國領經郎は1919年に神奈川県で生まれました。
1938年に神奈川県立横浜第一中学校を卒業すると
同時に川端画学校で学び始め、
また翌年には東京美術学校図画師範科へ
入学しています。
学友にはイギリスに渡り、
ボロー・ジョンソンから学んだ南薫造。
『かどつけ』や『磯菜摘』などが知られる小林万吾。
従軍画家として描いた経験がありながらも
フランス政府芸術文化勲章を受章する
伊原宇三郎たちがおり、
油彩画や日本画の基礎技術を習得していきます。
やがて1947年に日本美術展覧会で出品した
『女医さん』で初入選となり、
1955年に『飛行場風景』によって光風賞を獲得。
また、50歳の頃には作品の題材として
全国の砂丘を訪れるようになります。
砂丘を題材にした作品としては
1977年に発表した『真昼の対話』や
1996年の『潮溜』などを描いていきます。
國領經郎の作品は活動初期には点描法にて
人や都会の風景を描いていきましたが、
1970年代辺りからは砂丘をテーマに
様々な作品群を作り上げていきます。
またただ砂丘を描いているのではなく
「砂シリーズ」では
今の時代を生きる人間の心細さを描いたり
『飛行場風景』のような
砂丘をテーマにしていない作品であっても、
人のいない風景画でも、
現実離れした不思議な世界観を展開しています。
アニメ絵のように線を描かずに、大きさが揃った点を
細かくキャンバスに描写する技法です。
ジョルジュ・スーラが確立させた手法で
氏の作品『アニエールの水浴』で
その原型が伺えます。
点描法は2種類以上の異なる色の点が
密集している状態を見ると別の色に見える、
といった「並べ混色」の現象を基にしたもので
スーラはこの混色の現象にインスピレーションを受け
不思議な色合いを生む、
点描法の技法の基盤を確立しました。