- 掛け軸・絵画松戸店2023/09/25
骨董品・美術品、遺品整理の高価買取
いつもご覧いただき、ありがとうございます!
『くらや松戸店』でございます。
出張査定にお伺いしたお客様のお宅で、
歌人 大田垣蓮月の掛け軸を含めた
お品物を買取りいたしました。
数年前にお引越しされたそうなのですが、
新しい住居に飾る場所がなく、
物置に保管したまま処分に困っていたそうです。
電話にて詳細をお伺いしたところ、
物が多いので直接見に来ていただけないか
というお話になり、
今回の出張買取にいたりました。
ということで、
今回は歌人 大田垣蓮月について
お話ししたいと思います。
たくさんの歴史的偉人はいますが、
彼女程に数奇な運命を辿った人物は
珍しいと言えます。
その生きざまを辿っていきましょう。
歌人 大田垣蓮月は
1791年、京都に生まれます。
11代将軍・徳川家斉の時代ですね。
生まれてすぐに大田垣家の養子になります。
この頃はまだ〈誠(のぶ)〉という名前で、
活発な少女時代を過ごしたようです。
大田垣家には実子が5人おりましたが、
その内4人は成人を迎える前に亡くなってしまい、
残った1人も成人後に病で倒れ、帰らぬ人となります。
残ったのは養女の蓮月のみとなり、
家を絶やすまいと父親は婿養子を迎え、
彼女と結婚させます。
大田垣蓮月16歳の頃でした。
その結婚生活では3人の子供に恵まれ、
順調かに思えましたが、
3人とも幼い内に亡くなってしまいます。
悲しみはそれだけに留まらず、
夫までもが帰らぬ人となってしまい、
25歳の若さで未亡人となります。
数年後、
新たに別の婿養子を大田垣家に迎えることで
大田垣蓮月は再婚し、2人の男女を授かりました。
しかし、
その幸せも長くは続かず、夫は体調を崩し、
そのまま帰らぬ人となってしまいます。
自分達に残された道は
これしかないという心情だったのか、
大田垣蓮月と父親は剃髪し、出家します。
この時に《蓮月》という法名をいただきました。
その後は
父親と2人の子供とお寺で幸せに暮らしますが、
不遇はまだ続きます。
出家して2年後、まずは女子が亡くなり、
そのまた2年後に男子が亡くなりました。
さらにその後、
父親までもが帰らぬ人となり、
42歳にして1人きりになってしまうのです。
何かに呪われているのではないかと、
感じてしまうほど数奇な運命としか
言いようがありません。
その後の食い扶持として
大田垣蓮月は和歌教室を開きます。
まだ言っておりませんでしたが、
大田垣蓮月は相当な美人であったとされています。
その美貌を目当てに教室に足を運び、
その場で結婚を申し込む者が多数いたそうです。
自分は真剣に和歌を教えたいにも拘らず、
美貌目当てでやってくる男たちに疲れ切り、
自らの歯を全て抜いてしまうという
狂気じみた行為に走ったといわれています。
そうすることによって、
無関係な男たちが近づいて来ないように
していたというのです。
この話は作り話なのでは…とされていますが、
そんな事もやり兼ねない位しっかりしていた
ということなのでしょう。
その後、大田垣蓮月は焼き物をおぼえます。
そして、その焼き物に歌を書くようになり、
それは〈蓮月焼〉と呼ばれるようになりました。
この蓮月焼は非常に人気を博し、
贋作が出回るようになります。
しかし、
贋作を作る側は素人なだけに歌を書く工程が
上手くいきません。
どうすれば上手くできるのかと
贋作を持って大田垣蓮月の所に相談に来たのです。
大田垣蓮月は何も言わずに
歌を書いてあげたといいます。
そして、
「持ってくれば歌を書いてあげるから」
と、言ったといいます。
大田垣蓮月が60歳の頃、
1人の少年を預かることになります。
それがなんと若き日の富岡鉄斎なのです。
大田垣蓮月の存在は、
その後の鉄斎に非常に大きい影響を与えました。
富岡鉄斎といえば日本を代表する画家であり、
日本最後の文人と呼ばれています。
鉄斎の作品は昔から人気があり、
バブル時代には
とんでもない金額で取引されることが
多々ありました。
そんな時代に比べれば落ち着いたとはいえ、
いまだに根強い人気がある為、
本物となると高額で取引されます。
また、
鉄斎の書は、
他に何も言わせない力強さがあります。
それに対し、
大田垣蓮月の書は、
さらっとした川の流れのようで、
どんなことも受け流すイメージです。
師弟で真逆なところも非常に面白いです。
今回ご紹介した蓮月の作品に限らず
「こんなの買い取ってもらえるのかしら?」
というものがあれば、
是非一度、店頭にお持ちください。
プロの鑑定士が真贋し、
お品物の価値を見極めます。
「重くて持って行けない!」
出張買取も行っておりますので、
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皆様からのお電話・ご来店を、
心よりお待ちいたしております。
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