
もくじ
愛媛県松山市のイオンスタイル松山3階にある買取専門店 くらや 松山店では、骨董品や美術品をはじめ、茶道具、掛軸、陶磁器、洋食器、ブランド品など、さまざまなお品物の店頭買取・出張買取を行っております。
近年は、ご実家の片付けや遺品整理、生前整理をきっかけに、「ガラスの置物や花瓶がある」「飾っていたクリスタル製の置物を整理したい」「価値があるものか分からないので見てほしい」といったご相談をいただく機会が増えています。
クリスタルガラスの作品には、花瓶やボウル、オブジェ、灰皿、香水瓶などさまざまな種類があり、海外のガラス工芸ブランドや作家による作品が、ご自宅の飾り棚や応接間、ガラスケースなどで長年大切に保管されていることも少なくありません。
その中でも、世界的に人気の高いガラス工芸ブランドの一つが「ラリック(LALIQUE)」です。
名前は聞いたことがあっても、「どのようなブランドなのかまでは知らない」「ガラス工芸品のメーカーということしか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
ラリックは、美しいクリスタルガラスの作品を数多く生み出してきたフランスのブランドであり、花瓶や置物、香水瓶、テーブルウェアなど幅広い作品が世界中のコレクターに親しまれています。ご実家の片付けや遺品整理の際に見つかり、ご相談いただくことも少なくありません。
実際にお話を伺うと、「昔、百貨店で購入したものらしい」「海外旅行のお土産でもらった」「親が気に入って応接間に飾っていた」など、作品との思い出をお聞かせいただくことも多くあります。
一見すると同じようなクリスタルガラスに見えても、作者やブランド、製作年代、シリーズなどによって評価は大きく異なります。そのため、処分を考える前に、一度専門店へご相談いただくことをおすすめしております。
今回は、フランスを代表するガラス工芸ブランド「ラリック」の歴史や代表的な作品についてご紹介するとともに、宇和島市でご依頼いただいた出張買取のエピソードもあわせてご紹介いたします。
現在ではクリスタルガラスのブランドとして広く知られているラリックですが、その始まりは、フランスの芸術家ルネ・ラリックが手掛けたジュエリーにあります。
ルネ・ラリックは、1860年にフランス北東部のシャンパーニュ地方にあるアイ村で生まれました。1876年、パリの宝飾職人ルイ・オーコックのもとで修業を始め、その後はパリの装飾美術学校で学び、イギリスでも研鑽を積みます。帰国後は、ブシュロンやカルティエなどの宝飾店へデザインを提供し、1885年にはパリの工房を引き継いで、自身の名で本格的にジュエリー制作を始めました。
当時の高級ジュエリーでは、金やプラチナ、ダイヤモンドなどの高価な素材を前面に出したものが主流でした。一方、ルネ・ラリックは、角や象牙、半貴石、エナメル、ガラスといった、それまで宝飾品ではあまり重視されてこなかった素材も積極的に取り入れました。
素材そのものの価格だけではなく、デザインや色彩、全体の造形によって作品の美しさを表現しようとしたことが、ルネ・ラリックのジュエリーの大きな特徴です。女性の姿や草花、昆虫、鳥など、自然の中にあるモチーフを独自の感覚で組み合わせ、アール・ヌーヴォーを代表するジュエリー作家として知られるようになりました。1900年に開催されたパリ万国博覧会では大きな成功を収め、宝飾作家としての名声を確かなものにしています。
その後、ルネ・ラリックは次第にガラスへと活動の中心を移していきます。
大きな転機となったのが、1907年に香水商フランソワ・コティと出会ったことです。それまで香水瓶は、香水を入れるための容器という意味合いが強いものでしたが、ルネ・ラリックは、中に入る香水のイメージと瓶のデザインを結び付けました。香りだけでなく、瓶を含めた全体で商品の世界観を表現するという考え方は、その後の香水瓶のあり方にも大きな影響を与えています。
