竹内久一【帝室技芸員/彫刻】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

竹内久一（たけうちきゅういち/ひさかず）

竹内久一は1857年7月に江戸の浅草にて生まれます。

古くから営んでいる提灯屋『田長』の息子として育ち

父から浮世絵を学んでいました。

その父の薦めがきっかけで13歳の時に

根付師である堀内龍仙の元で彫刻を学び始めます。

やがて堀内龍仙の死後、1870年に同じ根付師である

川本洲楽に再び彫刻及び象牙を学び始めました。

23歳のときには奈良で見た古仏像がきっかけで

木彫再興を決意し、正倉院御物や社寺の

古美術の調査や再現に乗り出しています。

また1881年の内国勧業博覧会においては褒状を貰い

36歳のときにはシカゴ万国博覧会で

伎芸天像を出展した事で、石川光明や高村光雲に並ぶ

明治初期の三大彫刻家として認められました。

これらの功績が認められ、1906年、49歳のときに

帝室技芸員に任命されています。

他の代表作としては技芸天や日蓮上人。

1890年の第3回内国勧業博覧会において

受賞した神武天皇像などがあります。

特徴

竹内久一の特徴としては、やはりまず

社寺の古美術の調査や再現が取り上げられます。

復興の為2年間奈良に移り住み、牙彫から

木彫へ使う技法も変えています。

(なお牙彫家としては、1881年の

内国勧業博覧会において受賞を果たしています。)

そのため古像を徹底的に再現したものを

模刻像と言いますが、氏の特色の一つに

それを取り上げることも出来ます。

またその再興の際にアーネスト・フェノロサや

岡倉天心、狩野友信や加納鉄哉と出会い、

特に岡倉天心とは東京美術学校の創立において協力し

1891年には彫刻科の初代教授も務めています。

『伎芸天』について

竹内久一の奈良での調査

および再現の経験が活かされた作品です。

インド神話におけるシヴァ神の身体の一部から

生まれたと言われる天女を描いており、

1893年にあったシカゴ万国博覧会にて

出品しています。

関連人物について

■アーネスト・フェノロサ

アメリカのマサチューセッツ州出身の

哲学者でもあり、東洋美術研究家でもあります。

日本古美術の保存や研究に懸命で、氏もまた

東京美術学校設立に貢献した一人で

「日本美術の恩人」と言われています。

■狩野友信

幕末や明治を代表する日本画家であり、

16才の時に将軍家茂により、江戸幕府の御用絵師の中で

最も名誉の高い奥絵師になった事があります。

■加納鉄哉

鉄筆画と言う独自の作品制作を確立させた

彫刻家でもあり画家です。

出家をして仏画の研究に勤めています。

人物の日蓮上人について

日蓮宗の開祖でもあり立正安国論を記した人物です。

なお銅造日蓮上人立像が岡倉天心によって作られ

1892年4月に起工式が行われています。

その後の

竹内久一はこのように作品制作として関わることで

関連する人や宗教と深く結び付いた人物と言えます。

氏の活躍により、日本人が古来から大切にしてきた

宗教観を見つめ直す事が出来るようになりました。