田中岑【洋画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

田中岑(たなかたかし)

田中岑は1921年4月に香川県三豊郡

(現在は観音寺市)で生まれます。

1937年の中学4年生の頃に美術部を立ち上げると

絵画について関心を持ち、また『停車場の朝』で

バーナード・リーチに高評価された

洋画家の山脇信徳に、

作品を見てもらう機会を在学時に得ています。

その後1939年に東京美術学校油絵科に入ると同時に

第9回独立美術協会展で『自画像』が初入選となり

以降コンスタントに同展で入選を重ねていきます。

また同じ年に東京美術学校油絵科に一旦入るものの

教わっていた「エビハラ・ブルー」で知られている

海老原喜之助のアドバイスもあって

日本大学芸術学科に入り直しました。

1941年にはグループ「昴」の立ち上げに

加わると同時に、

東京の銀座の紀伊国屋において展覧会を実施。

翌年には初個展となる

「田中岑油絵フレスコ作品発表展」を開き

また日本大学芸術科を予定よりも早くで出ます。

1950年には春陽会展の場でも

作品を出品し三年後には会員となり、

1956年には『ナルシス』でシェル美術賞展2等を

獲得するなど、卒業後もその勢いを維持していきます。

1956年には具象絵画寄りの

若手の洋画家に向けた場となる、安井賞の

第一回目で『海辺』によって受賞となるなど

活躍を続け、2014年4月にこの世を去ります。

作風

田中岑は自身の内面を反映させたような作品を描き

また1970年に母校の創立70周年の為の作品

と言ったような壁画も手がけています。

作風としては物のラインよりも

色について深く追い求め、独特の色彩感覚となって

現れている事で知られています。

なお1947年に出会った土方巽と木村忠太がきっかけで

女性雑誌の編集やカットなども行っています。

・土方巽

舞踏家で斬新なスタイルで表現し「BUTOH」として

海外にアピールも行っています。

作品としては『病める舞姫』が有名です。

・木村忠太

洋画家で自ら「魂の印象派」と名乗り

リアリティを追求した心象風景を描いています。

1953年にフランスに渡り

ほぼ一貫してずっと定住しました。

他の関連用語の細かい解説

・独立美術協会

1926年に創られた1930年協会展が元となっています。

様々な美術団体のメンバーが垣根を超えて

集結していますが、それには「既存の団体からの絶縁」

と言った意思表示ともなっています。

・東京美術学校

1937年に設立された、

東京芸術大学美術学部を元とした学校です。

なお1887年に、日本で初めてとなる

官立美術学校の工部美術学校が廃止されたのを

受けての設立でもありますが、

美術保護を強く訴えた岡倉天心の

努力による所もあります。

最近まで画家として活動した田中岑

他にも田中岑は2003年に個展

「そして清浄の光は放たれた」を開催したり

2010年には「たわむれの情景 田中岑展」

を開催しているにど2000年代においても

積極的に活動しています。

まとめた書籍「田中岑作品集 いろいろ、そうそう」に

作品が詳しく載っているので、昭和から平成まで

画家として駆け抜けた軌跡を

身近なものとして感じ取れると思います。