釜師角谷一圭は1904年に
大阪市東成区で生まれました。
元々宮大工であった家庭に育ち
6歳頃から鋳物師である父、角谷巳之助の元で
仕事を手伝い始めると
21歳で大阪工芸展に初出品した「海老釜」が
高松宮総裁賞を受賞しました。
その後は制作活動を続けていき、57歳の時には
第8回日本伝統工芸展で「独楽釜」が朝日新聞賞を、
72歳の時には勲四等瑞宝章を受章しています。
そして数年後、茶の湯窯の分野で
重要無形文化保持者に認定されました。
角谷一圭の制作する茶釜は
錆は独自の格調高い風情と毅然とした佇まいを、
施された文様はそこから優美さを感じさせ
我々を魅了します。
その文様は、戦後に出回っていた
茶釜の名品の修復に長年携わってきた
角谷自身の経験が生かされており
形態や地紋、鉄味など研究の成果を
存分に作品に反映していると言えるでしょう。
角谷一圭は自身の作品を
鎌倉期の筑前や芦屋釜をベースに築いていきました。
華々しい数々の受賞歴は
釜師としての地位を築き上げましたが
その制作意欲は幼少の頃から携わっていた
釜師としての仕事と茶の湯の世界に精通したい
という気持ちの表れでもあり
その思いが人間国宝にまで上り詰める
大きな要因でもあったと見受けられます。
角谷一圭と言えば茶道界でも知らない人がいない
と言われるほどの茶釜師で、
釜師としてとても有名ですが
1993年には第61回伊勢神宮
式年遷宮御神鏡31面鏡を制作するなど
日本の伝統文化にも深く精通しています。
和鏡の研究にも情熱を注ぎ
優美なヘラ押し文様の技術を確立しました。
その技術と知識を以って、上記の
伊勢神宮式年遷宮御神鏡31面鏡の制作では
見事なまでに美しい和鏡を仕上げています。
このように日本文化を大切に思い
作品を作り上げる情熱は、日本の伝統文化を尊ぶ
角谷一圭の作品の美しさを一層引き立てています。