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2026.07.25
松山店

【伊予市へ出張買取】遺品整理で見つかった十四代酒井田柿右衛門の花瓶と陶額|濁手の魅力と評価ポイントをご紹介|買取専門店 くらや 松山店

5:09 pm

第1章|【伊予市へ出張買取】おばあ様が百貨店で購入された十四代柿右衛門の花瓶と陶額

愛媛県松山市のイオンスタイル松山3階にある買取専門店 くらや 松山店では、陶磁器をはじめ、有田焼、九谷焼、備前焼、茶道具、掛軸、骨董品、美術品などの店頭買取・出張買取を行っております。伊予市をはじめ、愛媛県内各地から、ご実家の整理や遺品整理、生前整理をきっかけに、陶磁器や美術品に関するご相談を数多くいただいております。

先日、伊予市にお住まいのお客様より、「祖母の遺品整理を進めているのですが、自宅に焼き物や掛軸などがたくさん残っています。一度見に来てもらえませんか。」と、出張買取のご依頼をいただきました。

後日、お客様のご都合に合わせてご自宅へお伺いし、残されていた作品やお道具を拝見させていただきました。

おばあ様は昔から美術品や陶磁器がお好きだったそうで、ご自宅には有田焼をはじめとする陶磁器や掛軸、茶道具などが大切に保管されていました。お客様からお話を伺うと、「祖母は百貨店で開催される陶芸展や美術展によく足を運んでいて、気に入った作品を少しずつ購入していたようです。」とのことでした。

その中でも特に目を引いたのが、十四代酒井田柿右衛門の花瓶と陶額でした。

「この二つは百貨店で購入したものだと祖母から聞いていました。大切に飾っていたものなので、価値を理解してくれる専門店にお願いしたいと思ったんです。」

そうお話しくださったお客様は、おばあ様が生前大切にされていた作品だからこそ、安心して任せられる買取店を探していたそうです。

作品を拝見すると、花瓶・陶額ともに保存状態は良好で、共箱の中に大切に保管されていました。共箱の箱書には「濁手」と記されていました。濁手とは、柿右衛門を代表する乳白色の美しい素地を用いた作品で、本人作を示す箱書でもあります。作品本体も確認したところ、十四代柿右衛門本人による作品であることが確認できました。柿右衛門らしいやわらかな乳白色の素地に、美しく描かれた色絵が印象的で、おばあ様が大切にされていたことが伝わってくるお品でした。

くらや松山店では、作品そのものだけではなく、保存状態や共箱、箱書の内容、作品の特徴などを総合的に確認しております。今回も鑑定士が一点ずつ丁寧に確認し、それぞれの評価の理由をご説明したうえでお見積りをご提示いたしました。

お客様にも内容をご理解いただき、「祖母が大切にしていた作品なので、きちんと見てもらえて安心しました。」とのお言葉をいただき、ご成約となりました。

酒井田柿右衛門の作品は、日本を代表する色絵磁器として国内外で高く評価されており、代によって作風や評価のポイントも異なります。次章では、四百年近く受け継がれてきた酒井田柿右衛門の歴史と、その作品が多くの人々を魅了し続ける理由についてご紹介いたします。

5:09 pm

第2章|四百年受け継がれる名窯「酒井田柿右衛門」と現代によみがえった濁手の美

酒井田柿右衛門は、有田焼を代表する名跡として、約四百年にわたり受け継がれてきた日本屈指の陶芸家です。骨董品や陶磁器の世界では、「柿右衛門」という名前を知らない人はいないと言っても過言ではありません。江戸時代から現代まで代々受け継がれてきた伝統は、日本国内だけでなく世界中の陶芸家や美術愛好家から高い評価を受けています。

