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2021/03/11

横山松三郎とは【洋画家/油絵/写真家/江戸城】

横山松三郎(よこやままつさぶろう)の生い立ちは?

横山松三郎は1838年に択捉島で生まれました。後に函館へと移り住み、14歳の頃から呉服屋で奉公を始めますが、この頃から絵を好んでおり、夜には浮世絵師・葛飾北斎の描いた北斎漫画を写して独学していたと言われています。また、1854年に函館にペリー艦隊が訪れた際には写真を初めて目にし、以降カメラの製造や写真術について強い興味を持っていきました。

1859年には函館港が自由貿易港となったことで外国から訪れる人々が増え、函館でも洋画や写真が流通。これがきっかけとなって、横山松三郎は函館へ来ていたロシア人から写真術や洋画について学んでいます。また1865年に東京にて、日本写真の開祖と呼ばれる下岡蓮杖から石版印刷について教わる機会を得るなど、多方面に才能を広げていきました。

 

やがて30歳になると、東京に写真館・通天楼を開館。横山松三郎自身が多くの人々の肖像写真を撮影したほか、後進の指導も行っています。また翌年からはその弟子たちと日光に訪れ、写真撮影の旅として各所を周りました。

1871年には明治維新の影響を受け荒れ果てていた江戸城を撮影。これは当時外務省に務めていた蜷川式胤からの依頼でしたが、横山松三郎の撮影した江戸城の写真の一部は、その後高橋由一の手によって彩色もされ、64枚が『旧江戸城写真帖』に納められています。また、35歳の時には通天楼内で洋画塾を開校。その3年後には陸軍士官学校の美術教官として務め、以降約5年に渡って、写真術や石版法について教えていきました。同校では外国人教師とも知り合い、海外の写真技術などについても知見を広め、最新の技法を国内でも先駆けて取り入れています。なおその間の1880年には横山松三郎の代名詞となる、写真と油絵を合わせた写真油絵を考案しました。多方面でその才能を発揮しましたが、体調不良で陸軍士官学校を退職したのち、晩年は銀座に写真石版社を設立。そして1884年、46歳の時に息を引き取っています。

 

 

 

横山松三郎の作品の特徴は?

横山松三郎は前述の通り写真油絵を編み出した所にまず特徴があります。写真油絵とは、印画紙の裏の一部を剥がし、油絵で色を付けていく技法の事で、写真に色を再現出来なかった当時の彩色技法にもなりました。その技法が完成した背景には、横山松三郎が若い頃から写真技術や絵画について教わっていた点が挙げられます。

そのほか、植物の観察をした際のスケッチや、朝顔を描いた素描や写真類なども遺されています。

 

 

 

横山松三郎は他にどのような部分が評価されているのか?

横山松三郎はステレオ写真で撮影したり、初めて江戸城を写真に収めた事。さらに士官学校時代に軽気球の飛行実験を行ない、初の空中撮影に成功しています。

他にも洋画塾を立ち上げた際には、写真師で日本初の写真雑誌『脱影夜話』を手掛けた北庭筑波。木版・石版画家で内国勧業博覧会の場で『上野徳川氏家廟之図』や『美人弾琴図』を出した亀井至一などの後進を育てました。

 

代表作など

 

太政官少史の蜷川式胤が発注し、横山松三郎と絵師の高橋由一によって実現した1871年の記録写真集『旧江戸城写真帖』。

1879年の絵画『朝顔』(東京国立博物館が所蔵)。

1882年の写真油絵『丁髷の男と外国人』(個人が所蔵)などがあります。

 

 

 

ワード紹介

■下岡蓮杖(しもおかれんじょう)

1823年に生まれた、日本の画家、または写真家です。鵜飼玉川や上野俊之丞と並んで、日本でも初期の写真の開祖として知られています。

下岡蓮杖は駐日アメリカ公使館通訳官ヘンリー・ヒュースケンから写真術について学び、写真館も立ち上げました。

そのほか後進の育成にも尽力しており、臼井秀三郎や鈴木真一など著名な写真家たちを育てています。

 

 

 

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