金城次郎は沖縄出身の陶芸家で
1912年に那覇市で誕生し、11歳から
壺屋の新垣栄徳の製陶所に入りました。
36歳で独立してからは
浜田庄司や河井寛次郎らに師事し
40歳の頃からは沖縄美術展覧会の工芸部門に
続けて出品を繰り返しています。
翌年には国展に初入選を果たしたことを皮切りに
翌年の国展では新人賞を受賞するなど
その名を広めていきました。
その後も個展の開催や、数々の展覧会での受賞を経て
71歳の時に琉球陶器の分野で
重要無形文化財技術保持者に認定されました。
また、79歳の時には勲四等瑞宝章を受賞しています。
金城次郎の生家は製陶を営んでいた為
壺屋焼きは常に金城の近くにありました。
その恵まれた環境の中で、金城は必然的に
焼き物の世界へと身を投じてきます。
そして、壺屋の名工と謳われた新垣栄徳の製陶所で働き
その並外れた技法を習得していきました。
その製陶姿勢は、日常生活に使われる焼き物を作る
という信念を大切に持ち続けたもので
伝統的なものだけでなく、多彩な技術を使った
金城次郎独特な作品も制作しています。
金城次郎はロクロの名手で線彫り、刷毛目、流し掛け、
指掻きなど多彩な技術を持っていました。
作品の多くはそのおおらかな性格を表すように
のびのびと表現されています。
沖縄出身であることで
海の生物をテーマにした作品を多く作っており
自然をテーマに
自分自身もまた自然の一部だと思わせるような
作品作りに金城は没頭していきました。
その作品たちは線彫り技法を駆使した
表情豊かな魚文、海老文は生物の持つ力強さや
躍動感に溢れています。
そんな力強い躍動感がありながらも
おおらかで親しみのある作風が
金城次郎の真髄とも言えます。
金城次郎の作品には、他人には真似が出来ない
強烈な個性があります。
よくモチーフに用いられる沖縄を題材とした
魚や海老などの作品には皆表情があり
笑った魚や海老が描けるのは
金城次郎しかいないと
言わしめる所以ともなっています。
その独創性溢れる作品は、他の陶芸家では
決して表現できない芸術性を認識させてくれます。
また、60代の頃からは読谷村に住み
製陶活動の傍ら「やちむんの里」を構想して
後進の育成にも尽力しました。
沖縄伝統の琉球陶器の文化を守りつつ
発展させた陶芸家として、評価されています。
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