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掛け軸・絵画
2020/06/25

梶田半古【日本画家/東京都/日本美術院】

梶田半古(かじたはんこ)

梶田半古(本名:錠次郎)は、1870年6月に東京で生まれています。父は金工家である梶田政晴でしたが、早くに父親を失くしたのもあって貧困で苦しい生活を強いられていました。その為、幼少期の頃から絵に優れていた梶田半古は、高等小学校を卒業すると蒔絵や彫金の図案書きや、ハンカチや団扇・扇子に絵を施す仕事をする事で、生活を支えていきます。またその辺りの時期となる1883年から、四条派で楊洲周延を師に持ち、妖怪絵で知られている鍋田玉英から学ぶようになりました。

また2年後には、歴史画に優れ公債証書の図案作成にも関わった石井鼎湖も師に持ち、南画と洋画の技術を取得。さらに、和漢洋の技術を習得し、歴史画を得意とする菊池容斎から独学と言う形で教わり、四条派や土佐派など様々な日本画をベースにした花鳥画を描いた鈴木華邨の下でも教えを受けています。

 

その後20代になると日本青年絵画協会の結成に加わり、また同年には日本青年絵画協会臨時研究会で三等を獲得。翌年の第1回絵画共進会では審査員に選ばれるなど、実績を積み上げていきました。1898年に日本美術院が立ち上がると特別賛助会員として参加。日本青年絵画協会が日本絵画協会として改めてからは、審査員として務めています。

以降も作品制作には積極的な姿勢でいましたが、晩年になるにつれて徐々に体調が悪化し、1917年、弟子に見守られながら48歳で息を引き取りました。

 

代表作に『春宵怨』や『源氏物語図屏風』、『桜花雉』などがあります。

 

 

作風

梶田半古はしっかりした技術ながらも珍しい作品構図で、独自性の高い作風が知られています。また小杉天外や尾崎紅葉の小説の挿絵もよく手掛けており、その中でも特に女性画は『半古の女学生』と呼ばれるほど女性達の支持を集め、一世を風靡しました。

題材も幅広く、風俗や人物画。花鳥画なども描いてます。

 

 

関連用語の細かい解説

■菊池容斎から紹介された前賢故実について

梶田半古は菊池容斎から前賢故実を紹介された事が、確かな画力を生み出す背景の一つとなっています。前賢故実とは江戸時代後半に誕生した伝記集であり、菊池容斎自身が文章及び神武天皇から後村上天皇までの歴代天皇など、571人の人物画を制作しています。

梶田半古はそれを独学で学び、全人物の描写や暗記までをも行うことで、それが優れた人物画を描く土台となりました。

 

■日本青年絵画協会

日本画家である川端玉章が、同じく画家で土佐派を代表する川辺御楯に呼びかけた事で、1881年に設立されています。日本美術院を設立するなど日本の美術に大きく貢献した岡倉天心を会長としました。

 

 

後輩を数多く育てた梶田半古

梶田半古は数多くの後輩を育てていることで知られています。

その中には日本美術院の三羽ガラスである小林古径や前田青邨。花鳥や人物、風景画と多くの題材を描きながらも、実直ながら温かみのある作風を展開し、東京芸術大学講師を務める奥村土牛などもいるのです。

 

 

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