島田章三(しまだしょうぞう)
島田章三は1933年7月に
神奈川県横須賀市生まれました。
学生時代から美術に興味を持ち、
東京芸術大学に入学すると
在学中の1957年の国画会展にて、
『ノイローゼ』を初出品して国画賞を獲得。
同年に個展の開催にも成功し、翌年には卒業生作品で
大橋賞を受賞しています。
早いうちにその才能を表した島田章三は
その後27歳の時に東京藝術大学専攻科を卒業すると
翌年には国画会会員となりました。
1966年からは愛知県立芸術大学専任講師
及び助教授を務め、翌年の1967年に
『母と子のスペース』で安井賞を獲得。
35歳の時にはヨーロッパに渡り、
自身のキュビスム観を確立させます。
帰国後は愛知県の芸術大学で教壇に立ちながら
1980年には愛知県芸術文化推奨と、
東郷青児美術館大賞を同時に受賞しました。
1981年にはアメリカに旅行したり、
また活躍がテレビ番組にも取り上げられるなど
プライベートとしても画家としても
明るい話題があります。
その後もヌード展を行うなど積極的な出展を見せ
2016年11月、83歳で息を引き取りました。
作風
島田章三の作品は穏健な雰囲気で
和製キュビスムと称される作品群を発表しています。
■キュビスムについて
キュビスムとは一枚のキャンバスに
一つの対象物を複数の視点で描いたものを指しますが
ピカソなどに代表されるそれは
鋭角で張り詰めた雰囲気が感じられると思います。
島田章三の場合はそこから少し離れた
どこか都会的な雰囲気が感じられます。
■鳥や女性の題材が有名
また鳥や女性を題材にした作品群が
多いことでも知られています。
女性に関してはおしとやかな雰囲気があり
版画で描かれているそれらは、
質感が全面に出ているのも特徴となっています。
なお鳥の雰囲気も穏やかで、島田章三の描く
鳥と女性の魅力が一緒に楽しめる作品としては
『女と鳥』があります。
■ヨーロッパ留学をきっかけにキュビスムに目覚める
島田章三のキュビスムの原点となったのは、
前述の通り
1968年のヨーロッパ留学が取り上げられます。
またヨーロッパ留学前である『母と子のスペース』は
後年の作品では見られないような
温かみのある色彩感覚と
キュビスム的手法は感じないと言われており
よく呼ばれるキュビスムの作風とは離れた
島田章三の貴重な作品とも言えます。
穏やかな作風の島田章三
他にも島田章三は長い活動期間の中
作風を変化させています。
しかし極端に変えたと言うよりも
自然にテイストを変えていったと言う感じで
作者の一貫している穏やかな作風は
自然体で見られると思います。
なおかつモダンさも兼ね添えた島田章三の作品を
機会があれば楽しんでみてはいかがでしょうか。