1857年創始者「ソティオ・ブルガリ」はギリシャのカラリテス地方ギリシャエピルスで、先祖代々の技術を受け継いだ銀細工師の一族に生まれました。1876年にバルカン戦争が勃発すると、安全を求めイタリアに移住することになり、新たな地でも順調に事業を進めました。1884年に最初の店をローマのシスティーナ通りに構えました。1905年にブルガリの本店をローマのコンドッティ通りに移転し、現在に至っています。二十世紀初頭にはソティリオの息子である、コンスタンティノとジョルジョ兄弟は、当時の宝飾界を支配していたアール・デコ、アール・ヌヴォー、ロココといったフランスの宝飾様式とは違う、ギリシャやローマの古典主義の作品を発表します。ペンダントヘッドなどのモチーフとして多用される星座は、ギリシャ神話がそのルーツとなっていて、歴史の素晴らしさを受け継ぎながら、モダンなデザインにして蘇らせ「ブルガリスタイル」がここで確立されました。代表作は、ゴールドやシルバーの素材をコイル状に巻くという工芸技術を用いたトゥボガスラインや、蛇をモチーフにしたスネークリング、括弧をモチーフにしたパレンテシ、オニキスなどの宝石をはめ込んだブルガリ・ブルガリシリーズなどがあげられます。
1977年に世界中で人気を誇る最初の腕時計のシリーズ「ブルガリ・ブルガリ」を発表しました。ロゴを先駆けて使用したのも特徴のひとつで、デザインに関しては時代を大きくリードし、装飾要素になっています。1980年に腕時計分野に本格的に参入するため、スイスに腕時計製造専門のブルガリ・タイム社を設立し、複雑時計の自社一貫製造までも手掛け、世界でも数少ないブランドの一つとなりました。宝飾品に比べ腕時計製造の歴史は浅いが、その洗練されたデザイン力が高く評価され、本格参入から20余年の間に、時計ブランドとしても名を馳せるようになりました。
現在では時計、宝飾品、香水、バッグはもちろん、ホテル業などとブルガリは総合ブランドとしての地位を確立しつつあります。