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松山店
2020/12/21

愛媛県松山市 こけしの買取|土湯 遠刈田 鳴子|伝統と革新が融合した日本の工芸品

8:50 am

こんにちは。こけしをはじめ、骨董品や古美術品などの買取をする買取専門店『くらや松山店』です。

 

こけしは誰しもが一度は目にしたり、手に取ったことがあるかと思います。お土産などで買ったことはあっても、こけしを売るという体験をされたことがある方はとても少ないのではないでしょうか?

 

『くらや松山店』では、店舗のショーケース内に買取の見本商材としてこけしを展示しています。ご来店いただいたお客様や、お店の前を通りがかった方々から「こけしも売れるんですか?」と驚かれることが非常に多いです。

 

このブログを読まれている皆様の中にも、「昔集めていたけれど、まさか売れると思わず捨ててしまった」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

こけしは人形玩具としてだけではなく、戦前の頃から美術品としての人気もあり、現代でも熱心なコレクターがたくさんいます。東京などの大都市やこけし発祥の地である東北地方では、コレクターが一堂に会する集まりが開催されることもしばしば。

 

開催地が宮城県の〈全日本こけしコンクール〉〈全国こけし祭り〉と、山形県の〈みちのくこけしまつり〉は日本三大こけしコンクールです。他にも群馬県では〈近代こけしコンクール〉が催されるなど、こけしを主役としたイベントは日本全国で行われています。

 

東北の温泉地の土産物として誕生したこけしは、老若男女問わず昔から日本人に愛されてきましたが、近年では訪日観光客などにも人気です。こけしは今、人形玩具としてだけでなく伝統工芸品としても注目を集めているのです。

こけしの歴史

こけしの歴史は古く、奈良時代まで遡ります。奈良時代の女帝であった称徳天皇が、国の安泰を祈願するために作らせたのが〈百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)〉と呼ばれる100万基の木製の小塔。これが木地師(ろくろを用いて神器・仏具・椀などを作製していた職人)が作った最古のこけしであるという説があるようです。

 

現在のような姿のこけしは、江戸時代後期に東北の温泉地で誕生しました。木地師が本業の傍ら、端材を利用して子供向けの玩具を作ったのが始まりとも言われ、それがいつしか温泉に来た湯治客に土産物として販売されるようになっていったのです。

 

こけし収集家としても知られる天江富弥が、昭和3年(1928年)に日本初のこけし専門書〈こけし這子の話〉を出版したことがきっかけとなり、こけしは工芸品や美術品として評価されるようになっていきました。これがこけしの第一次ブームです。

 

第二次ブームは終戦後の高度経済成長期。東北の温泉地が賑わい、訪れた旅行客に土産物のこけしが飛ぶように売れたことでブーム再燃となりました。そして第三次こけしブームは2010年頃。女性を中心にブームとなったため、〈こけし女子(こけ女)〉なる言葉も生まれました。皆さんの周りにも、こけ女はいらっしゃるでしょうか?

こけしの種類

こけしの種類は多種多様に存在しますが、大きく分けると二つに分類されます。一つは江戸時代の発祥当時の様式に従って作製されている〈伝統こけし〉、もう一つは第二次世界大戦後に生まれた〈新型こけし〉です。

 

産地によって形状などに特徴があり、11の系統に分類される〈伝統こけし〉。どの系統にも共通して、戦前に作られたこけしは高価買取が期待できるお品物です。今回のブログでは〈伝統こけし〉11系統を産地別にご紹介していきたいと思います。

福島県

土湯系

頭は小ぶりで、はめ込み式の首は回すとキーキーと音が鳴るのが特徴です。頭部には〈綛(かせ)〉と呼ばれる赤い模様の髪飾りが、顔には鯨目・たれ鼻・おちょぼ口が描かれています。胴は細く、繊細なろくろの横縞模様が印象的。土湯は伝統こけしの三大発祥地の一つです。

宮城県

遠刈田系

頭は差し込み式で大きく、頭頂に〈手柄〉と呼ばれる赤い放射状の飾りが描かれています。おかっぱ頭で、切れ長の細い目となで肩の細い胴、重ね菊の模様(横から見た菊の姿を重ねて描いたもの)が特徴的です。福島の土湯と並び、遠刈田も伝統こけしの三大発祥地。

