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骨董品
2019/02/21

坂本繁二郎【文化勲章/洋画】

坂本繁二郎(さかもとはんじろう)

 

坂本繁二郎は、1882年に福岡県で生まれました。

 

10歳の頃に地元の画家の森三美に師事し、

 

絵を学び始めます。

 

小学校の同級には青木繁がおり、

 

青木との交流は生涯続きました。

 

高等小学校卒業後は、画作に励みます。

 

やがて20歳の時には上京し

 

小山正太郎の「不周舎」に入舎し、本格的に石膏、

 

デッサンなど洋画の勉強をはじめました。

 

太平洋画会研究所にも通い

 

1904年、太平洋画会展に初めて作品を発表しています。

 

3年後には東京勧業博覧会に「大島の一部」を出品し

 

三等賞を受賞しました。

 

そして1910年には、第4回文展に薫夫人をモデルにした

 

「張り物」を出品し3等賞を受賞します。

 

第6回文展では出品した「うすれ日」が

 

夏目漱石から高い評価を受け、

 

二科会の創立にも参加することとなりました。

 

坂本は1912年に渡仏しており

 

当時活躍していたフランス人画家、

 

シャルル・ゲランに師事し

 

明るく柔らかな色彩を用いた印象派に影響を受けました。

 

これを活かし「ブルターニュ」や

 

「帽子を持てる女」を発表し、

 

本場フランスの画家達からも高く評価されています。

 

1924年に久留米に帰郷したのちは、

 

終生九州で制作活動を行い

 

1927年には「放水路の雲」を発表、

 

フランスで学んだ洋画の手法を用いて

 

地元の風景を描写しました。

 

1942年には第29回二科会美術展覧会で

 

坂本繁二郎の還暦記念特別陳列も開催され、

 

21点もの作品が展示されています。

 

毎日美術賞の受賞や

 

八女市名誉市民に選出されるなどの功績も重ね、

 

1956年、74歳のときに文化勲章を受章しています。

 

 

 

坂本繁二郎の作品の特徴と技法

 

坂本繁二郎は太平洋画会展に

 

初めて作品を出品しますが、この初期の頃は、

 

洋画界の旧派に属していた堅実な写実派から出発し

 

次第に明るい印象主義的な作風に変わっていきます。

 

二科会に属するようになってからは、

 

牛をモチーフにした作品を多く発表し

 

個性的な作風を完成させていきました。

 

その後も郷里久留米近郊の

 

放牧馬をモチーフにした作品を中心に発表し、

 

果物、野菜などの作品も制作しています。

 

 

 

坂本繁二郎の評価される所以

 

坂本繁二郎は、印象派的表現を基にした

 

繊細な色彩の調和をもって、内面性を追究し、

 

実在的な物の表現を体現した洋画家として

 

高く評価されています。

 

 

 

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