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2021/04/15

川端康成とは【代表作/伊豆の踊子/ノーベル賞】

川端康成(かわばたやすなり)の生い立ちは?

川端康成は1899年に大阪で生まれました。生後間もなく両親が病で亡くなってしまったことから祖父母に育てられましたが、15歳の頃にはその祖父母も亡くなり、中学生だった川端康成は母の実家に引き取られました。

幼い頃から作文で才能を現していたこともあり、小説家を目指すようになったのはこの頃からだと言われています。

短歌や俳句などにも興味を持ち、1917年に高校入学と同時に上京。在学中にはロシア人小説家のドストエフスキーの作品を愛読し、文芸部の『校友会雑誌』で作品を発表するなどしました。卒業後は東京帝国大学文学部へ進学。同級生らと共に、第6次版となる文芸雑誌『新思潮』を発表し、同誌に掲載した短編小説『招魂祭一景』が好評を得て、その名を広めていきます。

 

また、『新思潮』が発表される際には以前同誌に携わっていた小説家・菊池寛とのつながりが出来、川端康成はそこから芥川龍之介らとも知り合ったと言われています。川端康成は以降も『新思潮』に作品を発表したほか、1923年には菊池寛が発表した雑誌『文芸春秋』の編集を担当。1924年に大学を卒業した翌年には、文芸同人雑誌『文藝時代』を片岡鉄兵や横光利一と共に立ち上げ、様々な新感覚派の作家が雑誌の上で集うこととなりました。

本格的に小説家としての活動を始めた川端康成は、『文芸春秋』や『文藝時代』に数々の作品を発表していき、1926年には自身の代表作となった『伊豆の踊子』を発表。また初の短編集『感情装飾』も発行されています。

30代の頃からは大学講師として教壇に立つようになりましたが、並行して作家活動も継続し、『雪国』や『川端康成選集』を発行。新聞に碁の観戦記を連載したほか、45歳の時には前年に発表した作品『故園』などが菊池寛賞を受けるなど、作家としての立場も固めていきました。また1946年には三島由紀夫の訪問を受け、その原稿を指導するなどしたことで、以降生涯に渡って親交する仲となっています。

 

やがて1958年には国際ペンクラブの副会長に選出され、続いて世界平和アピール七人委員会への参加や、近代文学博物館の委員長など要職を歴任しました。この間、1961年には文化勲章を受章しています。そして、多くの作品の発表、そしてこれらの功績が認められたことから、69歳の時に日本人で初めてとなるノーベル文学賞を受賞。国内外で大きな話題となりましたが、それから3年後、19724月に自ら命を絶ちました。

 

 

 

川端康成の作品の特徴は?

日本人ならではの感性と強い観察眼で、情緒豊かな文体で描いている所に特徴があります。

また文芸時評もしており1922年から20年間行いました。

他には『文学的自叙伝』や『美しい日本の私』などの随筆も発表していきました。

 

 

 

川端康成の作品の価値は?

川端康成が作品で表現した日本人ならではの感性は世界に通じるものがあり、国内外でその作品が読まれ、ノーベル文学賞を授かったと言われています。

他には西洋で流行っていた文学のテイストを使い、日本の風土感や少女を題材にしたものなどを発表し「奇術師」とも呼ばれるようになりました。

なお『伊豆の踊り子』の作品背景としては、家族を無くした川端康成が1918年に出会った旅芸人達がモデルとなっていると言われています。

 

代表作

 

1954年に発表し第7回野間文芸賞となった『山の音』

1964年に『新潮』上で連載開始された『たんぽぽ』などがあります。

 

 

 

各ワード紹介

■菊池寛(きくちかん)

小説家や劇作家でもあり、『新思潮』を第四次として立ち上げるものの名が売れず、それからは記者を挟み『恩讐の彼方』や『無名作家の日記』などの短編小説。戯曲や新聞小説『真珠夫人』などで大衆的な指示を獲得していきました。

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