西郷従道とは【功績/関連人物/軍人/政治家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

西郷従道(さいごうじゅうどう)は1843年5月に鹿児島市で生まれました。なお兄は江戸城無血開城で知られている西郷隆盛です。

幼い頃から、兵学は、のちに宮中顧問官として名を馳せる伊地知正治から。また剣術は薬丸半左衛門(薬丸兼義)から学び、20代半ばには戊辰戦争で銃による重傷を負いながらも戦うなど、薩摩鹿児島藩士として藩主の島津斉彬に仕えました。

その後、明治期になると山縣有朋(やまがたありとも)らと共にヨーロッパを訪れ、現地の軍の体制になどについて調査を行い、後の兵制を整える参考としています。また1870年の帰国後は兵部権大丞陸軍の少将を任ぜられ、1874年には台湾出兵の際の軍隊の指揮官を務めるといったように、日本軍の中でキャリアを積んでいきました。この間には西南戦争において兄の西郷隆盛と対極の立場となり、西郷隆盛が自害した際には政府を辞する覚悟を決めますが、大久保利通によって引き留められたと言われています。

やがて1885年、西郷従道は第1次伊藤内閣の海軍大臣となり、日清戦争や日露戦争時に活躍。晩年までも、50代となった頃に海軍大将に任命され、まもなく海軍の軍人としては初めて元帥となり内閣総理大臣候補のひとりとしても推薦されるなど当時の要人として努めました。

そして1902年、59歳で息を引き取っています。

西郷従道は兄の西郷隆盛に強く感銘を受けた事で国に対する運動に加わっており、倒幕の尊王攘夷運動の一環として井伊直弼を倒す画策も行っています。

しかし1862年には薩摩藩士と組み、言わば寺田屋事件と呼ばれる佐幕派（政府を守る側）の襲撃の際には返り討ちに遭い、政府から処罰を受けるものの、そこからは政府に対して強い貢献を示していくのです。

また海軍のみではなく陸軍や、農商務省なども務めるなどして明治維新後の政府の中心的人物となりました。

政治に貢献してきた西郷従道だけあって、初の政党内閣である憲政党を立ち上げた大隈重信。歴代の中でも非常に長く首相を務めてきた桂太郎に宛てた手紙が残されています。

また1874年の台湾出兵は政府が中止の方針を打ち出したにも関わらず強行し、しかし成果を挙げた事で1876年に勲一等旭日章を授かったと共に関連の上申書があります。

■戊辰戦争

1868年に新政府軍と旧幕府派との間で衝突し、各地で起こった戦いの総称です。

1869年5月までに一年間半かけてのものとなり、新政府軍が勝った事で結果明治政府として歩み始める事となりました。

■伊地知正治

1828年に鹿児島で生まれました。幼少期の大病で不自由の多い身体ながらも、その努力と軍略家としての才能で政府に大きく貢献をしてきました。

1858年には西郷隆盛や有馬新七と共に井伊直弼の政権を倒すと運動に参加。戊辰戦争にも加わり新政府においても重要な役職に就いて活躍しています。

■西郷隆盛

1827年生まれの鹿児島出身であり、西郷従道の兄です。薩摩藩士の島津斉彬に強く注目された所を発端に政治家として目立っていくようになります。

戊辰戦争では大総督参謀となり、また江戸城無血開城や廃藩置県に関わるなどして、政府に貢献しますが、1877年の西南戦争で一時期戦犯的扱いとなりました。