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骨董品
2019/04/11

小倉遊亀【文化勲章/日本画】

小倉遊亀(おぐらゆき)

 

日本画家の小倉遊亀は、1895年に

 

滋賀県滋賀郡大津市に生まれました。

 

滋賀県立大津高等女学校を卒業後に

 

奈良女子高等師範学校に進学し、

 

卒業後は京都、横浜などで教鞭をとりました。

 

平行して安田靫彦に師事し、自身の制作活動では

 

マティスなど近代絵画の影響を受けた、

 

明るくおおらかな慈愛に満ちた人物画を描きました。

 

やがて31歳のときには再興日本美術院展で

 

『胡瓜』が初入選を果たし、1932年には

 

女性として初めて日本美術院同人に推挙されています。

 

そして、1938年に山岡鉄斎の高弟であった

 

小倉鉄斎と結婚しますが、以降も作品の制作は続けられ

 

60歳のときには第39回院展にて、

 

『裸婦』が芸術選奨美術部門文部大臣賞を受賞しました。

 

続けて第41回院展に出品した『小女』が第8回毎日美術賞

 

第46回に同展に出品した『母子』が

 

第18回日本芸術院賞を受賞します。

 

これらの功績は高く評価され、1976年には

 

日本芸術院会員に、その2年後に文化功労者

 

そして1980年、85歳のときには

 

文化勲章を受章したと共に、

 

日本美術院理事長を務めました。

 

また、1999年には104歳になっていましたが、

 

それでもなおパリ・三越エトワールで

 

海外初の個展を開催し成功を納めています。

 

 

 

小倉遊亀の作品の特徴と技法

 

小倉遊亀の画風は、

 

画家を目指して駆け出した50代中頃までの

 

細密な筆致を駆使した端正な作品時代。

 

それから70代頃までの、

 

マチスやピカソなどの西洋画に影響を受けた時代。

 

そして円熟期の小倉遊亀独自の作風を確立する時代。

 

最後に80歳を過ぎてからの

 

旺盛な制作活動を続けた時代、の

 

4つに分けられます。

 

小倉遊亀はその作品の中で、身近で東洋的なモチーフを

 

近代的な感覚で表現しました。

 

静物画ではその深遠な精神性を表し、

 

人物画においては鋭い観察眼で

 

対象を品格高く描いています。

 

澄んだ淡い色彩感、またあえて

 

骨太な線描も交えながら、小倉遊亀独自の作風で

 

新しい日本画の領域を確立しました。

 

 

 

小倉遊亀の評価される所以

 

小倉遊亀は伝統を重んじながらも

 

現代的な感覚を取り入れ、独自の世界観溢れる名画を

 

長年発表し続けました。

 

女性作家としての地位においても、

 

女性で初めて院展の同人となり理事長を務めるなど

 

日本を代表する女性日本画家として

 

括弧たるものを築き上げています。

 

現代女性や家族などをモチーフにとりあげ

 

深い慈愛に満ちた眼差しで描かれたその作品は

 

多くの人に愛されています。

 

 

 

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