1913年にはコン=ラ=ヴィルのガラス工場を取得し、型を用いて一定数を生産する技術にも力を入れました。これは、優れたデザインを一部の限られた人だけのものにするのではなく、より多くの人が手に取れるようにしたいという考えによるものです。
さらに、1921年にはフランス北東部のヴィンゲン=シュル=モデールに新しい工場を建設し、翌1922年からアルザス・ガラス工場として本格的な製造を開始しました。ここでは香水瓶だけでなく、花瓶、食器、ボウル、照明、置物、時計、鏡、インク壺、自動車のラジエーターキャップなど、暮らしや建築に関わる幅広いガラス作品が制作されています。
ジュエリーに多く見られた植物や動物、女性像といったモチーフは、ガラス作品にも受け継がれました。透明な部分と曇りガラスのような部分を組み合わせ、光の透過や陰影によって文様を浮かび上がらせる表現は、ラリックの作品を特徴づけるものの一つです。
その中でも、ルネ・ラリックのガラス作品を語る際に欠かせないのが、「オパルセントガラス」です。「オパールガラス」と呼ばれることもありますが、特定のシリーズ名ではなく、ガラスの色合いや光の見え方に関わる表現、技法の一つとして理解するとよいでしょう。
オパルセントガラスは、見る角度や光の当たり方によって、乳白色や青白い色、淡い橙色などが浮かんで見えるガラスです。ラリック美術館によると、ルネ・ラリックは1920年代初めからオパルセントガラスを用いており、通常の原料にリン酸石灰や錫を加え、冷却と再加熱を繰り返すことで、オパールを思わせる独特の色合いを生み出しました。
単に白く濁ったガラスというわけではなく、ガラスの厚みや文様の凹凸、光源の位置によって見え方が変化します。置いた状態では青みを帯びて見え、光を透かすと縁や薄い部分に暖色が現れることもあります。この光の変化が、貝殻や魚、女性像などの立体的な文様と組み合わされることで、ラリックらしい奥行きのある表現が生まれました。
1926年にデザインされた「ダナイード」の花瓶など、当時の作品にはオパルセントガラスの特徴がよく表れています。ルネ・ラリックはジュエリー制作の頃からオパールを好んで用いており、ガラスでも光と色が移ろうような効果を求めたと考えられています。オパルセントガラスは、ルネ・ラリックが数多くの作品に取り入れた代表的な技法の一つです。その美しい色合いと光の変化は現在のラリックにも受け継がれており、ルネ・ラリックが手掛けた当時の作品は、アンティーク市場でも高い人気を集めています。
ラリックを代表する作品としてよく知られているのが、1927年に発表された花瓶「バコントゥ(Bacchantes)」です。ギリシャ神話に登場する酒神バッカスに仕える巫女たちをモチーフに、複数の女性像を花瓶の周囲へ連続して配置したデザインで、ルネ・ラリックが得意とした女性像と立体表現がよく表れています。現在も花瓶やボウルなどにその意匠が受け継がれており、ラリックを象徴するデザインの一つとなっています。
また、1913年に原型が作られた魚をモチーフにした置物も、長く親しまれている作品です。小ぶりな置物ですが、鱗やひれの文様が細かく表現され、現在ではさまざまな色のクリスタル作品として展開されています。ラリックにはこのほかにも、鳥、フクロウ、馬、猫などの動物を題材にした置物や、葉、花、果実をモチーフにした花瓶やボウルが数多くあります。
ラリックの歴史をたどると、時代によって作品に使われる素材にも変化が見られます。ルネ・ラリックが活躍した時代の作品は主にガラス作品ですが、1945年にルネ・ラリックが亡くなった後は、息子のマルク・ラリックが事業を引き継ぎ、工場の再建や近代化を進めるとともに、1950年代初めにはクリスタル製造へと移行しました。透明な部分と艶を抑えた部分を組み合わせる表現は戦後のラリックにも受け継がれ、現在のラリックブランドの礎が築かれています。
