スイスが誇る高級時計ブランドのひとつ、ロンジン（LONGINES）は、1832年にスイス・サンティミエにて創業され、実に190年以上の歴史を持つ名門ブランドです。創業者オーギュスト・アガシによって設立されたロンジンは、創業当初から正確な時を刻むことへのこだわりと、洗練されたデザイン美に定評があり、瞬く間にヨーロッパ各地でその名を知られるようになりました。特筆すべきは、そのトレードマークでもある「翼のついた砂時計」のロゴ。これは現在使用されているブランドロゴとしては世界最古の商標のひとつであり、ロンジンの品質と伝統への強い自信と誇りを象徴しています。

19世紀後半には機械式時計の技術革新を進め、1889年のパリ万国博覧会などで数々の賞を受賞。20世紀に入ってからはスポーツ計時の分野において世界的な信頼を得る存在となり、1920年代からオリンピックの公式タイムキーパーも務めるなど、精密機器としての腕時計の価値を高める一翼を担ってきました。また、航空・探検分野でもロンジンは活躍しており、有名な飛行士チャールズ・リンドバーグと共同開発された「アワーアングル・ウォッチ」は、今もなおコレクターの間で高い人気を誇るモデルです。

現在でも「エレガンスは永遠に（Elegance is an attitude）」というブランドポリシーのもと、クラシカルで上品なデザインの機械式腕時計を数多く展開しています。特に「マスターコレクション」「フラッグシップ」「コンクエスト」「ヘリテージ」シリーズなどは、ロンジンらしいエレガンスと実用性を兼ね備えたモデルとして高い評価を得ています。また、復刻モデルやヴィンテージの人気も近年高まっており、年代物のロンジンに高額な価値がつくケースも少なくありません。ロンジンは、その美しさと正確さに加え、長年にわたる歴史的背景と物語性をも持つタイムピースとして、多くの愛好家に選ばれ続けているのです。

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