田口壽恒は1940年、東京都にて生まれました。
元々中学時代から父の手伝いを行っていましたが
19歳で都立工芸高校を卒業した後、
江戸時代からの歴史を持つ長寿齋派でもあった
父の田口恒松から、鍛金の技術について
本格的に教えを受けます。
その後1972年には日本伝統工芸展や伝統工芸新作展
伝統工芸日本金工展に初入選し
44歳の時には鍛朧銀面取鉢が
日本伝統工芸展の日本工芸会総裁賞を受賞しました。
そして銀と銅を使った合金である
四分一の素材の良さを活かした作品群が認められ
2006年、66歳の時に人間国宝として認定されました。
田口壽恒は作品作りを楽しんでしています。
また、同じような作品作りを良しとせず
日本伝統工芸展や伝統工芸新作展、
伝統工芸日本金工展と
複数に出展しているのはその為のようです。
金属による作品作りも
「他の人が挑戦しない事を敢えてやる」
と言う考えがあるといいます。
鍛朧銀四方鉢や鍛朧銀盛器、南鐐銚子などの
田口壽恒の作品は、一見シンプルで
美しいラインが特徴です。
しかし実際は微妙な凸凹や厚みがあったり
田口壽恒は「それを楽しんでいる」
と言った趣旨の発言もしています。
作品制作において同じ物は全く生まれないので
その偶発性が作品として個性になっているようです。
・四分一
銅3:銀1の合金のことです。
また金も付け加える事でより綺麗に輝きます。
朧銀と言う別名も生まれるほどです。
・鍛金
金属を立体的に叩き伸ばす技法です。
・焼きなまし
四分一は金属の中では硬い方とは言え
壊れやすい性質にあります。
そこで加熱させた後に冷やす作業をします。
それが焼きなましで、独特の跡が出やすい
と言った特徴もあります。
田口壽恒は現在娘と共に
作業を行っているとの事です。
鍛金の作業だけを取っても半世紀以上行っており
これからも娘と共に積極的な作品作りが期待できます。