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骨董品
2018/10/04

小森邦衞【人間国宝/髹漆】

小森邦衞(こもりくにえ)

 

小森邦衞は、1945年に石川県で生まれました。

 

20歳の時に和家具職人から輪島塗師に転身し

 

沈金の技法を学ぶ為、樽見幸作に師事しています。

 

そして1968年には

 

輪島市立漆芸技術研修所沈金科に入学しました。

 

そこでは蒔絵師の松田権六や

 

輪島塗沈金師の前大峰らに学びます。

 

さらに、卒業すると新設された髹漆科の聴講生となり

 

乾漆を増村益城、籃胎を太田儔、

 

曲輪を赤地友哉らから学びました。

 

1980年に日本伝統工芸会正会員になり

 

また、1986年、89年には日本伝統工芸展で

 

NHK会長賞を受賞。

 

その後も数々の展覧会で受賞を重ね

 

2006年、61歳の時に「髹漆」の分野で

 

人間国宝に認定されました。

 

 

 

小森邦衞の作品の特徴と技法

 

小森邦衞の「髹漆」の技法を施した代表的な作品は

 

籃胎(らんたい)と呼ばれる細かい竹を編み込んだ

 

網代の器といえます。

 

これは細く薄く削った真竹を編み込んで

 

網代を成形し、漆を塗り重ねた「籃胎」と

 

檜の薄板を曲げて環状にして漆を塗った

 

「曲輪」を組み合わせる技法を駆使しています。

 

木と竹の材質から生じる収縮率の違いを

 

巧みに読んだ職人の熟練した技が

 

作品の随所に織りこまれています。

 

表面が網目である為に均一ではない網代を

 

刷毛目を感じさせないなめらかな塗りに仕上げ

 

その微妙な凹凸が美しい文様となります。

 

その技には小森邦衞が和家具の職人をしていた頃の

 

のみやかんななどの扱いと、

 

木の性質を知り尽くしている経験が

 

活かされています。

 

また、伝統的に輪島塗は

 

分業化されていることが多く

 

木地作り、下塗り、研ぎ、中塗り、上塗り、加飾など

 

各工程に職種が分けられていましたが

 

小森邦衞はその全てをほとんど自身で

 

行っていることも特徴です。

 

こうして、初めて小森邦衞独自の

 

「髹漆」の作品が出来上がっています。

 

 

 

小森邦衞の評価される所以

 

小森邦衞は後進育成にも

 

とても熱心に情熱を傾けています。

 

日本全国から集まった弟子を育て

 

ただ単に輪島塗の一過程だけでなく

 

輪島塗の100近い多くの工程を全て出来るように

 

4年を掛けて独立を目指した

 

指導をしているといいます。

 

小森邦衞がこだわりを持って貫いてきた

 

一貫して輪島塗の作業を手掛けるという精神を

 

弟子たちにも伝えています。

 

 

 

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