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掛け軸・絵画
2020/07/30

尾形月耕【日本画家/東京都/浮世絵】

尾形月耕(おがたげっこう)

尾形月耕は1859年9月に江戸京橋で生まれました。なお本名は鏡正之助と言います。幼い頃から父の影響で絵を描いており、また絵草紙や錦絵の販売所を訪ねて錦絵を描きたいと売り込み、実際に錦絵の他に輸出のための陶器下絵などの仕事も行ってきました。

また『隅田綾瀬之図』や『高徳題桜』などが知られている、幕末から明治初期を代表する狩野派画家の菊地容斎。他にも谷文晁や河鍋暁斎について独学で学んでいます。1887年辺りからは絵入朝野新聞に代表される新聞や雑誌の挿絵も描き、同年辺りから風俗について記した錦絵の『月耕漫画』を発表。

 

1891年になると琳派画家の尾形光哉の養子になることとなり、ここから尾形月耕として活躍をしていくようになると、忙しい日々となりました。なお同じ年には日本青年絵画協会や日本画会の立ち上げに加わったり、1912年の第6回文部省美術展覧会で『山王祭』が3等賞を獲得するなどして、1920年10月、60歳でに息を引き取っています。

 

 

尾形月耕の作品の特徴は?

微細かつ骨太なタッチで、錦絵としても新しい時代を切り開いたといわれています。

最後の浮世絵師と呼ばれる、同じ時代に活躍した月岡芳年と並ぶ人気があるとされており、繊細かつ明快なタッチは、尾形月耕の作品の特筆すべき点であると言えるでしょう。

 

 

尾形月耕の画家の価値は?

尾形月耕は人気の商品や妖怪や幽霊など、当時の時代が好んでいたものを挿絵として描いていきました。また日清戦争について描いたり、小説の挿絵も担当していると言ったように、時代が歓迎しているものを頻繁に作品として大衆に見せることの出来た画家と言えます。

 

代表作

 

1895年の『大寺将軍揮全力襲撃百尺崖之図』。他に1893発表のシカゴ・コロンブス世界博覧会の為の『江戸山王祭』があり、石川県立美術館が所蔵。

また東京国立博物館が所蔵している、1912年の第6回文部省美術展覧会で3等賞となった『山王祭』などもあります。

 

 

各ワード紹介

■錦絵

1765年に鈴木春信によって誕生した浮世絵の一種で、多色摺りによる作品です。絵師や彫り師、摺り師の分業制で作られています。

 

■日本青年絵画協会

1891年に画塾の間の繋がりを深めるために創られました。日本画家の川端玉章が中心となり、西郷孤月や橋本雅邦に松本楓湖など、多くの画家を有する組織として成長してゆきました。

 

■シカゴ・コロンブス世界博覧会

1893年5月1日から10月30日にかけて、クリストファー・コロンブスが新大陸を見つけてから400年を祝うために開催された万博です。

「科学技術の発展と工業への応用」をメインテーマにして、入場者数は2,700万人以上にも及ぶ大盛況となりました。

 

 

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