島田墨仙(しまだぼくせん)は、1867年10月に福井で生まれました。なお父は福井藩士の島田雪谷で、武士である傍ら絵師としても名を馳せた雪谷から、墨仙は幼少期に円山四条派の絵について教わっています。一時は軍人を目指しますが、視力の悪さから諦め、教員職をしながら独学で日本画について学びました。また並行して、西洋画は父の門弟でもあった大平広正から教わり、20代後半で上京。すでに上京していた兄の元に身を寄せ、日本画家の橋本雅邦に師事しています。
その後、翌年の日本絵画協会第3回共進会にて発表した『致城帰途』によって三等銅牌を獲得。また歴史人物画を極めるために技法や関連の資料を、明治時代に活躍した日本画家の川崎千虎。それに儒学者で書や詩文に詳しい信夫恕軒から教わりました。1898年には福島県立第二尋常中学校でも教えると言ったように、自身も教壇に立ちながら画家としての腕を磨き、それは40代になる頃まで続きます。1906年に上京してからは、美術団体の国画玉成会にて評議員となり、また1919年には如水会の設立に参加。如水会第1回展では『樹下美人』や『老孔問答』を発表していきました。それからも帝国美術院展覧会や日本南画院での作品発表や、帝国美術院展覧会・文部省美術展覧会での審査員をするなど要職を歴任しています。
晩年も創作意欲は大きく、亡くなる直前には日本画家初の帝国美術院賞を受賞。まもなく1943年7月、77歳で息を引き取りました。
派手で目立つと言うより明瞭な構図、描き方の多い作風で、歴史人物画をよく描いている所に特徴があります。
ちなみに1918年発表の『キリスト及弟子像下絵』(東京国立博物館が所蔵)。
1932年に発表し日本南画院11回展に出した『出山釈迦』と言ったように、各宗教の象徴にもなっている賢人を描いた作品群も発表していきました。
島田墨仙はこのように様々な題材を描いてきたと言うより、歴史に名を残す人物の作品を発表している所に現在も評判が集まっています。
彼の名前を決定的にしたのが、1903年に大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会にて発表した『大石主税刺鼠之図』で、同作は3等銅賞を獲得しました。
他にも帝国美術院展覧会や新文部省美術展覧会でも発表しているのですが、島田墨仙の人物画は、昔ながらの武士の崇高と言える精神が感じられると評価されています。
代表作
1907年に第一回文部省美術展覧会で初入選となった『雲竜』。
1942に第5回新文部省美術展覧会で帝国芸術院賞を獲得した『山鹿素』などがあります。
■円山四条派
江戸時代中盤に円山応挙によって提案された円山派と、それを受け継いだ呉春が立ち上げた四条派が合わさったものです。
室町時代中盤から始まり、将軍お抱えとなり大多数の画家を生み出してきた狩野派と言う絵師集団がいるのですがの狩野派と円山四条派は密接に関係しています。
狩野派は18世紀中盤になると形が決まっていると人々から飽きられるようになり、その風潮の中で出てきたのが円山四条派で、墨による濃淡などで写実的に描いた表現は大いに支持されました。
■橋本雅邦(はしもとがほう)
狩野派の画家で父も狩野派の絵師と言ったように、狩野派の正統的系譜を受ける立場です。
とは言え橋本雅邦自身もその狩野派の人気が衰えた事で生活が苦しくなりますが、1882年に第1回内国絵画共進会で出した『琴棋書画図』が銀印主席を獲得し、またそれ以降受賞を重ねるなどします。
島田墨仙が弟子入りとなったきっかけは橋本雅邦が、第4回内国勧業博覧会で発表した『龍虎図屏風』を見たから、や、墨仙と同じく画家であった兄の友人の紹介があったから、と言われていますが、橋本雅邦も後進の指導に優れた画家であったと評価されています。
片づけ始める前にご相談ください
眠っている品物に思わぬ価値がある場合があります。
遺品整理業者・リサイクル業者は、骨董美術品類に高額をつけることはできません。
さらに処分費もかかります。無料査定・買取で賢い遺品整理・蔵整理をお勧めいたします。
買取専門店KURAYAは,骨董品,金・プラチナ、ブランド品、ブランド時計、ダイヤモンド、切手、古銭、勲章、日本刀・鎧兜、掛け軸・絵画、版画、おもちゃ・ノベルティ、 高級食器、珊瑚、翡翠・鼈甲・琥珀、カメラ、鉄道模型,、着物・小物、鉄瓶・茶道具 ,墨・書道具など確かな目で高額買取いたします。
買取専門店くらやは、新しいもの・古いもの、どんなお品も対象に鑑定する買取専門店としてオープンいたしました。貴金属・ブランド品買取をはじめとし、 古物・切手の買取・骨董品の買取に力をいれております。 ご自宅に眠っている貴金属・ブランド品・骨董品などはございませんか?古物・貴金属・ブランド品などを整理したい方、 現金が必要な方、お引越しで荷物を整理したい方、遺品整理、古い蔵を取り壊して中身を処分したい方など、様々なお客様からご利用いただいております。
新しい物・古い物、どんなお品も対象に査定する