後藤象二郎とは【功績/活動/評価】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

後藤象二郎(ごとうしょうじろう)は1838年4月に、今の高知県である土佐で生まれました。板垣退助とは幼馴染で仲が良く、また少年期になると自身の義理の叔父であり、新おこぜ組として藩政改革に務めた吉田東洋の鶴田塾で学び、そこでは岩崎弥太郎と知り合います。吉田東洋から高い評価を受けていた後藤象二郎は、その後、20歳の時に強い薦めで土佐藩幡多郡の奉行職に就任。ところが1862年に尊王攘夷派の土佐勤王党によって吉田東洋は殺され、同時に土佐勤王党の立場が強くなると、後藤象二郎は政治の場から退くこととなっています。

しかし翌年から江戸へ移り、英語及び航海術などについて学び前藩主の山内容堂からも認められたことで、1864年には大監察の職に就いています。こうして再び藩政に携わる場に戻り、後藤象二郎は吉田東洋の暗殺の中心とみなした武市半平太などに切腹命令を下し、土佐勤皇党は消滅する形となりました。

一方で、1866年になると富国強兵と殖産興業の推進する為に開成館を設立。西洋医学などを学ばせる事で近代化を図っていきます。また30代半ば頃には、板垣退助や西郷隆盛、副島種臣達と共に朝鮮の日本の追い出しや鎖国の考えに、武力で訴える征韓論を提案するために愛国公党を結成。以降は元老院議官を努めますがまもなく降りる事となり、また朝鮮独立党を応援するつもりが不成功となりました。

また1886年から1889年の間は、民権派の反政府表明である大同団結運動を立ち上げますが、失敗。このように活動がうまくいかない時期もありましたが、こういった言動によってその存在が知られていった後藤象二郎は、まもなく黒田清隆内閣から声がかかり、逓信大臣を務めています。第2次伊藤内閣となっても、農商務大臣に就任するなど要職を歴任していきました。

そして1897年、60歳で息を引き取っています。

後藤象二郎は吉田東洋に強く影響を受け、また土佐勤王党の暗殺の復讐に成功した点が特徴的です。保守派と言われる土佐勤王党を討った後、やはりただ復讐に成功しただけに留まらず大胆な施策を推し進めてもきました。

また、山内容堂と強い信頼関係がありますが、大政奉還を行ったのは後藤象二郎が提案したことが根底にあるなど、当時の要人たちのもとで活躍を遂げています。

他には経済支援目的の土佐商会の主任を、のちに三菱財閥の初代総帥となる岩崎弥太郎に任せた事。また坂本竜馬を許し、脱藩したにも関わらずそれを庇った事。

このようにして近代化を強く薦める言動、また民撰議員設立の建白書を出して議会の基礎を作った一人とされています。

代表作

1873年に征韓論を推し進めるために、板垣退助などを合わせて8人が提案した建白書『民撰議院設立建白書』(国立公文書館が所蔵)。

これは新聞にも載り、自由民権運動に大きく関わっています。

そのほか後藤象二郎が大隈重信に宛てた手紙などが残されています。

■土佐勤王党

1861年に武市瑞山が設立しました。主要メンバーには他に坂本龍馬と吉村虎太郎。中岡慎太郎がいて土佐勤王党の四天王と呼ばれています。

土佐に限らず京都においても活躍していきますが、公武合体派が台頭した事もあってその勢いが消えました。

■山内容堂

1827年生まれで土佐藩15代目の藩主です。1853年にマシュー・ペリーの来航で日本が揺れ動く中、海防強化や財政改革などを推し進めます。

また公武合体派であり幕末の四賢侯の一人と呼ばれています。

■岩崎弥太郎

三菱財閥を立ち上げるなど明治序盤に実業家として大成しました。

後藤象二郎に高く評価され開成館で務め、また強い経営手腕を発揮していきます。土佐商会主任の他に崎留守居役としても活躍しています。

■板垣退助

土佐藩の武士の息子でもあり、戊辰戦争においても活躍も有名です。推し進められていた公武合体には否定的だったり、大政奉還を薦めるなどの時期を経ました。

後藤象二郎とは幼い頃から喧嘩もすると言ったように深い仲ですが、1884年に後藤象二郎と共に欧州エリアの旅行費について問われ問題となっています。