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松戸店
2020/04/16

千葉県柏市 人間国宝 金城次郎の買取|琉球陶器 壺屋焼|笑った魚を描く名人

人間国宝 金城次郎 魚文茶碗 琉球陶器 壺屋焼 買取 買取専門店 くらや松戸店

 

 

こんにちは。

 

人間国宝作家陶磁器古美術品

 

茶道具などの買取専門店『くらや松戸店』です。

 

 

「出張買取って書いてあるのを

 

ネットで見たのですが…。」と、

 

ご連絡をいただきました。

 

お話をお伺いすると、茶碗や花瓶、大皿などがあり

 

松戸市まで持って行く自信が無いので

 

出張買取に来てほしいとの事。

 

 

お電話でお伺いする日を約束し、

 

後日、ご自宅へお伺いさせていただきました。

 

 

お宅にお邪魔し拝見させていただくと、

 

お品物は共箱に入った有田焼の花瓶2点と大皿2点、

 

人間国宝作家の金城次郎の作品で

 

掻落し白掛け魚文茶碗でした。

 

花瓶2点と大皿2点の状態は良好、

 

金城次郎の茶碗には1か所ヒビがあり、

 

その他には経年のスレや小さなキズがありました。

 

金城次郎の作品にヒビがあった事が

 

少々残念でしたが、共箱に栞も付いていたので、

 

『くらや松戸店』で出来る範囲の高値で、

 

買取価格をご提示させていただきました。

 

 

お客様は「全ていただきものだったので、

 

価値がわからなかったんだよね…。

 

茶碗が人間国宝の作品っていうのは知ってたけど、

 

有田焼の方が価値があると思っていた。

 

期待以上の買取価格に驚いたよ。」

 

と仰っていました。

 

当店もご満足いただけ、大変うれしく思います。

 

今回は、

 

お買取させていただいたお品物に含まれていた

 

琉球陶器重要無形文化財保持者金城次郎について

 

お話します。

 

 

 

◆◇沖縄が生んだ人間国宝 金城次郎◇◆

 

 

1985年に沖縄県で

 

初めて人間国宝に認定された陶工の金城次郎は、

 

沖縄県那覇市与儀生まれ。

 

大正14年、13歳で壺屋焼の名工と謳われた

 

新垣永徳の製陶所に入門し、

 

陶芸家としての人生がはじまりました。

 

 

低迷していた壺屋焼でしたが、

 

1926年頃からはじまった暮らしの中で愛用された

 

日用品の中に“用の美”を見出し活用する

 

という民藝運動は沖縄にも及び、

 

これが再生のきっかけになります。

 

 

昭和13年沖縄を訪れた濱田庄司をはじめ、

 

河井寛次郎や柳宗悦などの民藝協会のメンバーは

 

沖縄に調査に訪れた際、

 

「機械が動くような大きな窯業地ではないが、

 

機械にはない本質的な魅力がある。」と、

 

壺屋焼を絶賛しました。

 

 

せっかく民藝運動によって復活した壺屋焼でしたが、

 

こんどは太平洋戦争が始まってしまいます。

 

昭和20年に沖縄戦が終わった翌年の34歳には、

 

金城次郎は那覇市壺屋に自身の工房を開きました。

 

幸いにも壺屋地域の被害は少なく、

 

戦後すぐ活動を再開することが可能だったのです。

 

金城次郎に大きな影響を与えたといわれる

 

濱田庄司や河井寛次郎などの指導の下、

 

壺屋焼の発展に努めました。

 

 

濱田庄司と金城次郎の出会いは、

 

新垣永徳の製陶所で陶芸家としての

 

人生をスタートさせたころ、

 

沖縄に滞在し濱田庄司が、

 

壺屋焼を学んでいた時といわれています。

 

 

その後沖縄最大の美術展《沖展》や

 

大正時代から続く公募展《国展》の受賞を重ね、

 

昭和33年46歳には、

 

ルーマニア国立民藝博物館に

 

“抱瓶”と“魚文大皿”の永久保存が決まります。

 

そして、数々の展覧会に出展し受賞を重ねました。

 

 

1970年代になるとまたしても問題に直面します。

 

壺屋が住宅街へと変わっていく中で、

 

焼き物の制作時に発生する煙による公害でした。

 

