藤田嗣治【洋画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

藤田嗣治(ふじたつぐはる)

藤田嗣治は1886年1月に陸軍軍医の父と、

幕臣の家系の母の子供として東京で生まれます。

17歳になると暁星中学校に入り

フランス語について学び始めました。

またそこでは世相風俗漫画家で

岡本太郎の父である岡本一平や

「坊ちゃん」の挿絵を担当した近藤浩一路も

共に学んでいます。

その後1905年には「舞姫」などが知られている

森鴎外の薦めもあり、東京美術学校西洋画科へ入学。

5年後に卒業し、同時に『山より』と『女』によって

白馬会の第13回絵画展覧会において入選しました。

やがて藤田嗣治は、外光派で

『渡頭の夕暮』が知られている和田英作の

壁画制作の手伝いをしながら

文部省美術展覧会に応募しますが

相次いで落選してしまいます。

それでもなお作品は出品し続け、1911年には

東京勧業展覧会において『上野原』や『青梅』

『山家』『駅』を出品しました。

そして翌年には光風会の第1回絵画展覧会において

『南国』や『清水港』『帝国劇場』が入選しています。

1913年にはフランスに渡り

『ポール・アレクサンドル博士の肖像』が知られる

アメデオ・モディリアーニや、

インパクトのある色彩とタッチで知られている

ハイム・スーチンと出会い、交流を深めました。

また1917年、翌1918年には

パリのシェロン画廊で個展を成功させ、

フランスでその名前が知れ渡るようになります。

そして1929年、43歳の時に日本に帰国しました。

のちの1949年には日本画壇との仲が良くなかった関係で

フランスに再び渡っていますが

その間に妻と結婚を果たし

国内や海外で作品を発表し続けます。

またフランスに再び渡ったのちは

カトリックの洗礼を受け、

名前をレオナール・フジタと改めました。

1968月1月、81歳でこの世を去っています。

作風

藤田嗣治はパリで活動をした当初、多角的な視点を

一つのキャンバスで表現するキュビズムや

彫刻作品を作った経験から

簡易的なフォルムの肖像画を描いた

アメデオ・モディリアーニの影響を受けています。

しかし段々裸婦の作品で特に目立つ、

乳白色を多用した表現や、猫や子供を描いた作品を描くと

独自の路線にシフトしていきました。

これらの活動はフランスでも認められ、

パリに住まう外国人の芸術家達を表す、

エコール・ド・パリを代表する存在となっていきます。

モチーフを多彩に変化させた藤田嗣治

藤田嗣治は当時の画家がそうであったように

戦争記録画を多く手掛けています。

例えば1942年の『テンガー飛行場夜間爆撃』や

同年の『アリゾナ型撃沈の図』などがあり

それらに対して積極的な姿勢を見せていた

と言う資料も残されています。

しかし反対に戦争記録画で使用していた

写真やスケッチを、一日掛けて燃やしていた

と言う証言もあります。

藤田嗣治が戦争記録画に対して

どのように考えていたかは分かりませんが

戦後は少女の絵を数多く発表しているなど

描くモチーフを多彩に変化させてきました。

そして藤田嗣治が嬉々として

猫と一緒にいる作品や写真が数多くあるなど、

いずれにしろ自身が描くべきと思ったものを

純粋に見つめていたのかもしれません。