創業者のフランソワ・ゴヤールは1828年フランスのブルゴーニュ地方で生まれました。ゴヤール家は、フランス・ニヴェルネ地方で200年以上前から経営している水上筏の製作会社を経営していました。1832年フランソワの父、エドメがパリに移住し、パリでトランクメーカーであるモレル社に就職したことがきっかけで、1845年フランソワもモレル社に就職しました。モレル社の経営者モレルは、頭角を現していたフランソワを会社の後継経営者に指名し、1853年モレルの死去に伴いフランソワが会社を引き継ぎ、サントノレ通り233番地に「メゾン・ゴヤール」が誕生しました。
1860年フランソワに息子エドモンドが生まれ、父親の後をエドモンが継ぎ、彼は多くの革新をゴヤールにもたらしました。エドモンは代々伝わる筏作りの技術を活かし、耐久性、耐水性に優れたキャンバス地を開発し、これをトランクカバーにしました。1892年3つの杉綾を併記し「Y」のイニシャルを形作っているモチーフを開始しました。これは樹木を意味するシンボルとして描かれ、ゴヤール家と人類の歴史を表現していると言われていて、現在でもゴヤールのトレードマークとなっています。また、ゴヤールの製品は品質が良く、軽量で上質のキャンバス地を使用し、また顧客のオーダーによりイニシャルを付けるサービスなど、顧客のニーズに合わせて特注品を生産することで有名です。