川崎千虎【日本画家】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

川崎千虎(かわさきちとら)

川崎千虎は1837年12月に

愛知県尾張市で生まれました。

なお父は尾張藩士で、肉筆浮世絵を描くことを

好んだ人でもあったといわれています。

成長すると、『絵本今川状』が有名で

他に岩田古朴や服部月真などを育てた事で知られている

浮世絵師の沼田月斎から、

四条派及び風俗画(人々の生活を描いたもの)

について指導を受け、その後、内裏造営で

画工頭として務めた土佐光文からは

やまと絵について学びました。

また、40代になると活動の拠点を東京に移し

内務省勧商局や大蔵省で働き、

博物館御用掛になります。

そして1892年からは東京美術学校の校長を務める

岡倉天心からの頼みで、同校で後進の指導を行い

1898年に辞任。

以降も日本美術院の立ち上げに加わったり

古社寺保存会委員としても活動し

1902年に息を引き取りました。

大和絵の歴史画家として活躍し

また有職故実についても深く研究しています。

関連用語の細かい解説

・大和絵

その名の通り日本で作られた絵画の中でも

代表的なものですが、中国からの影響を反映した

唐絵もしくは日本画と区別を付けるために

その名称が用いられています。

(なお他にも、やまと絵や和絵、倭絵とも呼ばれます。)

平安時代に誕生し、生きものや自然と言った

日本の風土を描いています。

その定義は幅広いのですが

連作の月次絵や風景画の名所絵などのことも指し

また琳派や土佐派、狩野派にも

受け継がれていきます。

・四条派

江戸時代時代の半ば頃に生まれた流派です。

なお、円山応挙が開いた円山派と合わせて

円山四条派と言われることが多いです。

四条派としては与謝蕪村から教わった

呉春により出来たものですが、

師となる円山応挙の影響を感じさせながらも

洗練された雰囲気へと変えていき

呉春自身も多くの人を育てていきました。

・有職故実(ゆうそくこじつ)

古くからの朝廷や公家、武家の服装や行事と言った

決まり事に関するものです。

貴族社会で重要視されているものでもあり

それについて分かる

様々な資料が残されています。

行事や制度、習慣や装束など分野は多岐にわたり

またこういったものの総称以外に

これらを研究していくことも

有職故実と言い表します。

指導者としても優れた川崎千虎

日本美術院は、東京美術学校を辞任した岡倉天心が

同時期に教壇から退いた教授達と共に

1898年に設立しました。

川崎千虎を含む多くが東京美術学校を辞めたのは

美校騒動と呼ばれる学校内での混乱があったから

といわれています。

それでも川崎千虎の指導力は優れていた

と考えられており、代表的な弟子としては

同じ様に有職故実について学び

大和絵及び歴史画で名を馳せる

小堀鞆音がいます。

ちなみに孫としては日本画家で

川崎千虎自身も指導をした、

『萌え出づる春』や『春の訪れ』、

『荒涼』などの絵画作品で知られている

川崎小虎がいます。