
もくじ
「実家の片付けをしていたら、床の間や押し入れから骨董品や古い道具が出てきました。価値があるものか分からないので、一度見てもらえませんか。」
今回ご紹介するのは、西条市にお住まいのお客様からいただいた、出張買取のエピソードです。
愛媛県松山市のイオンスタイル松山3階にある買取専門店 くらや 松山店では、骨董品や美術品をはじめ、掛軸、茶道具、陶磁器、ブランド洋食器、西洋アンティークなど、幅広いジャンルの店頭買取・出張買取を行っております。
近年は、ご実家の片付けや遺品整理をきっかけに、骨董品や美術品のご相談をいただく機会が増えています。その中で、お客様が価値のないと思っているものの中に価値のあるものを発見することがよくあります。プロの鑑定士の目から見ると、一見価値のないようなものでも、思いがけない価値を持つお品が見つかることがあるのです。
今回も、骨董品の査定で西条市のご自宅へお伺いした際、普段から使われていた大倉陶園のカップ&ソーサーとの思いがけない出会いがありました。
今回は、日本を代表する高級洋食器メーカーである大倉陶園の歴史や人気シリーズ、鑑定士が拝見するポイントをご紹介するとともに、西条市での出張買取のエピソードをご紹介いたします。
大倉陶園は、1919年(大正8年)に大倉孫兵衛と大倉和親父子によって創業された、日本を代表する高級洋食器メーカーです。創業以来、「良きが上にも良きものを」という理念を掲げ、美術的価値の高い硬質磁器を作り続けています。
創業当時、日本でも洋食文化は少しずつ広まり始めていましたが、高級洋食器の多くはヨーロッパからの輸入品でした。そこで大倉父子は、海外の名窯にも引けを取らない、日本最高峰の洋食器を作ることを目標に大倉陶園を創業したといわれています。
大倉陶園の最大の特徴は、「色の白さ・磁器質の硬さ・肌のなめらかさ」にあります。
その美しい白磁は「オークラホワイト」とも称され、透明感のある白さと滑らかな質感は、大倉陶園ならではの魅力です。また、独自の岡染めや金蝕、漆蒔きなどの高度な装飾技法を取り入れることで、上品で格調高い洋食器を数多く生み出してきました。
その品質の高さは国内外でも高く評価されており、皇室をはじめ、日本国迎賓館や一流ホテルなどでも長年愛用されています。100年以上にわたり受け継がれてきた技術と品質へのこだわりが、大倉陶園が現在でも多くの人々に愛され続けている理由といえるでしょう。
また、大倉陶園では創業以来、美しい白磁を生かした数多くのシリーズが誕生してきました。それぞれに異なる魅力があり、現在でも多くの愛好家から親しまれています。
次の章では、大倉陶園を代表する人気シリーズについてご紹介いたします。
大倉陶園では、創業以来100年以上にわたり、数多くの洋食器シリーズが生み出されてきました。
世界最高級の白磁といわれる「オークラホワイト」を生かした絵付けやデザインはもちろん、日本ならではの感性や高度な絵付け技術、独自の加飾技法が取り入れられていることも大きな特徴です。
同じカップ&ソーサーであっても、シリーズごとにデザインや製作技法は大きく異なります。ここでは、大倉陶園を代表する人気シリーズをご紹介いたします。
ブルーローズ
大倉陶園を代表するシリーズとして、最も広く知られているのが「ブルーローズ」です。
1928年(昭和3年)に誕生したブルーローズは、大倉陶園独自の「岡染め」という技法によって描かれています。白磁にコバルト顔料で絵付けを行い、高温で焼成することで、釉薬の中へ青色が溶け込むような深みのある発色が生まれます。
自然界には存在しない青いバラをモチーフとしたデザインは、大倉陶園を代表する絵柄の一つです。発売から長い年月が経った現在でも定番シリーズとして親しまれており、カップ&ソーサーをはじめ、プレートや花器など幅広い製品が展開されています。
金蝕バラ
金蝕バラは、大倉陶園を代表する金彩シリーズです。
「金蝕」とは、サンドブラスト技法によって磁器の表面に繊細な凹凸を作り、その上から金彩を施す大倉陶園独自の加飾技法です。光の当たり方によって立体感が生まれ、金だけでバラを表現しています。
華やかさがありながら落ち着いた印象もあり、結婚祝いや記念品などの贈答品として選ばれることも少なくありません。大倉陶園ならではの技法を楽しめるシリーズです。
呉須更紗
呉須更紗は、日本の伝統美を取り入れたシリーズです。
「呉須」とは、磁器に青色の文様を描くために用いられる顔料のことで、古くから有田焼などにも使われてきました。呉須更紗では、深みのある藍色を基調に、更紗文様や草花を繊細に描き、落ち着いた雰囲気に仕上げられています。
洋食器でありながら和の空間にも自然に溶け込むデザインが特徴で、大倉陶園ならではの幅広いデザイン性を感じられるシリーズです。
花園
花園は、大倉陶園の中でも高級ラインに位置付けられているシリーズです。