鳴子系

首が回り、キュッキュッと音が鳴るのが最大の特徴です。頭部には水引で結んだような前髪が描かれ、胴には菊や楓などの華やかな模様が多く描かれています。

 

中ほどが少し細く、肩と裾が広がった胴体の形も特徴的です。土湯・遠刈田と共に、鳴子も伝統こけしの三大発祥地の一つとされています。

弥治郎系

差し込み式の頭は大きく、頭頂にベレー帽の様な多色の輪の模様が描かれているのが特徴です。胴にくびれがあり、頭部と同様のろくろ模様が鮮やかで印象的。

 

伝統こけしの三大発祥地とされる土湯・遠刈田・鳴子よりは、やや新しいこけしです。

作並系

遠刈田から伝承された技と共に、後述する山形系の影響を受けて独自に発展したため、山形作並系とも呼ばれています。頭は差し込み式で小さく、かつて子供が握りやすいようにと作られた細い胴が特徴です。上下のろくろ線の間に、〈カニ菊〉と呼ばれる蟹の形に似た菊の模様が描かれています。

山形県

山形系

作並で学んだ木地師が伝えたと言われており、作並系と同じく頭は差し込み式で小さく、細い棒状の胴体が特徴です。頭頂には手絡が、顔には割鼻が描かれており、胴の模様は紅花・牡丹・菊・梅などが主流。

蔵王系

遠刈田の影響を受けて発展したと言われています。差し込み式の頭は大ぶりで、頭部に描かれた手絡やおかっぱ頭が印象的。どっしりとした胴には、重ね菊や桜くずしの模様が描かれています。

肘折系

鳴子と遠刈田が合わさった混合の系統として発展した肘折系のこけしは、にんまりとした表情が特徴的。差し込み式の頭部に描かれた顔は遠刈田系、胴体部分は鳴子系の影響を受けており、重ね菊や撫子などの草花模様が華やかです。

 

空洞になっている頭部に小豆が入っているものもあり、振ると音が鳴るのも肘折系ならでは。

秋田県

木地山系

〈作り付け〉という、頭と胴を一つの木から作る手法を用いて作製される木地山系のこけしは、らっきょう型の顔と、頭頂の赤いリボンのような模様が印象的です。

 

胴はどっしりと太く、縦縞の着物に梅や井桁模様の前垂れを描いたものが代表的ですが、古いものには菊だけが描かれたものもあります。

岩手県

南部系

頭部はゆるいはめ込み式で、ぐらぐらと動くのが特徴です。〈キナキナ〉というおしゃぶりがこけしに発展したものだと言われています。胴の形は様々で、肩が丸いものや裾がくびれたものなどがありますが、全体的に無彩色が多く、素朴で簡素なこけしです。

青森県

津軽系

木地山系と同様、〈作り付け〉の手法を用いて作られる津軽系のこけし。おかっぱ頭が多く、ふくらんだ胸部とスカートのような末広がりの胴には、津軽藩の家紋から取り入れたとされる牡丹模様やアイヌ模様、ねぶた絵などが華やかに描かれています。

こけし工人について

こけし工人とは、〈伝統こけし〉を作製する職人のことを指します。〈新型こけし〉を作る職人ももちろん工人ですが、作家と称することが多いです。

 

伝統こけしの代表的な工人として、盛秀太郎(津軽系)・大沼岩蔵(鳴子系)・岩本善吉(土湯系)・佐藤直助(遠刈田系)などが挙げられます。

 

〈新型こけし〉には、全国各地で土産品として販売される〈こけし人形〉と、工人(作家)が作る〈創作こけし〉があり、作製するにあたりこれといった決まり事がないのが特徴です。〈こけし人形〉は工場などで大量に生産されているということもあり、価値はほとんど付きません。

 

一方〈創作こけし〉は工芸品や美術品としての価値があり、人気作家の作品は大変高額になることも。『くらや松山店』でも高価買取をしておりますので、売却をお考えの方はご相談ください。