那覇市は薪を焚く登り窯の使用を禁止、

 

陶工達はガス窯への転換に迫られます。

 

そんな陶工を救ったのが沖縄中部の読谷村でした。

 

金城次郎も昭和47年60歳で読谷村座喜味に移転し、

 

登窯を築きます。

 

同年、

 

沖縄県の無形文化財技能保持者に認定され、

 

昭和52年65歳には現代の名工として

 

労働大臣より表彰されました。

 

ところが、

 

昭和53年の66歳、高血圧で突如倒れ

 

療養を余儀なくされましたが、無事回復。

 

昭和60年73歳に沖縄県で初めて

 

“琉球陶器”重要無形文化財技能保持者

 

いわゆる人間国宝に選ばれ、

 

平成5年には勲四等瑞宝章を受章しています。

 

翌々年の平成7年83歳には引退し、

 

平成16年享年92歳で他界しました。

 

 

琉球陶器といえば

 

金城次郎の魚文や海老文を思い浮かべる人も

 

多いでしょう。

 

 

沖縄県内では、

 

魚文の金城次郎として知られており、

 

多くの人からは魚文で、

 

人間国宝になったと思われています。

 

しかし、琉球陶器人間国宝になったのは、

 

金城次郎が窯を読谷村に移し、

 

魚文の大皿や花瓶を

 

沢山作るようになってからの作品が

 

評価されたからではありません。

 

壺屋時代の伝統的な形や模様の日用品をはじめ、

 

お椀や皿、泡盛用の土瓶や酒器などの雑器が

 

賞賛されたからでした。

 

 

ですが、

 

壺屋時代の作品は当時の沖縄では売れませんでした。

 

多くの作品は本土へ出荷されてしまった為、

 

壺屋時代の作品をまとめてみる事は

 

難しいといわれています。

 

 

壺屋時代から付き合いのある濱田庄司は

 

「笑った魚や海老を描く名人は

 

次郎しかいないな。」と評したそう。

 

釉薬を流しかける方法や指描きの装飾は濱田庄司を

 

彷彿とさせる益子焼を一部取り入れていることが

 

伺えます。

 

戦後の琉球陶器の魚と海老の文様は

 

ありきたりなモチーフでしたが、

 

それにもかかわらず魚文と海老文は

 

金城次郎といわれるほど、

 

オリジナリティーと躍動感に溢れた作品は

 

今も見るものを楽しませてくれます。

 

 

 

◆◇沖縄の焼き物の歴史◇◆

 

 

原点は、

 

沖縄が琉球王国と呼ばれていた時代に遡ります。

 

貿易国家として成長していた

 

小さな島国の琉球王国は、

 

中国の清や東南アジア各国との交易を行い、

 

諸外国から陶磁器が沢山持ち込まれ、

 

沖縄での焼き物技術を発展させることに繋がります。

 

 

17世紀初頭になると薩摩の島津藩により、

 

琉球王国は支配下におかれます。

 

数年後、

 

薩摩藩より朝鮮人の陶工が琉球の湧田村に

 

製陶技術を指導する為、

 

やってきました。

 

そこから、

 

琉球各地へ広がり陶器が作られるように

 

なったのです。

 

17世紀後半、

 

尚貞王は焼き物産業を発展させる為、

 

琉球に散らばっていた陶工を壺屋に集め、

 

壺屋焼が誕生しました。

 

 

壺屋が選ばれた理由は、

 

首里城と那覇の真ん中あたりにあることに加え、

 

水や土の確保はもちろん、

 

薪や粘土など物資を受け取るための川が

 

近くを流れていたからだといわれています。

 

その頃、

 

盛んに作られていたのは大型の壺や甕でした。

 

泡盛を諸外国へ輸出したり、

 

海産物を入れて輸入したり、

 

現在のコンテナとしての役割を果たしていました。

 

それが後々、

 

日用品として使う皿や器を

 

作るようになったといわれています。

 

 

明治時代から大正時代にかけて壺屋焼

 

盛り上がりをみせました。

 

泡盛の輸出が多くなり、

 

壺をたくさん作る必要があったからでした。

 

その後、

 

廃藩置県があり琉球は沖縄県になります。

 

流通の制限が無くなったことで、

 

有田など沖縄以外から

 

安い焼き物が入ってくるようになり、

 