その名のとおり、器いっぱいに咲き誇る色鮮やかな花々が描かれ、まるで花園を思わせる華やかなデザインが特徴です。赤や青、黄色、紫など多彩な色彩を使用しながらも、美しい白磁との調和によって、華やかでありながら落ち着いた印象に仕上げられています。
さらに、縁に施された金彩が全体を引き締め、華やかさの中にも上品さを感じられる仕上がりとなっています。絵付けの美しさや製作工程の手間から高級ラインとして位置付けられており、贈答品や記念品として用いられることも多いシリーズです。
色鮮やかな花々と金彩を組み合わせた花園は、大倉陶園を代表するシリーズです。
片葉金蝕
片葉金蝕は、金彩の美しさをシンプルなデザインで表現したシリーズです。
器の余白を生かしながら、金色の葉を印象的に配置したデザインは、華やかさがありながらすっきりとした印象があります。主張しすぎないデザインのため、日常使いから来客用まで幅広い場面で使われています。
白磁と金彩の組み合わせを楽しめるシリーズとして、現在も親しまれています。
このように、大倉陶園には、それぞれ異なる魅力を持つ数多くのシリーズがあります。美しい白磁を生かしたデザインや、高度な絵付け・加飾技法によって生み出された洋食器は、現在でも多くの家庭で親しまれています。
次の章では、西条市へ出張買取でお伺いした際に拝見した、大倉陶園のカップ&ソーサーについてご紹介いたします。
第1章でも軽くご紹介した、西条市へ出張買取でお伺いした際のエピソードをご紹介いたします。
お約束した日に西条市のご自宅へお伺いし、ご実家の片付けで見つかった掛軸や陶磁器、茶道具などを拝見しました。
お客様のお話では、おじい様がお好きで集められていた骨董品がご実家の各所に残されており、ご家族で少しずつ片付けを進めているとのことでした。
掛軸や陶磁器について、お客様から「これは床の間に飾ってあったものです」「こちらは昔、お祝いでいただいたものだと思います」といったお話を伺いながら、査定を進めていきました。
査定を進める中で、お客様が、
「この部屋にあるものは、骨董品も含めて今後少しずつ整理していく予定なんです。食器棚の中の食器も、使わないものは処分しようと思っています。」
と、お話しくださいました。
そこで食器棚に目を向けると、普段使いの食器と一緒に、色鮮やかな花々が描かれたカップ&ソーサーが目に止まりました。
絵付けや金彩の雰囲気から気になり、
「こちらのカップ&ソーサーも処分される予定ですか。」
とお尋ねしたところ、
「はい。来客用ではなく普段使いしているものですし、いただき物なので処分する予定です。」
とのお返事でした。
拝見させていただくと、大倉陶園の「花園」シリーズのカップ&ソーサーでした。
まずはバックスタンプを確認し、続いて欠けやヒビがないか、金彩に大きな擦れがないかなど、状態を一点ずつ確認しました。
今回のお品は長年使用されていたとのことでしたが、丁寧に扱われていたことが分かる良好な状態でした。カップとソーサーも揃っており、大切に使われてきた様子が伝わってきました。
お買取りができる商品ということを説明すると、お客様は、
「普段使いしている食器だったので、まさか売れるものと思っていませんでした。」
と驚かれていました。
さらに、
「骨董品ばかり気にしていましたが、食器棚の中まで見ていただいてよかったです。処分する前に気付けて助かりました。」
と、お話しくださいました。
依頼品を含め、全ての商品の確認をして、出張買取は無事に成約となりました。
出張買取では、ご依頼いただいたお品だけでなく、お客様との会話の中から思いがけないお品に出会うことがあります。特に食器棚には、普段使いされている食器の中に、価値のあるブランド食器やアンティーク食器が残されていることも少なくありません。
「価値はないだろう」と思って処分を検討されているものの中にも、評価につながるお品が見つかることがありますので、ご実家の片付けや断捨離の際には、お気軽にご相談ください。
本ブログでは、大倉陶園の歴史や代表的なシリーズ、そして実際の出張買取エピソードをご紹介しました。
大倉陶園は、1919年の創業以来、「良きが上にも良きものを」の理念のもと、高品質な洋食器を作り続けてきた日本を代表する洋食器ブランドです。美しい白磁と繊細な絵付け、職人の高い技術によって生み出された作品は、現在でも多くの方に親しまれています。
また、今回のエピソードのように、「普段使いしているものだから」「いただき物だから」と価値はないと思っていた食器が、大倉陶園をはじめとするブランド食器だったというケースもあります。
買取専門店 くらや 松山店では、大倉陶園をはじめ、マイセン、ヘレンド、リチャードジノリ、ロイヤルコペンハーゲン、ウェッジウッドなどのブランド洋食器もしっかりと評価させていただきます。
ご実家の片付けや遺品整理、生前整理で洋食器の処分をご検討の際は、「価値が分からないから」と処分してしまう前に、ぜひ一度、買取専門店 くらや 松山店までお気軽にご相談ください。