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佐賀店
2021/02/16

佐賀県佐賀市 フィギュリンの買取|マイセン リヤドロ KPM|高級洋食器ブランドが作る陶器人形

5:38 am

はじめに

こんにちは。高級洋食器や骨董古美術の買取をしている買取専門『くらや佐賀店』です。
先日、大川市にお住いのお客様より「祖母がコレクションしていた陶器人形などがあるのですが、買取出来ますか?」と、『くらや佐賀店』にご相談がありました。

 

空き家になっているご実家の借り手が見つかったため、家の中を整理されており、その際にたくさんの陶器の人形が飾られてあるのを発見されたのだそう。ご自身もご家族も興味がなく、「売却できるのであれば手放したい」というお話でした。

 

大型の品もあり、出張買取をご希望されていたので、後日ご希望の日時にお客様のご実家へ直接お伺いすることになりました。

 

実際に拝見してみると、専用の棚の中にはおばあさまのコレクションがずらり。古い陶器人形や磁器ランプ、大型のコンポートなど、熱心にコレクションされていたことが分かります。

 

ご親族の方々が「高級そうに見えるけれど、他に置く場所がない」とお考えになるのも仕方がないと思えるほど、立派なコレクションでした。

 

お品物を一つ一つ査定してみると、陶器人形の代表とも言える〈リヤドロ〉のフィギュリンや、〈マイセン〉のコンポート、〈ベルリン王立磁器製作所〉の人形などがありました。どれも高額査定になる品々だったため、査定金額をお伝えすると大変驚かれているご様子でした。

 

当初は捨てようともお考えだったそうですが、「人形なので無下に捨てるのも気が引ける…」ということで、ご売却を思い立ち『くらや佐賀店』へご連絡くださりました。捨てようかと迷っていたお品物に思いのほか高額な値がついたため、片付け費用が十分補填でき嬉しい誤算となったようです。

 

〈陶器人形〉は古くから収集の対象であり、出来の良い作品は高額で取引されました。現在では陶器人形を専門に生産しているブランドもあるほど。

 

今回は、陶器人形・フィギュリンについてのお話です。

フィギュリン 西洋陶器人形の歴史

17世紀頃、西洋社会で熱狂的な人気を誇った東洋の白磁。各国が製造開発を行い、美しい磁器の生産に躍起になっていた頃、ポーランド王アウグスト2世は宮廷錬金術師であったヨハン・フリードリヒ・ベトガーに、白磁を作り出すように命じました。

 

1709年には白磁の製造に成功し、これを絶賛したアウグスト2世は、1710年に磁器製造の独占権を持つ〈王立ザクセン磁器工場〉をドレスデンに設立。更にここでの製造を極秘扱いとし、数か月後にはマイセンのアルブレヒト城に工房が移設されました。これが〈国立マイセン磁器製作所〉の元です。

 

アウグスト2世の東洋磁器への強い憧れを叶えるべく、マイセン磁器製作所は造形師〈ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーJohann Joachim Kaendler(1706~1775年)〉を招き、動物を模した陶器人形を製作させます。ロココ様式にも精通していたケンドラーは、後に動物だけでなくロココ様式の人形や食器などもデザインし、マイセン磁器の発展に大きく貢献することに。

 

天才と呼ばれたケンドラーの造形は素晴らしく、〈宮廷の光景〉〈羊飼い〉などのシリーズをはじめ、様々なモチーフによる陶器人形が制作されました。肌の色や目、顔や手足の表情まで細かな造形をもったフィギュリンの人気は、当時から大変なものだったのだそう。

 

その後複数の磁器工房が立ち上がり、陶器人形を生産するようになりました。これが今日まで続き、様々な表情や色彩を見せる陶器人形は世界中で愛される存在となったのです。

陶器人形のブランドについて

現在陶器人形を生産している、主なメーカーご紹介します。

Meissen マイセン

〈西洋陶器人形の歴史〉の章でもご紹介した〈マイセン(Meissen)〉。成立初期から様々な陶器人形を生産しているマイセンは、まさに西洋磁器のカリスマとも言えるでしょう。

