勝城蒼鳳は1934年2月に栃木県に生まれます。
15歳のときに中学を卒業すると、
父に勧められて竹細工師の菊地義伊氏の元で
学び始めました。
6年後となる1955年には独立しますが
その後も斎藤文石や八木澤啓造から教えを受け
自身の技術の向上に努力を欠かしませんでした。
そして1968年より、八木澤啓造から
「蒼鳳」の号を授かっています。
そして同年、日本伝統工芸展に初入選し
1983年には波千鳥編盛籠渓流により
日本伝統工芸展東京都知事賞を受賞しました。
以上のような功績が認められ、
2005年、71歳のときに人間国宝に認定されています。
勝城蒼鳳の作品には、生まれ育った
栃木県那須塩原市の自然観が根底にあります。
氏の作品制作は竹を地元でとる事から始まり
調整や編組、染付や漆塗りと言った作業を経て
作品が形となっていきます。
また勝城蒼鳳の作品は普段使うものから美術品へと
竹工芸の価値観の移ろいを表現していると言われており
日用品からオブジェまで
どの作品も自然に対しての尊敬を込めています。
さらに、同じ作品を再度作ることを良しとせず
半年から一年ほどの歳月をかけて
一つの物を作り上げています。
竹工芸の豊かな作品群は、
組み合わさって作り上げる編組物や
円筒形を作る丸竹物と言った
多種多様な技法によって生み出されています。
勝城蒼鳳の場合は、柔軟さと強固さが
一体となった作品として仕上げられます。
■調整
竹ごとによって違う固さや種類。
季節なども考慮しながら、焼コテや胴乱と言った
複数の道具を使って調整していきます。
■編組
まさに竹を編んでいく作業のことです。
四つ目編みや透かし網代編み、
二代目前田竹房斎の行った重ね
網代編みなどがあります。
群馬県では残念ながら
竹林の伐採事業の計画が進められているようです。
放置された竹林の面積が拡大し、
また荒廃化も進んでいることが原因のようです。
勝城蒼鳳の作品は、そう言った危ぶまれる
栃木の竹林の大切さを伝えています。
勝城蒼鳳は、2017年4月から6月にかけて
岡山県井原市にある井原市立田中美術館で
竹工芸の人間国宝勝城蒼鳳氏の春季特別展を開催し
本人も席に出席しました。
また2018年7月に栃木県大田原市の
那須野が原ハーモニーホールにて行われた
「第23回原野展~那須野が原の作家たちは今~」で、
自身の作品を出展しています。
勝城蒼鳳は生まれ育った栃木の風土感を、
県内外に伝えています。