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掛け軸・絵画
2020/07/30

平福百穂【日本画家/秋田県/无声会】

平福百穂(ひらふくひゃくすい)

平福百穂は1877年12月に秋田県仙北郡で生まれました。なお本名は貞蔵と言います。父は『乞食図』や『琵琶行図』、『北海道土人図』などが知られている円山四条派の平福穂庵であり、その父から四條派及び絵について、幼い頃から学んでいました。そして13歳になると父が亡くなってしまうのですが、次の年に行った追悼の意味を込めた絵画品評会がきっかけとなり、京都を代表する画家の鈴木百年に才能を認可され、“百穂”の号を称するようになっています。

数年後、1894年には川端玉章のもとで住み込みの形で学び、また1897年には同じ川端玉章から学んだ兄弟子にあたる、結城素明がきっかけで東京美術学校西洋画科選科へ入学。1899年には同校を入学し、その次の年には美術団体の无声会を設立。また无声会では北海道に赴いた際に見聞きしたアイヌ人の様子を描いたものを発表したことで注目されました。

 

その後1907年に国民新聞社へ入ると、相撲や議会の様子を挿絵にしたことが評判となり、以降約20年の間、同社で活躍して行きます。並行して自身の制作活動も行っており、1914年の第8回文部省美術展覧会においては『七面鳥』を出品し、琳派の装飾性と写実性が合わさった同作は後世に語られる代表作としても評判を獲得しました。1917年には第11回文展において発表した『豫譲』が特選を獲得。また、帝展審査員を務めたり、1932年には東京美術学校の教授として後進の指導も行っています。

そして1933年10月、57歳で息を引き取りました。

 

 

平福百穂の作品の特徴は?

日本画に西洋画を取り入れた作風が特徴です。また西洋画の基礎としては、東京美術学校西洋画科選科にて西洋画のデッサンについて学んだと言う背景もあったりします。

そして、各所で学んできたことを取り入れて、新たな作風として見せるのも平福百穂の特徴であり、大正末期には琳派ややまと絵と言った古くから使われている手法を採用した作品群も多く発表していきました。活動終盤時期には南画的作風も加えたり、その一方で画家と言う範疇に留まらず、、歌人として短歌雑誌のアララギで活躍した時期もあります。

 

 

平福百穂の作品の価値は? どうして評価されたのか?

平福百穂の作品は自然について目を向けた所と、古典が上手く合わさっている点が現在でも評判を獲得しています。また自然に対する意識は、後述する无声会から分かります。それに文部省美術展覧会や帝国美術院展覧会で幾度となく受賞しており、活動当時から公の場でも高く評価されていた事が伺えます。

なおこのようにして平福百穂が評価されたのは、明治維新も相まって日本画に新しいテイストが求められていたり、また報道の面でも需要が高まっていたタイミングで、新聞社に入った平福百穂の挿絵がそれに応えたのも、起因してると言われています。

 

代表作について

 

1914年発表の『七面鳥』では琳派派画家の代表的技法である、たらしこみによって11羽の七面鳥が描かれています。他にアララギの歌人として活躍した側面が現れている、1920年発表の舒明天皇への献歌から着想を得た『猟』(宮城県美術館に所蔵)。

1917年の第11回文展において特選となった『豫譲』(永青文庫に所蔵)は、『刺客列伝』内で活躍した、中国の人物・豫譲を描きました。

 

 

各ワード紹介

■无声会

1900年に他に結城素明も加えて設立されました。自然主義がベースにあり、また今まで培われてきた美術の系譜にこだわらない表現を追い求めていると言った側面があります。参加メンバーには他に石井柏亭がいます。

 

■琳派派

江戸時代に発生した装飾的作風が特徴のもので、絵画に限らず工芸や書の作品も指します。

広めたのは尾形光琳で、銀泥での技法に特徴がありますが、そもそも琳派派の言い方は後年になって使われるようになりました。

 

 

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