 

天才造形師ケンドラーは、自身の素晴らしい作品を「後世も作り続けられるように」と、石膏で原型を作り複製と量産を可能にする新たな製造方法を考案しました。現在マイセンには23万種類以上の原型が保管されていると言われており、当時と変わらぬ美しい造形のフィギュリンの製造が可能となったわけです。

 

ケンドラーが最初に取り組んだ仕事は、日本風の宮殿〈日本宮〉を作ることと、そこに〈メナージェリ〉と呼ばれる動物園を作ること。当時ヨーロッパでは、世界の動物をあつめて飼育する流行があり、磁器大好きのアウグスト2世は「時期で出来た動物園を作れ」とケンドラーに命じたのです。

 

ケンドラーはこの命に応じ、躍動感のある力強い動物たちの造形を次々に作り出していきます。この〈磁器の動物園計画〉は順調に見えましたが、残念なことに完成を待たずして、1733年にアウグスト2世は死去。磁器の動物園は完成を見ることはありませんでした。

 

余談ですが、陶磁器をきっかけにドイツ・マイセン市と交流のある佐賀県には、友好の証としてケンドラーの制作した原型を使って作られた〈白磁冠火食鳥〉の複製磁器が贈られました。佐賀県立九州陶磁文化館の噴水の上に設置されているので、ご興味のある方は足を運んでみてください。

 

〈猿の楽団〉という作品は、ケンドラーの作品の中でも有名です。宮廷の演奏家たちを猿に模して制作されたもので、流行に即した物や、風刺として作られたものではないかと言われています。

 

元々はバロック調の大きく重厚な作品を手掛けていたケンドラーですが、アウグスト2世の死後はロココ調の優美な作品や身近なモチーフの造形など、小さい作品も手掛けるように。イタリアの喜劇を扱ったものや貴族の生活模様をはじめ、羊飼い・町の花売り・庭師など人々の躍動を描いたフィギュリンは大人気となり、多くの人から求められるようになりました。

5:38 am

Lladro リヤドロ

メーカーの正式名称は〈リヤドロ・コメルシアルS.A.(Lladro Comercial SA)〉です。リヤドロの歴史は、1950年頃にスペインの古都バレンシア郊外に築かれた小さな窯から始まりました。

 

ブランドネームでもある創始者〈リヤドロ三兄弟〉は、それぞれに絵画・陶芸・彫刻を学んだ後、自宅に陶器用の窯を作りランプ用の花飾りの制作に励んでいたのだそう。その花飾りが人気を博したことをきっかけに、水指や花瓶、そして後にリヤドロの代名詞ともなるフィギュリンの製造にも取り組みます。

 

ここで、簡単にですがリヤドロのフィギュリンの製造方法をご紹介していきましょう。
まずイメージスケッチからモデルを作成し、各パーツを分割してそれぞれ石膏で型をとるのですが、この分割作業が精緻な仕上がりを出す上で非常に重要な工程です。

 

次に各パーツから鋳込み型を作り、そこにリヤドロ特製の粘土液を流し込みます。乾燥後、組み立てられた作品には磨き作業が施され、最後に着色・焼成が行われ完成。リヤドロはこの全工程が、熟練の職人によって手作業行われます。

 

キャラクターやコラボレーション作品が多いこともリヤドロのフィギュリンの特徴と言えるでしょう。シェイクスピアの登場人物や、人気のハリウッド映画とのコラボレーション作品などは大変人気です。

 

他にも、珍しいところでは日本モチーフの作品もあります。五月人形・力士・仏像・雛人形などといったフィギュリンも、リヤドロでは生産されているのです。

 

世界中にコレクターがいることも良く知られています。映画に出てくる人物が、リヤドロのコレクションをしているキャラクターとして描かれたこともあるのですが、ご存じの方はいらっしゃるでしょうか?

