野口謙蔵【洋画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

野口謙蔵(のぐちけんぞう)

野口謙蔵は1901年6月に滋賀県蒲生郡で生まれました。

なお酒屋の息子でもあり、叔母には女流画家で

帝室技芸員となった野口小蘋がいます。

1924年には在学していた

東京美術学校の洋画部を出ると

白馬会を立ち上げた黒田清輝と

文展審査員を務める和田英作から

洋画について学び始めました。

また、故郷にて蒲生郡の風景を描く日々を過ごし

アララギ派の歌人でもある平福百穂から

日本画を教わると同時に、

歌人で好日を立ち上げた米田雄郎とも

交流を持っています。

その後、帝国美術院展覧会の場において

1931年には『獲物』を出展し、1933年の『閑庭』

そして翌年には『霜の朝』を

帝展の場に続けざまに出品し、

そのうち『閑庭』は特選となりました。

なおその後も積極的に帝国美術院展覧会での

作品発表を続け、帝国美術院展覧会の審査員、

また東光会会員も務めています。

作風

野口謙蔵の作品は、独自の明快な色彩感覚で

故郷の蒲生郡の美しい自然をテーマにした

詩的な情感あふれる世界観が有名です。

また平福百穂に教えられた経験から

日本画の技法も習得しています。

その為に日本画の作法がありながらも

洋画の雰囲気がちょうどよく合わさっている

とも言われています。

それに野口謙蔵の実家の酒屋は繁栄しているので

経済的にも余裕があり、そのために

幼少期から興味を持っていた絵に集中できた、

とも指摘されています。

そして実際にその頃から絵に対して

才能を見せていたとの事です。

他の東近江市の洋画家

野口謙蔵の出身の蒲生郡は

現在の東近江市に位置しています。

東近江市の洋画家としてはほかに

2020年現在も活躍している猪ノ田裕樹がいます。

猪ノ田裕樹も東近江市の風景を描いた

作品群を展開しています。

東京美術学校について

東京芸術大学美術学部を元に

1885年に文部省によって創られました。

それから数年間のうちに

様々な組織編成を行っていますが

初代の校長は岡倉天心が務めています。

岡倉天心は美術評論家でもあり、美術の保存及び

美術界の発展に奔走した人物でもあります。

郷土愛を表現した野口謙蔵

野口謙蔵の作品は東近江市の人達にも

今でも愛されています。

それは野口謙蔵が

郷土愛に根付いて作品を描いており、

決して技法で表現するだけではない

美しさがあるからだと言われています。

野口謙蔵は1944年に亡くなっており、

現在の東近江市を描く洋画家もいますが

当時の風景を土着目線で映し出しているもの

とも言えます。

そして代表作の一つのである『霜の朝』は

国によって買われ、

東京の国立近代美術館に保管されており

市内外からもその世界観が注目されています。