壺屋焼は徐々に衰退していきました。

 

 

低迷を見せていた壺屋焼でしたが、

 

20世紀初旬頃より始まった沖縄にも及んだ

 

民藝運動は復活のきっかけになりましたが、

 

太平洋戦争がはじまってしまいます。

 

悲惨な沖縄戦でしたが、

 

壺屋あたりの戦争被害は少なく、

 

戦争により失われた食器や壺などを

 

陶工たちは製作し、

 

戦後の復興に励みました。

 

 

1970年代にはいると公害問題が始まります。

 

壺屋一帯の都市化が進んだことにより、

 

焼き物を製作するときに出る煙が問題になりました。

 

 

行き場を失った陶工達を救ったのが読谷村でした。

 

読谷村は当時、

 

文化村構想を進めており、

 

元米軍跡地を陶工たちに提供してくれたのです。

 

そこに多くの陶工が移り、

 

《やちむんの里》として成長していきました。

 

 

 

◆◇壺屋焼の特徴◇◆

 

 

壺屋焼の技法には大きく分けて

 

2つの特徴がありますのでご紹介します。

 

 

【荒焼:アラヤチ】

 

タイやベトナム、カンボジアなどの

 

東南アジア方面から伝わってきた南蛮焼系統の

 

焼き物です。

 

釉薬を使わず、焼き締めます。

 

土の鉄分が多いため、

 

赤褐色~黒褐色をしています。

 

土の表情が残っているので見た目は荒いです。

 

初期は水や酒の貯蔵ようの甕など

 

大型のものが中心でしたが、

 

最近は日用食器も多く焼かれています。

 

よく見る魔除けのシーサーは、

 

この荒焼がほとんどです。

 

 

【上焼:ジョウヤチ】

 

朝鮮陶工らから始まった絵付陶器です。

 

茶碗や皿などの日用食器をはじめ、

 

酒器や花器類など小さなものが多いです。

 

陶土に白土をかぶせて化粧をし、

 

色をつけて釉薬を掛けて焼成します。

 

多くは化粧後に釘彫りや線彫りなどの

 

彫刻文様を施しました。

 

その他には、

 

イッチン(釉薬を垂らしながら描く)や

 

面彫り(釘彫りした後面を削る)、

 

面彫りに白土を被せた象嵌などの手法があります。

 

絵柄は動物や植物、風景、抽象模様など様々、

 

魚文は特に多く壺屋焼を象徴する文様です。

 

異国船や異国人を描いたものもあり、

 

異国人を描いたものはエジプト文と呼ばれいます。

 

装飾性が強い上焼は、

 

上流階級だけでなく庶民も使用していたことから

 

沖縄を訪れた民藝運動のメンバーは

 

称賛したといわれています。

 

 

 

◆◇陶器の買取査定◇◆

 

 

陶器を買取査定させていただく際の

 

ポイントをお伝えします。

 

 

高値での査定額を提示させていただく場合、

 

陶器を作った作家は大事なポイントです。

 

市場の需要においても誰が創作したかで、

 

価値が決まります。

 

人気のある作家や作品は

 

高値で売れる傾向が高いため、

 

高値でのご提示が可能です。

 

 

次に、お品物の状態も大事なポイントです。

 

陶器のメンテナンスは欠かさず、

 

良い状態を保つようにしてください。

 

悪い状態の陶器は、

 

汚れやキズ、ヒビ、欠け、割れ、

 

スレなどは査定額が下がってしましますので

 

ご注意ください。

 

 

最後に、

 

鑑定書や保証書、付属品も大事ポイントですので

 

一緒にお持ちください。

 

お品物が本物かどうか確認できる鑑定書や保証書、

 

付属品があることで価値は高まります。

 

陶器には精巧な模倣品や偽物が

 

多く出回っているので、

 

大事なアイテムです。

 

是非一緒にご提示されることをお勧めします。

 

 

プロの鑑定士の在籍する『くらや松戸店』では、

 

価値のあるお品物を拝見させていただき

 

経験豊富な鑑定士が買取査定しています。

 

 

本物なのか価値がわからず不安な方、

 

譲られたけど価値が分からず整理している方は

 

是非、ご相談ください。

 

 

皆様からのお電話・ご来店を

 

心よりお待ちしております。

 

 

 

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