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掛け軸・絵画
2019/10/18

小杉放庵/小杉未醒【洋画家】

小杉放庵(こすぎほうあん)

 

小杉放庵は188112月に栃木県日光で生まれました。

 

少年期の頃には同じ日光出身で、

 

名地や植物をモチーフにした作品や

 

『日光東照宮陽明門』が知られている

 

五百城文哉に師事したほか、独学で

 

風景や水彩についても学んだと言われています。

 

19歳の時には明治から昭和時代の

 

代表的な風景画家である、吉田博の影響を受け

 

不同舍へ入り、そこでは明治美術会を立ち上げ

 

『川上冬崖』 や『仙台の桜』が知られている

 

小山正太郎から学びます。

 

またこの頃から「未醒」を名乗り、

 

1回文部省美術展覧会では入選を果たしました。

 

2年後には太平洋画会の会員になります。

 

その後太平洋画会の作家達が立ち上げた同人雑誌

 

「方寸」に参加し、文展でも連続して

 

上位に入賞していきました。

 

やがて1913年に文部省美術展覧会で

 

最高賞を獲得した期待を受けながら、

 

小杉放庵はフランスに留学しています。

 

帰国後には長谷川昇と山本鼎、

 

森田恒友などのメンバーで春陽会を立ち上げたほか

 

帝国美術院会員となり、40代後半の

 

中国旅行の経験を活かした

 

文人画的な独自性を含んだ水墨画を描いていました。

 

1964年、83歳の時にこの世を去っています。

 

 

 

穏やかな作風

 

小杉放庵は活動初期、東洋の雰囲気が強い

 

洋画作品を発表していましたが、

 

段々日本画にシフトしていきました。

 

その大きな転機の要因の一つと言えるのが

 

1913年のフランス留学です。

 

パリにて日本南画の祖と呼ばれる池大雅の

 

『十便帖』のコピーを見たことで、

 

『飲馬』や『黄初平』と言った作品群を展開しました。

 

とは言え同じフランスで、幻想的な雰囲気で知られる

 

壁画家のピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの

 

作品を見た事で、その影響を受けた作品群を、

 

春陽会所属の活動初期においても発表しています。

 

またそれらの作品は総じて

 

穏やかな雰囲気で満ちています。

 

 

 

関連用語の細かい解説

 

■文人画

 

元々の中国の画業として絵を描いてない

 

知識人が描いた作品を指しています。

 

日本に伝わった際は独自派生となり、

 

南画と呼ばれています。

 

■太平洋画会

 

現在でも活動している太平洋美術会の前身です。

 

1887年当時の東京美術学校には

 

洋画部門が創設されていなかった為に、

 

設立された明治美術会が形を変えて

 

太平洋画会となりました。

 

■春陽会

 

1922年に設立。

 

設立当時は日本の風土が感じられる作品作りを

 

モットーとしていました。

 

現在でも一般社団法人として機能し、

 

若手の育成目的も兼ねています。

 

 

 

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