松煙墨、油煙墨、工業煙墨、混合煙墨がある。
・松煙墨…松の枝や根を燃やし採取した煤を膠で固めた墨。
・油煙墨…菜種油、胡麻油、椿油などを燃やし採取した煤を膠で固めた墨。
品質によって四等級に分けられる(油煙101~104)
油煙101→「鉄斎翁書画宝墨」「大好山水」「魯迅詩」がこの方法で作られている。
油煙102→「百寿図」などが代表銘柄といえる。
油煙103→「天保九如」など。
油煙104→「紫玉光」「漱金」が著名。
・工業煙墨…重油、灯油等の鉱物性油を燃やし採取した煤を膠で固めた墨。
・混合煙墨…油煙、松煙を混合した墨。
煤と同じぐらいかそれ以上に墨の品質にとって重要な原料。
獣や魚の皮、骨、腸を煮て作る。日本では獣、中国では魚の膠が多く使われる。
効用はばらばらの煤の粒子を粘性でまとめて墨の形を作り、書いた時に墨を紙などに凝集、浸透、付着させ、墨色に艶や光や透明感を出す。
墨を磨ると良い香りがするが、膠の嫌な臭いを消すのが目的である。
動物性の香りは麝香、植物性の香りは龍脳が珍重される。
・上海墨廠…曹素功と胡開文の職人等が再編した墨廠。
「鉄斎翁書画宝墨」などの墨が有名である。
・中国画研究院…1977年、前身の「中国画創作組」が結成、1981年「中国画研究院」成立。
初期メンバーは、呉作人、叶浅予、劉海粟、何海霞、黄冑、李可染、劉勃舒、蔡若虹、関山月、崔子範、田世光、呉冠中、黄永玉、謝稚柳など。
・曹素功…明末の名工呉叔大が閉鎖される際、それを譲り受けて継承する形で曹素功は創業される。
歙県に一店舗を営業していたが乾隆時代の後半の第六代目に至り「曹素功引泉」、「曹素功徳酬」、「曹素功堯千」という三店舗に分かれて活動を拡大。
紫玉光(名代墨)、春華秋實、光分太乙、黼黻昭文、仙山桜閣、七香図、綸閣、 山水清音、蘭亭高會、東林蓮社、天保九如、紫閣銘勲、五老遊河、帰昌叶瑞
・汪近聖…中国・安徽省績渓県出身の清の乾隆時代に活躍した墨匠。
代表作「圭璧光」
・汪節庵…清の乾隆時代に活躍した墨匠。
代表作「金不換」「黄山十八景 石柱」「乾隆御墨」
・胡開文…清の乾隆30年(1756年)に胡天注が創業した墨店。
現在も中国墨のトップブランドとしてその名を刻み続けている。
・程君房…光被四表、鳥跡書壺、瑞祝照水、百子図、百老図
・方于魯…八吉祥、南極老人、仇池石、九子、青麟髄
・方瑞生…百四図