ジュエリー作家として出発したルネ・ラリックは、ガラス工芸の世界にも新たな表現を生み出しました。自然や動植物、女性像をモチーフにした繊細なデザインや、光を巧みに取り入れた表現は、現在のラリックにも受け継がれ、100年以上経った今でも多くの人々を魅了し続けています。
「父が集めていたガラスの置物が何点かあるのですが、ラリックと書かれた箱に入った置物もあります。宇和島まで見に来てもらえますか。」
今回ご紹介するのは、宇和島市にお住まいのお客様からいただいた、ラリックの出張買取のエピソードです。
お話をお伺いすると、お客様は、ご実家の応接間の飾り棚やガラスケースに長年飾られていたクリスタル製の置物を整理されていたそうです。ガラス工芸品のほかにも洋食器や銀製品などがあり、「父が趣味で集め、大切に飾っていたものなので、一度まとめて見てもらいたい」と思い、ご相談をいただきました。
後日、お客様のご都合に合わせて宇和島市のご自宅へお伺いし、一点ずつ拝見させていただきました。
その中でも印象的だったのが、お電話でお話されていた、ラリックのクリスタル置物でした。
魚をモチーフにした作品や女性像の作品など、ラリックらしいデザインの作品で、透明なクリスタルとフロスト加工を組み合わせた柔らかな質感が美しく表現されていました。お客様のお話では、お父様が百貨店で購入され、気に入った作品を応接間へ飾って楽しまれていたそうです。
ラリックの置物は、一見すると同じようなクリスタル作品に見えても、モデルや製作年代、サインの種類によって評価が異なります。そのため、底部に刻まれたサインを確認するとともに、欠けやヒビの有無、フロスト加工の状態、付属している箱や付属資料の有無なども含めて総合的に評価していきます。
今回の作品には「LALIQUE FRANCE」のサインが刻まれていました。このサインは戦後の作品に見られる表記の一つとなります。そのほか、状態や付属品なども丁寧に見ていきます。
どの作品も、保存状態が良く、専用箱も大切に保管されていました。クリスタル特有の透明感や艶も保たれており、お客様へ一点ずつ評価のポイントをご説明したところ、
「飾っていただけで詳しいことは何も分からなかったので、丁寧に説明してもらえて安心しました。」
と、お話しくださいました。
最終的には、ラリックの置物をはじめ、洋食器やその他のガラス工芸品もあわせてご成約となりました。
ご実家の片付けでは、「ブランド名は聞いたことがあるけれど価値は分からない」というクリスタル作品が見つかることも少なくありません。箱がない作品や長年飾られていた作品でも評価できる場合がありますので、処分される前に一度ご相談いただくことをおすすめしております。
ラリックは、ジュエリーから始まり、ガラス、そしてクリスタルへと受け継がれてきたフランスを代表するガラス工芸ブランドです。ルネ・ラリックが生み出した自然をモチーフにした繊細なデザインや、光を生かした独自の表現は、現在でも多くの人々を魅了し続けています。
愛媛県松山市のイオンスタイル松山3階にある買取専門店 くらや 松山店では、ラリックの花瓶や置物、ボウル、テーブルウェア、香水瓶をはじめ、ガラス工芸品全般の店頭買取・出張買取を行っております。
「箱にLALIQUEと書かれているけれど価値が分からない」
「応接間に長年飾っていたクリスタルの置物を整理したい」
「遺品整理で見つかったガラス作品をまとめて見てほしい」
このようなご相談も数多くいただいております。
ラリックの作品はもちろん、ガレ、ドーム、バカラ、サンルイ、モーゼルなどのガラス工芸品をはじめ、西洋アンティークやブランド洋食器、銀製品などもお気軽にご相談ください。
宇和島市をはじめ、愛媛県内でラリックをはじめとするガラス工芸品の整理をご検討の際は、ぜひ買取専門店 くらや 松山店までお問い合わせください。大切にされてきた商品を次の方へつなぐお手伝いをさせていただきます。