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2021/01/07

岡倉天心とは【代表作/美術指導者/フェノロサ】

岡倉天心(おかくらてんしん)の生い立ちは?

岡倉天心は、1863年に神奈川県の横浜市で生まれました。生家は、元越前福井藩士出身で生糸の輸出業を営んでいたと言われています。出身が港のある横浜であったということもあり、若い頃から宣教師ジェームス・バラより英語を習うなど海外の文化にも触れ、2年後には家庭の都合で同じ横浜の長延寺にて育てられる事となりました。寺では漢籍を教わったのち、1873年に東京外国語学校へ入学。約2年後には東京開成学校の文学部へと入り、政治学や理財学についても学んでいます。また同時に、同校の講師であるアーネスト・フェノロサの美術論について教わり、国内外の文化や美術に関心を寄せていきました。

その後、1880年に同校を卒業すると、その際の論文で『国家論』と『美術論』を執筆。また文部省に務め、アーネスト・フェノロサの日本美術研究の通訳、及び助手として働くようになります。1884年にはアーネスト・フェノロサが主だって作った鑑画会に加わったり、翌年にはアーネスト・フェノロサと狩野芳崖等とで、美術学校を立ち上げる礎となる図画取調掛の委員に就任。このようにアーネスト・フェノロサとの行動は続き、1886年には共に欧米諸国へ視察の旅に出ました。

そして帰国後、1890年、文部省による図画取調掛と工部大学校内工部美術部が元となった、東京美術学校の初代校長として就任します。1898年には東京美術学校騒動によって校長を辞任しましたが、下村観山や横山大観、菱田春草などと日本美術院を立ち上げ、引き続き新しい形の日本画のあり方を探求して活躍しました。

1903年には『東洋の理想』(原題は“The ldeals of the East”)を発表し、まもなくボストン美術館の中国・日本部顧問を務めるなどと言ったようにグローバルな活動を展開。晩年は文展の審査員や、若い芸術家のための支援などにも努めましたが、1913年、50歳の若さで息を引き取っています。

 

 

 

岡倉天心の活動の特徴は?

岡倉天心はこの様にアーネスト・フェノロサと活動を共にしながら、日本の美術を広く発展させようとした所に特徴があります。

1889年には美術雑誌『国華』を立ち上げたり、帝国博物館理事・美術部長を務めるなど大きく活躍しましたが、新しい日本美術の在り方や考え方には反発も多く、東京美術学校辞任のきっかけともなった一部との対立は代表的な一例とも言えます。

この他にも、1907年に新派の団体として国画玉成会が立ち上がり会長となりますが、旧派である正派同志会とも対立するなど、受け入れられるまでには数々の対立がありました。

 

 

 

岡倉天心の評価は?

海外志向が強い岡倉天心の背景には、海外との繋がりが強い横浜出身である事。また長延寺や、宣教師ジェームス・バラの教えが生きていると言われています。

しかし同時に従来の日本美術の保存に強い視線を注いでおり、それは文明開化によってそれまでのものが、蔑ろにされていたからです。日本の美術は国内で古臭いものと言われ、特に仏像は破壊や海外流出が行われていました。よって岡倉天心は晩年まで文化財保護法の元となる古社寺保存法について政府に進言を重ね、帝国博物館の支援に務めました。

こう言った事も岡倉天心が今日まで支持されている理由の一つなのです。

 

代表作

 

1904年発表の徳川幕府誕生から、明治までの考えや政治についてまとめた『日本の覚醒』

(原題は“The Awakening of Japan”。天心記念五浦美術館が所蔵)

1906年に出した日本の茶道精神について語った『茶の本』(原題は“The Book of Tea”)などの著作があります。

 

 

 

各ワード紹介

■アーネスト・フェノロサ

1853年にアメリカ・マサチューセッツ州で生まれ、日本に来たのは1878年です。来日すると東京大学教授となりました。哲学者や政治学者でもありますが、日本の美術について強い興味を持ち保護に務め、海外にも日本美術の紹介を行うなど幅広く活動しています。

 

■著書『東洋の理想』

1903年に岡倉天心が発表した著書です。日本の美術をインドの仏教や、中国の儒教などルーツに絡めて紹介しています。

冒頭の「アジアは一つである」が有名で、中には西洋の美術が日本に困惑を招いていると言う主張もあります。

 

 

 

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