 

創作こけしの代表的な工人(作家)は、関口三作・渡辺雄二・石原日出男・加藤龍雄などです。創作こけしは伝統こけしのろくろ技術を基礎としながらも、その形状や彩色は作家の自由な発想によって作製されます。作家の心情を、こけしを通して読み解く楽しさといったものもあるのではないでしょうか。

こけしの名称について

こけしは今でこそ一般的に浸透している名称ですが、実は比較的新しくできた言葉なのです。元々こけしが子供向けの玩具であった時代には、〈コゲス〉〈ボコ〉〈コゲスボコ〉〈デゴ〉〈キナキナ〉の5種類の呼び方を基本としてきたようですが、その後〈きでこ〉〈でころこ〉〈きぼっこ〉など、各地方で様々な方言を用いて呼ばれるようになりました。

 

〈木形子〉〈木削子〉〈木牌子〉〈木芥子〉など、表記にも様々な漢字があてられていましたが、名称と表記が〈こけし〉に統一されたのは昭和15年(1940年)7月27日のこと。東京こけし会(戦前の会)が開催した〈第一回現地の集まり・鳴子大会〉において決議がなされ、現在の〈こけし〉が定着するようになりました。

こけしの買取実績

『くらや松山店』で実際にあった、こけしの買取のお話を二つご紹介したいと思います。

 

まず一つ目のお話。先日お電話で「人形の出張買取は可能ですか?」というお問合せがありました。当店では出張買取も行っている旨をお伝えし、その後お客様のご自宅へお伺いすることに。

 

実際にお品物を拝見したところ、それは人形ではなく大きなこけしでした。「飾る場所もないし、買取の値段が付くとも思えないけれど・・・」という思いで当店へご連絡をくださったとのこと。

 

お客様がお持ちだったのは、現代の名工とされている人気作家〈加藤龍雄〉が手掛けた創作こけしでした。お品物のご説明を行い査定額をお伝えしたところ、お客様には大変喜んでいただけました。

 

次に二つ目のお話。先ほどとは別のお客様より「大量のこけしがあるのですが、買取できますか?」というお問合せがありました。お話を伺うと、若い頃にこけしを集めるのが好きで収集されていたそうですが、現在〈終活〉をしており処分しようかとお考えになっているとのこと。

 

こちらのお客様は、『くらや松山店』の店頭でこけしが飾られているのを偶然ご覧になり、買取依頼をされたようです。ご自宅にお伺いしてお品物を確認したところ、全て戦後に作られた比較的新しいこけしが中心で、その数は50体以上にのぼりました。

 

1体ずつでは査定額をつけるのが難しかったのですが、まとめてという形で買取可能である旨をお伝えしたところ、お客様には喜んでいただける結果に。「捨てるのも気が引けてしまって…」という理由で手放す方法をお考えになっていたようですが、同じように思われる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

8:50 am

まとめ

こけしや人形を処分する際に、お寺や神社の人形供養に出されるという方は多いと思います。収集していたけれど興味が無くなってしまったり、生活スタイルの変化とともに箪笥の肥やしと化したこけしをお持ちの方には、買取店でご売却という方法があることも知っていただければ幸いです。

 

こけしは近年、ただの人形玩具としてだけではなく工芸品や美術品としての価値も高まってきています。海外でも和風小物として広く知られるようになり、ヨーロッパではこけしブームが起こったりもしているのです。

 

『くらや松山店』では、工芸品・美術品として価値のあるこけしを、後世につなげるお手伝いができればという思いで買取を行っています。戦前に作られたこけしや、人気作家の創作こけしは高価買取が期待できるお品物です。

 

昔集めていたけれど、今はご不要になり手放そうとお考えの方はいらっしゃいませんか?『くらや松山店』はこけしの買取実績もあります。プロの鑑定士による査定・ご相談は無料です。

 

こけし以外にも、お片付けや整理の際に出てきた不用品などの買取は、是非『くらや松山店』へお気軽にご相談くださいませ。皆様のご来店・お問合せを心よりお待ちしております。

 

 

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