木工芸家の灰外達夫は、1941年に
石川県珠洲市で生まれました。
1956年には中学校を卒業して
正院町で建具の修行をし
30歳からは独立して健具店を営み始めます。
平行して自身の制作活動を行っていた灰外は
39歳の時、日本一大皿(1.82m)の焼き上げを行い
ギネスブックに登録されるなど
木工芸以外にも様々な作品に着手していました。
その後も、1981年に日本伝統工芸展での
初入選を果たし、その2年後には
日本一大陶版の焼き上げを行っています。
48歳で日本伝統工芸展正会員になったのちは
金沢大和画廊アートサロン個展の開催や
金沢市に寄贈した1.82mの春秋花蝶図大皿の制作、
1993年には総理官邸で行われた
「芸術・文化関係者懇親のつどい」で
内閣総理大臣の招待を受けました。
以後も石川県立輪島漆芸技術研究所講師や
日本伝統工芸木竹展鑑査委員を務めながら
作成した作品が文化庁や宮内庁の
買い上げとなるなどし、
67歳で紫綬褒章を受章しています。
そして、2012年、71歳の時に「逸曲」の分野で
人間国宝に認定されました。
灰外達夫の作品は、「挽き曲げ」という
技法が使われている点が特徴とされています。
この、自身で編み出した技法は
木板を円形に曲げる加工技術の一つで、
木板に鋸で挽き目を入れて
折り曲げて形を作り上げていく技法です。
例えば、「神代杉挽曲造眼色紙箱」という作品では
薄い木の板の裏側の、皮一枚を残して
切れ込みを入れ、折り曲げて
箱の形に仕上げています。
高度な「挽き曲げ」の技が駆使された作品です。
また、灰外達夫は本業である木工だけに限らず
自身の心の赴くままの
色々な作品造りを行っています。
その一つに、珪藻土を研究し
珪藻土を使った茶碗の制作があります。
珪藻土は化石からできた土なので
とても軽いことで知られていますが
見た目は普通の焼き物と変わりませんが
この珪藻土で出来た茶碗は他の陶土で作った茶碗より
格段に軽いのが特徴です。
その他にも、ギネスに登録されている
3.5m×2.5mの陶版や世界一の大皿の制作など
とてもユニークな取り組みが
灰外達夫の幅広い創作活動を表しています。