その歴史は江戸時代初期までさかのぼります。

有田で日本初の磁器が焼かれるようになったのは1610年代とされ、その後、初代酒井田柿右衛門が苦心の末、赤絵磁器の焼成に成功したと伝えられています。当時の酒井田家に伝わる「赤絵初りの覚」には、初代が1647年頃に赤絵技術を完成させたことが記されており、日本の陶磁史における大きな転換点となりました。

それまでの有田焼は染付や青磁が中心でしたが、赤・黄・緑などの鮮やかな色絵を施した磁器の誕生により、有田焼は飛躍的な発展を遂げます。そして1650年代後半にはオランダ東インド会社によってヨーロッパへ輸出されるようになり、「柿右衛門様式」と呼ばれる磁器は、王侯貴族を魅了する最高級品として扱われました。

柿右衛門様式の最大の魅力は、豪華な絵付けだけではありません。

作品全体を絵柄で埋め尽くすのではなく、あえて余白を大きく残し、その余白を美として見せる構図にあります。日本人ならではの「引き算の美学」が感じられる作風は、現在でも柿右衛門作品を象徴する特徴となっています。

そして、この美しさを語るうえで欠かせないのが、「濁手(にごしで)」です。

濁手とは、真っ白ではなく、米のとぎ汁を思わせるやわらかな乳白色の素地を指します。この独特の磁肌があることで、赤や黄、緑などの色絵が一層鮮やかに映え、上品で格調高い作品へと仕上がります。柿右衛門作品を初めて目にした方でも、「どこか柔らかく、優しい雰囲気がある」と感じるのは、この濁手によるところが大きいのです。

しかし、この濁手は江戸時代中期以降になると需要の変化などにより生産が途絶えてしまいました。酒井田家には製法に関する秘伝書が残されていたものの、その技術を完全に再現することは容易ではなく、長い年月の中で「幻の技法」ともいわれる存在になっていきました。

その濁手を現代によみがえらせたのが、十二代と十三代酒井田柿右衛門です。

父子は酒井田家に伝わる古文書や江戸時代の作品を研究し、何度も試作と焼成を繰り返しながら、失われていた濁手の復元に成功しました。この功績は日本陶磁史において極めて重要な出来事とされ、1971年には「柿右衛門(濁手)」が重要無形文化財に指定されることとなりました。

そして、その中心人物であった十三代酒井田柿右衛門(19061982)は、単に古い技術を復元しただけではありません。

伝統を守りながらも、写生を取り入れた草花文など新しい表現を積極的に取り入れ、現代にふさわしい柿右衛門様式を築き上げました。江戸時代の作品を忠実に再現するだけではなく、「伝統は受け継ぎながら進化させるもの」という考えのもと、新たな作品を数多く生み出したことでも知られています。

骨董品市場でも十三代の作品は非常に人気が高く、花瓶や香炉、皿、鉢などさまざまな作品が高く評価されています。そして、その十三代が築き上げた技術と美意識は、次代を担う十四代酒井田柿右衛門へと受け継がれていきました。

その技術と伝統を受け継いだのが、十四代酒井田柿右衛門(19342013)です。十三代の長男として生まれ、多摩美術大学で日本画を学んだ後、祖父である十二代、父である十三代から濁手の製陶技術と絵付けを受け継ぎました。1982年に十四代を襲名し、その後は柿右衛門窯の当主として、伝統を守りながらも新たな表現を追求しました。

十四代の作品は、伝統的な草花文や花鳥文を基本としながらも、構図や余白の取り方に現代的な感性が加えられていることが特徴です。見る人に静けさや気品を感じさせる作品が多く、国内外の美術館や展覧会でも高く評価されています。

さらに2001年には、長年にわたり濁手の技術を継承・発展させた功績が認められ、重要無形文化財「色絵磁器」の保持者(人間国宝)に認定されました。十三代が復元した濁手を受け継ぎ、さらに独自の境地へ高めたことが高く評価されたのです。

現在では十五代へと伝統が受け継がれていますが、骨董市場では十三代・十四代の作品を探されるコレクターが非常に多く、花瓶や壺、香炉、陶額などは現在でも高い人気を誇っています。