KPM ドイツ王立磁器製作所

1763年に、プロセイン王フリードリヒ2世によって創立されたドイツの磁器メーカーです。全ての磁器は手作業で製作されており、今なお高い人気を誇ります。

 

食器やフィギュリンを多く制作しており、ヨハン・ゴットフリート・シャドウのデザインによる〈お姫様の行列〉は磁器芸術の至高とも呼ばれました。また、動物を模したフィギュリンは写実的な精巧さをもって制作されており、世界中のコレクターにとっては垂涎物です。

 

古くから続くメーカーであるため、アンティークもたくさん残されています。同じような大きさの作品でも、作られた時代によって全く価値が変わることもあるのです。

Royal Copenhagen ロイヤルコペンハーゲン

デンマークが誇る最高級の陶磁器メーカーで、正式名称は〈ロイヤル・コペンハーゲン陶磁器工房〉。コバルトブルーの絵柄が特徴ですが、これは東洋の青い染付の影響を受けたものと言われています。

 

ロイヤルコペンハーゲンといえば、ディナーセットなどの食器が代表的ですよね。一方でフィギュリンに関しては、1898年のパリ万国博覧会で初めて作品が発表されて以降、世界中にコレクターが現れるほどの人気を博しています。

 

ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンは、動物をかたどったものや人物を模したものが多いのですが、珍しいものですと日本の干支をモチーフにした作品なども生産されています。

Royal Crown Derby ロイヤルクラウンダービー

1750年頃からテーブルウェア(食器)や鑑賞を目的とする磁器の制作をしている、イングランドのメーカーです。英国で最も歴史のある陶磁器ブランドのひとつとされています。

 

設立当初は陶器の花瓶や立像の作製をしていましたが、絵付師だったウィリアム・ドゥーズベリが仲間と一緒に共同事業(ダービー会社)を創設。才能のある起業家でもあったドゥーズベリの手腕で、瞬く間に飛躍を遂げたダービー会社は、1773年にイギリス国王ジョージ3世より、作品の裏印に王冠を描くことが許可されます。これによりダービー会社は、〈クラウン・ダービー〉と呼ばれるようになったのです。

 

日本の〈伊万里焼〉が輸入されるようになると、これを元に豪華な色付けの幾何学模様や花のデザインが盛り込まれた〈オールドイマリ〉が生産されるようになりました。この〈オ-ルドイマリ〉のデザインは、ヨーロッパ王侯貴族の間で大変な人気だったようです。

 

1890年には、ヴィクトリア女王により〈女王御用達の磁器製造者〉として指名され、〈ロイヤルクラウンダービー磁器会社〉と名乗ることが認められました。現在はテーブルウェア製品をはじめ、ペーパーウェイト(いわゆる文鎮)としても使用できる動物モチーフのフィギュリンが人気です。

まとめ

今回ご紹介したブランド以外にも、陶器人形やフィギュリンを生産しているメーカーはたくさん存在しています。制作されたモチーフや制作年代などで、その価値は様々です。一見同じように見える動物の陶器人形にも、驚くような価値があることも珍しくありません。

 

「たいして価値があるとは思えない」「古いし処分してしまおうかな」という陶器人形・フィギュリンがありましたら、一度『くらや佐賀店』までお声掛けください。専門の鑑定士が、1点1点丁寧に査定・買取をさせていただきます。

 

フィギュリンは繊細なお品物ですので、指先が欠けてしまったりレース部分が割れてしまう可能性も。取扱いに不安がある場合には、鑑定士が直接ご自宅等にお伺いをし、査定から買取までを行う〈出張買取〉も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

お客様からのお問合せ・ご来店を、心よりお待ちしております。

 

 

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店舗:くらや佐賀店
住所:佐賀県佐賀市本庄町袋297-1
電話:0120-322-510
営業:10:00~19:00
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