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骨董品
2019/02/28

棟方志功【文化勲章/版画】

棟方志功(むなかたしこう)

 

木版画の棟方志功は、1903年に

 

青森市の刃物鍛冶屋に生まれました。

 

青森市立長崎尋常小学校を卒業後は

 

家業の鍛冶職の仕事を手伝い、

 

後に裁判所の給士となっています。

 

1921年には友人達と洋画の会「青光社」を立ち上げ

 

第1回展覧会を日本赤十字社青森支部で開きました。

 

この頃には文学、演劇などの

 

研究、活動を行っています。

 

そして21歳の時に画家を志し上京し

 

1925年の第5回国画創作協会展において

 

川上澄生の版画「初夏の風」を見て感銘を受け、

 

版画のへの興味が芽生えました。

 

やがて版画家平塚運一と知り合って

 

版画の道を志すようになり、版画誌「版」の同人として

 

平塚運一、深沢索一、畦地梅太郎らと参加します。

 

その後、第6回春陽会展に出品した版画7点の内

 

3点が入選、

 

第9回帝展では油絵「雑園」が初入選しました。

 

また、27歳の頃からは文化学院で美術教師を務め

 

2年後には日本版画協会会員となっています。

 

30代の頃には国画会に出品した版画巻「大和し美し」が

 

日本民芸館に買上げられ

 

柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司らの知遇を受け、

 

以降の棟方芸術に多大な影響を与えました。

 

その後もサンパウロ・ビエンナーレで

 

「釈迦十大弟子」が版画部門で最高賞を受賞。

 

さらに翌年にはヴェネツィア・ビエンナーレに

 

「柳緑花紅頌」などを出品し国際版画大賞を受賞し

 

世界的に棟方志功の名が知られるようになりました。

 

こうして1969年に青森市から初代名誉市民賞を授与され

 

翌年、67歳で文化勲章を受章しています。

 

 

 

棟方志功の作品の特徴と技法

 

棟方志功の作品の多くは日本的で仏教的な題材でした。

 

自らの版画を板画と称し、

 

その独特で自由奔放な作品は

 

自然と人間の美しさと生命力に溢れています。

 

それらの作品には「裏彩色」という技法が

 

多く使われました。

 

当初は「ヴェニース生誕」や「大和し美し」の作品では

 

表に色付けを行っていましたが、

 

後には中国古来で和紙の裏から色付けする

 

「裏彩色」を用いています。

 

この方法は板画の線がマスクされずに

 

自由に彩色できるという利点がありました。

 

 

 

棟方志功の評価される所以

 

棟方志功の代表作である「釈迦十大弟子」は

 

国際版画大賞を受賞し、棟方志功の名を

 

世界に知らしめました。

 

作品は来場者を唖然とさせる程の

 

生気溌剌とした迫力で圧倒し、激賞されます。

 

このように棟方志功の作品は古代に題材を求めながらも

 

観者に新鮮な感動を与え

 

「世界のムナカタ」の地位を不動のものにしました。

 

 

 

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