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2016/12/13

河鍋暁斎―幕末明治期の浮世絵の画鬼―

河鍋暁斎とは
―幕末から明治を生き抜いた浮世絵の画鬼―

 

河鍋暁斎は狩野派だけに拘らず他の流派や画法を積極的に取り入れ、激動の幕末から明治時代を生き抜いた浮世絵師ですが、狩野派の流れも汲んだ絵師でもあるのです。

 

暁斎の作品には戯画や風刺画の作品も多く写生力や筆力のレベルも高いので今日では、海外でも高く評価されている浮世絵の画鬼です。

 

・わずか7歳で浮世絵の修業に入った暁斎

暁斎は水戸藩士・河鍋喜右衛門の次男として、現在の茨城県古川市中央町で1831年に生まれました。

 

翌年には一家揃って江戸に移り、1889年に亡くなるまで江戸で絵師として活躍しました。

 

3歳ですでに蛙の絵を描いた暁斎は、わずか7歳で浮世絵師の歌川国芳に入門し、10歳になると父である喜右衛門の薦めもあり、狩野派絵師の前村洞和に再入門しました。

 

師である洞和は暁斎の画才を高く評価し、洞和が病で倒れた後は洞和の師家である駿河台狩野家当主・狩野洞白陳信の元で修業を続け、19歳になると洞白より洞郁陳之の画号を与えられ、浮世絵修業を卒業しました。

 

・修業後の苦難の時代を過ごした暁斎

暁斎が修業を終えた幕末から明治は、絵師や日本の美術界にとっても苦難の時代でした。

 

倒幕によって幕府の支援を失った多くの流派の絵師たちは路頭に迷っていましたが暁斎は、残酷な場面の絵画、真面目な仏画絵、風刺画、行燈絵、錦絵、戯画など求められればあらゆる分野の絵を描きました。

 

また、暁斎は狩野派だけでなく土佐の住吉派、円山四条派、琳派、四条派などの浮世絵も学び、文人画、中国画、西洋人体図等すべての物を吸収して描きました。

 

また、惺々狂斎、酒乱斎雷酔、酔雷坊など複数の画号も用いていました。

 

当時、暁斎は絵を描き始めると筆が早く忠実に描くため席画や戯画には人気がありました。

 

しかしながら、筆が滑って描いた政治批判の戯画が原因で筆禍事件を起こして捕らわれて釈放後に「暁斎」と画号を改めて絵師として再活動しましたが、美術史からも敬遠される一因となってしまいました。

 

・「日本最大の画家」と評された暁斎の晩年

絵師としての活動を再開した暁斎は、国内外の博覧会に積極的に作品を出展しました。

 

暁斎は1876年開催の米国のフィラデルフィア万国博覧会に肉筆作品を出展して、1881年には第2回内国勧業博覧会に「枯木寒鴉図」を出展して日本画の最高賞の「妙技二等賞牌」を受賞しました。

 

その結果、海外との交流も広がり、英国人建築家のジョサイア・コンデルが暁斎に入門し、ドイツ人医師であるエルヴィン・ベルツから「日本最大の画家」と評され、暁斎は人気の絵師になりました。

 

暁斎は岡倉天心とフェノロサらに東京美術学校の教授の依頼を受けることなく1889年に亡くなりました。

 

暁斎の弟子には実後の暁雲、暁翠、真野暁亭、島田友春、織部暁月、早川松山、荒木白雲などがいました。東京の谷中にある暁斎の墓は、遺言により暁斎が3歳の時に描いた蛙の墓石が立てられています。

 

(まとめ)

暁斎は、狩野派の流れを汲んだ道釈人物画から戯画、そして浮世絵まで幅広く活躍した絵師です。

 

暁斎は日本の美術史から敬遠された時期もありましたが、埼玉県蕨市市南町には暁斎の曾孫によって河鍋暁斎記念美術館が設立されているので、

 

暁斎の曾孫によって埼玉県蕨市市南町に設立された河鍋暁斎記念美術館には暁斎の作品や未完成作品があるので、幕末から明治を生き抜いた浮世絵の画鬼である暁斎の思いに触れることができるのではないでしょうか。

 

 

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