野口園生は、1907年に東京都で生まれました。
17歳で東京市立女子第一技芸高等学校を卒業し
1937年から、人形作家の掘柳女人形塾に
入門しています。
翌年に申戌会芸術人形展に「みぞれ降る日」を出品
その2年後、童宝美術院人形展に出品した「家路」が
早くも奨励賞を受賞しました。
さらに翌年には、同展で
「遊山」が優秀賞を受賞しています。
以後、数々の展覧会で出品と受賞を繰り替えし
中でも1950年に現代人形美術展に出品した際には
朝日新聞社賞を受賞しました。
また、同年、人形塾を開いています。
これらの功績が評価され
野口は1985年、78歳のとき
衣装人形の分野で人間国宝に認定されました。
また、同年に「野口園生人形作品集」を刊行し
そして以後も晩年まで、
人間国宝新作展に出品を続けています。
野口園生の作品は
ユーモア溢れる人形制作が特徴です。
季節感ある自然の情景や、
大胆にデフォルメした人間の姿を
斬新に創作しました。
作品「夕餉時」での人形の表情は独特で
おにぎり形の頭におちょぼ口、
むずがる子どもの手を引く母親の情愛を
ユーモアたっぷりに表現しています。
市井の人々の何気ない表情を
鋭い人間観察力で的確に捉えて、
その作品に投映しています。
野口園生は、人形作家として
昭和、平成にかけて活躍し
その独自のフォルムと詩情ある作風で
高い評価を受けました。
女性人形作家の先駆者であった堀柳女とともに
斬新な発想を活かした作品が人気を博しました。
工芸展にも出品しながら、戦後は自身の人形塾で
後進の育成に極めて積極的に関わっていることも
評価されています。