お役立ち情報
骨董品
2018/10/11

大西勲【人間国宝/髹漆】

大西勲(おおにしいさお)

 

漆芸家の大西勲は、1944年に福岡県で生まれました。

 

中学卒業後は大工や自動車整備工、電気工など

 

様々な職に就きましたが、25歳の時に

 

鎌倉彫刻師の木内晴岳に師事します。

 

また1974年には赤地友哉の弟子になり、

 

曲輪造(まげわづくり)など

 

髹漆、漆塗などの技法を学びました。

 

その後は石川県立輪島漆芸技術研究所で

 

長年後進の育成にも尽力するなど

 

漆芸の伝承に力を注ぎました。

 

2000年には日本伝統工芸展に出品した

 

「曲輪造黒溜盛器」が日本工芸会総裁賞を受賞し、

 

2014年、77歳の時に「髹漆」の分野で

 

重要無形文化財保持者に認定されています。

 

 

 

大西勲の作品の特徴と技法

 

漆芸には蒔絵や螺鈿のような

 

煌びやかで華やかな加飾の技法がありますが

 

大西勲が得意とするのは漆を塗る「髹漆」という

 

装飾を極力排した技法です。

 

特に表面を磨かずに仕上げていく「塗立」には

 

こだわりを持って取り組んでいます。

 

通常は漆を塗って乾燥させてから

 

磨きをかけて艶を出していきますが、

 

大西勲が用いる「塗立」は磨かずに仕上げます。

 

これはとても高度な技や目利きが必要になる技法です。

 

また、素地には薄い檜板を曲げた板を何枚も重ねていく

 

「曲輪造」という素地を使用します。

 

この作業には硬い材質である木を

 

複雑に組み合わせる高度な技術と、

 

木の性質を生かす目利きが必要になり

 

大西勲が用いる漆芸はどちらも

 

とても手間と時間が掛かる貴重な技法と言えます。

 

 

大西は漆にも強いこだわりを持って選定しています。

 

茨城県で採れた漆を使用しており

 

これは「裏目漆」と呼ばれる漆の木から

 

最後に採れる漆で、上塗りにも使用できるほどの

 

強く上質な漆です。

 

強い漆はその性質上、研ぐ作業が大変で

 

とても手間暇がかかりますが

 

仕上がりは美しく耐久性があります。

 

 

 

大西勲の評価される所以

 

大西勲の漆芸の真骨頂はやはり

 

「曲輪造」に凝縮されていると言えるでしょう。

 

太さの異なる檜の輪を幾重にも組み合わせる素地造り

 

生漆の精製から塗りへの全ての工程を

 

自身で行う制作姿勢は

 

漆芸への強いこだわりの表れです。

 

特に、素地を造りあげる「曲輪造」の技術は

 

その中でも高い評価を受けています。

 

また、石川県立輪島漆芸技術研究所で

 

長年後進の指導にあたり、その類い稀な

 

技法の伝授にも尽力するなど

 

漆芸の発展にも寄与しています。

 

 

 

一覧に戻る

このカテゴリの最近のお役立ち情報

片づけ始める前にご相談ください

賢い遺品整理・蔵整理

眠っている品物に思わぬ価値がある場合があります。

遺品整理業者・リサイクル業者は、骨董美術品類に高額をつけることはできません。

さらに処分費もかかります。無料査定・買取で賢い遺品整理・蔵整理をお勧めいたします。

  • KURAYAにご相談ください

    • どのように物が売れるのか知りたい
    • 骨董品などの遺品整理に困っている

    買取専門店KURAYAは,骨董品,金・プラチナ、ブランド品、ブランド時計、ダイヤモンド、切手、古銭、勲章、日本刀・鎧兜、掛け軸・絵画、版画、おもちゃ・ノベルティ、 高級食器、珊瑚、翡翠・鼈甲・琥珀、カメラ、鉄道模型,、着物・小物、鉄瓶・茶道具 ,墨・書道具など確かな目で高額買取いたします。

    買取専門店くらやは、新しいもの・古いもの、どんなお品も対象に鑑定する買取専門店としてオープンいたしました。貴金属・ブランド品買取をはじめとし、 古物・切手の買取・骨董品の買取に力をいれております。 ご自宅に眠っている貴金属・ブランド品・骨董品などはございませんか?古物・貴金属・ブランド品などを整理したい方、 現金が必要な方、お引越しで荷物を整理したい方、遺品整理、古い蔵を取り壊して中身を処分したい方など、様々なお客様からご利用いただいております。

査定・買取依頼する
簡易WEB査定