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2021/02/04

石川啄木とは【作品/代表作/歌人/詩人】

石川啄木(いしかわたくぼく)の生い立ちは?

石川啄木は1886年に岩手県で生まれました。住職を父に持ち、小学校をトップの成績で出た事で、地域の人々から神童と注目されていたと言われています。その後中学校に進学すると、のちに言語学者となる親友の金田一京助や、妻となる女性に出会ったほか、短歌や文学の世界に没頭していきました。友人らと短歌の会も結成し、文芸雑誌『明星』にて短歌『血に染めし歌をわが世のなごりにできすらひここに野にさけぶ秋』が掲載されます。

しかし、学校での振る舞いに関しては授業のボイコットへの参加やカンニング行為をするなど優秀と言えるものではなく、次第に成績を落としていたため、1902年に中学を辞め上京。自身が傾倒していた与謝野晶子・与謝野鉄幹夫婦に才能を高く買われますが、残念ながら心身共に不調であった事もあり、まもなく岩手に帰郷しました。

故郷でも制作活動は継続し、まもなく『明星』をはじめとする各紙で作品が発表されると、石川啄木の名を広めていきます。文芸誌の出版を手がけたほか、一時は小学校で教職にも就きますが長続きはせず、数年後には北海道に渡りました。現地では約1年の間にいくつかの新聞社の記者や編集長、小学校の教員などを勤め退職。1908年の春には再び上京し、東京朝日新聞にて働くようになります。校正係や出版・執筆業務を経て、1910年には同社の新聞に朝日歌壇の掲載が開始されました。そこでは石川啄木が選者として選ばれ、同年には歌集『一握の砂』も発表。以降は詩人として大いに活躍し、5つ以上もの雑誌から作品掲載の依頼が来るなどしましたが、晩年は妻と共に体調を崩し、1912年、26歳で息を引き取っています。

 

 

 

石川啄木の作品の特徴は?

短歌においては3行のスタイルで書き、自身の過ごした時期について歌った作品を発表しているのが特徴です。

初恋に目覚めていたと言う少年時代からそれが作品に表現され、妻・節子と迎えた新婚生活の様子も伝えています。そして特に多いのが盛岡を描いた短歌で、総じて日本人の日常的な感性が濃く現れているといえます。

 

 

 

石川啄木の作品の価値は?

3行のスタイルで書いた短歌は今までにないもので、近代短歌として評判を呼び、後世の短歌に影響を及ぼしました。なおこのスタイルは東京朝日新聞在籍時に編み出したものとされており、朝日歌壇の選者に選ばれたのもそこにあります。

短歌の他には詩や小説、日記や評論など多種多様に手掛け、また1910年の大逆事件がきっかけで社会主義に目覚めていきました。

 

代表作

 

1905年の詩集『あこがれ』(岩手県立図書館が所蔵)1910年の最初の歌集『一握の砂』(石川啄木記念館が所蔵)は、数少ない石川啄木が生前に出した作品です。

死後に発表された第2弾歌集の『悲しき玩具』は1912年に発表。明治時代終盤の時代の閉塞感と自身の心情が表れています。

他には評論の『時代閉塞の現状』は1910年に出され社会主義の提示とともに、社会と政治に強い警戒を示したものです。とは言え朝日新聞用に書いたものが実際には発表にはならず、1913年の『啄木遺稿』(大学図書館が所蔵)によって日の目を見ました。

 

 

 

各ワード紹介

■与謝野鉄幹と与謝野昌子

夫婦であり歌人で、浪漫主義の中心的存在となりました。

与謝野鉄幹は石川啄木や吉井勇など多くの後進を指導。また与謝野昌子は日露戦争に反対を示した詩『君死にたまふことなかれ』が有名です。

 

■大逆事件

1910年に起こったもので、明治天皇の殺害を多くの社会主義や無政府主義者が企てていると言う事で捕まえ、大多数に死刑宣告が言い渡されました。

実際は冤罪であり、自由平等と言った考えを無くすために行われたと戦後になって公表されました。

 

 

 

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