仕事を任されていたことからも、当時の釜師として高い技術を持っていたことがうかがえます。
さらに安政6年(1859)には、八代・名越昌孝が著した『鋳家系』を改正・増補して刊行しています。自ら作品を手掛けるだけではなく、釜師や鋳物師に関する記録を後世へ伝える仕事にも関わっていました。昌晴は江戸幕府が終わった後も活動を続け、明治44年(1911)に亡くなっています。
釜師というと茶釜を作る職人というイメージが強いかもしれませんが、名越昌晴は茶釜だけでなく、鉄瓶や銀瓶などの作品も残しています。
銀瓶とは、銀を用いて作られた湯沸かしのことで、煎茶の席などで湯を沸かすために用いられてきました。しかし、名のある釜師や金工作家が手掛けた銀瓶は、単なる実用品というだけではありません。形や細工、表面に施された鎚目、注口や提手の意匠などにも作者の技術が表れ、金工作品としても評価されています。
実際に名越昌晴の銀瓶には、丸みを帯びた胴に細かな鎚目を施し、鳳凰を思わせる注口や透かしを取り入れた提手を備えた作品も確認されています。底部に「昌晴」の銘が入り、木箱にも昌晴自身による箱書が残された銀瓶の現存例があります。
今回、西条市のご実家から見つかった銀瓶も、胴全体に細かな鎚目が施され、注口や提手などにも細かな意匠が見られます。そして、銀瓶と一緒に共箱が残されていたことも、作品を評価するうえで大切なポイントとなりました。
ご家族には価値が分からず、長い間ご実家の蔵に残されていた銀瓶。詳しく確認していくことで、それが江戸名越家十代・名越昌晴による作品であることが分かりました。
次章では、西条市のご実家へ伺い、蔵に残されていたさまざまな骨董品を買取した際のエピソードをご紹介させていただきます。
ご相談をいただいた後日、西条市にあるお客様のご実家へ出張買取に伺いました。
今回のご相談は、ご実家の蔵の片付けを進めていたところ、陶磁器や古い道具などがいろいろと出てきたものの、ご家族では価値が分からないため、一度まとめて見てほしいというものでした。
実際に蔵を拝見すると、長年保管されていた陶磁器や道具がいくつも残されており、丁寧に木箱に収められ、保管されていました。鑑定士が箱の中身や付属品などを確認しながら、一点ずつ確認していきました。
その中で目に留まったのが、今回ご紹介している銀瓶です。
丸みを帯びた胴には細かな鎚目が施され、注口や提手にも細かな意匠が見られます。また、銀瓶だけでなく共箱も一緒に残されていました。
箱を確認すると「銀瓶」の文字とともに「名越彌五郎」の名が記されています。前章でご紹介したように、「彌五郎」は江戸名越家十代・名越昌晴の通称です。銀瓶本体や共箱などを詳しく見ていき、名越昌晴による作品で間違いないと判断しました。
お客様にお話を伺いましたが、この銀瓶がいつ頃から蔵にあったのか、どなたが購入されたものなのかなど、詳しいことは分からないとのことでした。
出張買取で、いろいろな現場にお伺いさせていただくのですが、代々その家に残されてきたものでも、受け継いだご家族が作者や用途を知らないということは珍しくありません。特に今回のように蔵にさまざまな古いものがまとめて保管されている場合、一つひとつについて詳しく聞く機会がないまま世代が変わり、由来が分からなくなっていることもあります。
今回の銀瓶も、お客様にとっては「蔵から出てきた古いもの」の一つでした。
しかし、名越昌晴は幕末から明治時代にかけて活躍し、幕府の御釜師も務めた釜師です。そのため、銀という素材の価値だけで判断するのではなく、作者や作品の出来栄え、細工、状態、共箱などを含めて評価していきました。
鑑定士から名越昌晴についてご説明すると、お客様も、蔵に長年残されていた銀瓶がそのような釜師による作品だったとはご存じなかったようで、驚かれていました。
ほかにも蔵から出てきた陶磁器や古い道具などを確認し、それぞれについてご説明しながら買取を進めていきました。最終的には、名越昌晴の銀瓶を含めた骨董品をお売りいただき、ご成約となりました。
今回の出張買取のように、ご家族にとっては何気ない古い道具に見えても、作者や箱、銘などを確認することで、思いがけない作品が見つかることがあります。
蔵の片付けをきっかけに見つかった、名越昌晴の銀瓶。
長年ご実家に残されてきた作品をきちんと確認し、お客様にもその内容をご説明したうえで買取することができた、西条市での出張買取となりました。
今回ご紹介した西条市のお客様のように、ご実家の蔵や倉庫を片付けていると、陶磁器や茶道具、掛軸、古い道具など、さまざまなものが出てくることがあります。
長年保管されてきたものほど、「いつから家にあるのか分からない」「誰が購入したものなのか知らない」「何に使う道具なのか分からない」ということも多く、ご家族だけで価値を判断するのは難しいものです。
特に骨董品や美術品の中には、作者の名前が分かりやすく書かれていないものや、箱や銘を確認して初めて作者が分かるものもあります。また、見た目だけでは素材や時代を判断することが難しいものもあるため、「古くて汚れているから」「使い道が分からないから」と処分してしまう前に、一度専門店へ相談することをおすすめします。
買取専門店 くらや 松山店では、陶磁器、茶道具、煎茶道具、掛軸、書道具、鉄瓶、銀瓶、金工品をはじめ、古銭、切手、カメラ、古いおもちゃなど、幅広いジャンルの買取を行っております。
「蔵に古いものがたくさん残っているけれど、何から整理すればいいのか分からない」「価値があるものと処分してもよいものを自分たちでは判断できない」といった場合もご相談ください。
点数が多い場合や、大きくて持ち運ぶことが難しいものがある場合には、出張買取も行っております。今回ご紹介した西条市をはじめ、松山市、今治市、新居浜市、四国中央市、東温市、伊予市、大洲市、八幡浜市、西予市、宇和島市など、愛媛県内各地へ鑑定士がお伺いいたします。
「これは何だろう」「古いものだけれど買取できるのだろうか」と迷われるものがございましたら、処分する前に買取専門店 くらや 松山店へご相談ください。
大切に受け継がれてきたものを一点ずつ確認し、次に必要とされる方へつなぐお手伝いをさせていただきます。