池田輝方【日本画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

池田輝方(いけだてるかた)

池田輝方(本名:正四郎)は1883年1月に

東京市京橋区で生まれました。

その後10代はじめ頃には

文芸雑誌や小説の挿絵を手掛け、

華やいだ美人画を描く水野年方のもとで

住み込みで弟子となり、浮世絵について学び

塾頭として頭角を現していきます。

それから6年後の1901年には、

同じく水野年方の下で学んでいた、

のちに帝室技芸員となる

美人画に定評のあった鏑木清方などが

立ち上げていた烏合会に加わりました。

こうして腕を磨いていくと、

翌年の第12回内国絵画共進会展において

一等褒状を獲得。

20代の半ば頃には水野年方が息を引き取った事もあり

日本の自然を情感たっぷりに、

かつ、明快に描いた川合玉堂から

教わるようになりました。

なお同年に創設された第一回の

文部省美術展覧会においては賞を受賞し

そこから第4回まで三等賞を獲得していきます。

また1911年にはかねてから交際を重ねていた、

同じ水野年方の門下生のである

女流画家の榊原蕉園と結婚を果たしました。

画業としても活躍は続き、1916年の

文部省美術展覧会においては『夕立』で特選を獲得。

また池田蕉園も同展で特選で受賞しています。

しかし池田蕉園は1917年12月に亡くなり

それでも池田輝方は1919年に山内多門や

石井林響とで如水会を立ち上げ、

第1回で推薦出品となる『絵師多賀朝湖流さる』など

帝国美術院展覧会や同会で活躍を続けていきました。

そのほか各種挿絵の作成なども手掛けていきますが

それからまもなく、1921年には

39歳の若さで息を引き取っています。

烏合会について

1901年に結成。小さな団体でありながら

水野年方門下だけでない、様々な出身の画家が集まり

毎度、お題で作品を募り描き上げて発表。

烏合会での作品には『高野聖』や

『不如帰』などがあり、また他のメンバーには

大野静方や鰭崎英朋などもいます。

作風

池田輝方は浮世絵の系譜を受け継いでおり

水野年方の影響を強く受けている

と言われているものの、それよりも

モダンで繊細に描くようになった

と指摘されています。

人物や風景画を得意としており

雑誌や新聞の挿絵としても作品を展開しました。

また1907年に11歳当時のフランス人の

ポール・ジャクレーが来日し、

彼に日本画について教え

ポール・ジャクレーは独自の作風を示していきました。

短い生涯の中、充実した池田輝方

池田輝方は榊原蕉園との仲が注目され

文部省美術展覧会の鴛鴦(おしどり)画家

と呼ばれています。

なお榊原蕉園との合作で

『山か籠　夫婦合作　双幅』も発表。

池田輝方は短い生涯の中に、

繋がりを大切にして強く勢いを持ったまま

駆け抜けたように感じます。