くらや松山店でも、酒井田柿右衛門作品を拝見する際は、作品の美しさだけではなく、制作された年代や保存状態、共箱の有無、箱書の内容、作品の特徴などを一つひとつ丁寧に確認しております。同じ「柿右衛門」の作品でも、代や制作背景によって評価のポイントは異なるため、豊富な知識と経験に基づいた鑑定が欠かせません。

次章では、今回買取した十四代酒井田柿右衛門の花瓶と陶額を例に、鑑定士が実際にどのような点を確認しながら評価しているのか、本人作と工房作品の違いも交えながら詳しくご紹介いたします。

5:09 pm

第3章|鑑定士はここを確認します。柿右衛門作品の評価ポイントとは

今回買取した十四代酒井田柿右衛門の花瓶と陶額は、保存状態も良く、共箱も大切に保管されていました。しかし、鑑定士は「柿右衛門」という名前だけで作品を評価することはありません。

まず確認するのが、共箱の箱書です。

酒井田柿右衛門の作品には、大きく分けて「濁手」と「錦」という二つの箱書があります。

前章でもご紹介したように、「濁手」は柿右衛門を代表する乳白色の美しい素地を用いた作品であり、本人が制作した作品に用いられる箱書です。一方、「錦」は工房で制作された作品に用いられる箱書で、どちらも柿右衛門窯の作品ではありますが、制作背景が異なります。

骨董品や陶磁器の買取現場では、「錦」と記された工房作品を拝見する機会が多く、「濁手」の本人作に出会える機会は決して多くありません。そのため、共箱の箱書は、最初に確認する重要なポイントの一つとなります。

さらに、本人作にはもう一つ大きな特徴があります。

濁手作品は、作品本体の底に「柿右衛門」の銘が記されていないことです。

一方、工房作品である「錦」には、作品底に染付で「柿右衛門」の銘が入っています。そのため、本人作の場合は作品本体だけを見ても作者を判断できる情報が少なく、共箱の存在が非常に重要な意味を持ちます。

査定の際には、共箱の箱書と作品本体の特徴が一致しているか、濁手特有のやわらかな乳白色の素地になっているか、絵付けの筆使いや余白の取り方、作品全体の完成度などを一つひとつ確認し、総合的に評価しています。

また、陶磁器では保存状態も重要な評価ポイントです。口縁部や高台にホツ(欠け)やニュウ(ひび)がないか、補修された形跡はないか、色絵に剥がれや傷みがないかなどを細かく確認します。陶額についても、作品だけでなく額装の状態や保管環境などを含めて総合的に判断しています。

今回拝見した花瓶と陶額も、共箱には「濁手」と記されており、作品本体にも十四代柿右衛門本人の特徴がしっかりと表れていました。さらに保存状態も良く、共箱も揃っていたことから、作品が持つ価値をしっかりと評価させていただきました。

買取専門店 くらや 松山店では、酒井田柿右衛門をはじめ、有田焼や人間国宝作品、近代陶芸作品など幅広い陶磁器を取り扱っております。

ご実家の整理や遺品整理、生前整理などで、「百貨店で購入した作品がある」「有名な作家の作品だと聞いている」といった場合も、お気軽にご相談ください。

鑑定士が共箱や作品本体の特徴、保存状態などを一つひとつ丁寧に確認し、それぞれの作品が持つ価値をしっかりと評価いたします。

 

【伊予市へ出張買取】遺品整理で見つかった十四代酒井田柿右衛門の花瓶と陶額|濁手の魅力と評価ポイントをご紹介|買取専門店 くらや 松山店
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買取専門店 くらや 松山店
電話089-950-4334
営業時間10:00~19:00
住所愛媛県松山市天山1丁目13-5 イオンスタイル松山3階
アクセス 伊予鉄道横河原線 いよ立花駅より徒歩7分

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