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骨董品
2019/07/26

藤井観文【工芸作家/漆芸】

藤井観文(ふじいかんぶん)

 

藤井観文は1888年、輪島市で生まれました。

 

漆芸家としては、沈金の名工といわれた

 

橋本佐助から教わった経験を持ちます。

 

また日本画家として活躍した時期があり

 

日本画を習っていた時には

 

自然を情感豊かに描き上げた事で知られている

 

川合玉堂から教わった事があります。

 

これらの経験を活かし、日本美術院展や

 

帝国美術院展覧会にも入選しました。

 

そして漆芸家として再び活動するようになると

 

1938年に第2回新文部省美術展覧会において

 

初入選を獲得。

 

1956年には第3回日本伝統工芸展で初入選となり

 

1964年には文化財保護委員会委員長賞を

 

受賞しています。

 

翌年には日本工芸会正会員となりました。

 

 

また藤井観文は活動終盤

 

日本画家としても活動した経験を活かし、

 

歌川広重の東海道五十三次の

 

浮世絵版画をテーマとした

 

扇面額を作り上げました。

 

 

 

■輪島塗りについて

 

輪島塗りの存在は

 

縄文時代から確認できています。

 

ただ輪島塗りの語源である地名は

 

室町時代からとなります。

 

日本に限らず樹液を使った工芸作りの文化は

 

東アジア全体にまで及びますが

 

輪島塗りの特徴としては、100以上の工程を

 

分業により行う所にあります。

 

さらに能登産のヒバの木を主とした

 

天然素材で作り上げ、金粉や金箔をも使うことで

 

堅牢優美と称される工芸品になります。

 

そして日常用途でも使えるくらい

 

実用性と堅牢さを兼ね備えており、

 

1977年には国の重要無形文化財に指定されました。

 

 

 

■苦しい時代を越え今に至る

 

輪島市は能登半島の中にあり

 

2018年2月の累計としては

 

2.7万人ほどしかいません。

 

また藤井観文の活躍した時期の一つでもある

 

1950年代は、戦後間もない時期でもあり

 

材料不足に苦しめられたと言います。

 

それでも輪島塗りは今日まで

 

地域の特産品を維持する原動力の一部となりました。

 

なお1950年代に活躍した

 

輪島塗りを請け負う場所や他の作家としては

 

1912年に誕生した塗師屋業である藤八屋。

 

麻布や和紙での乾漆技法が有名で

 

人間国宝となった塩多慶四郎などもいます。

 

 

 

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