二代目前田竹房斎【人間国宝/竹工芸】 | 骨董品などの遺品整理・買取は口コミで評判の買取専門店【くらや】

二代目前田竹房斎(まえだちくぼうさい)

二代目前田竹房斎は大正6年7月に

大阪府堺市にて生まれました。

父は初代前田竹房斎となる房二郎で、

14歳の頃には簿記学校で学びながら、

父から竹工芸について教わっています。

その後昭和27年、35歳のときに

竹房斎の名を受け継ぎました。

独自の竹工芸は前田の技術によって

竹材の美しさが引き立てられた作品が多く、

日展では11回、日本伝統工芸展では

昭和45年以降毎回入選しています。

そのほか昭和47年に

日本伝統工芸展で受賞したのち、

平成7年、78歳のときに

人間国宝として認定されました。

代表作には縞文小壺花籃、網干編花籃などがあります。

召集令をきっかけに独学も行う

二代目前田竹房斎は

当初は父に師事していたものの、

修行中の昭和12年に召集がかかり

戦地に赴くことになります。

その後独学で竹工芸の技術を習得してから、

二代目竹房斎を襲名しました。

（なお兵役直前に竹工芸のためにハワイに渡り

そこでも竹工芸の研究を続けていたとの事です。）

やがて天皇や皇太子の為の献上品を

制作するまでとなり、昭和47年には

第1回伝統工芸木竹展奨励賞を受賞しています。

同じ年には第19回日本伝統工芸展で

優秀賞を受賞するに至りました。

特徴

二代目前田竹房斎の特徴は、

父から受け継いだ技術も活かした手堅い作りで

精密かつ、個性あふれる格調高い作風にある

と言われています。

また竹材についての素材の良さを十分に活かすために

重ね網代編みと言った技法も駆使し、

立体性のある作品も作りました。

そのほか二代目前田竹房斎は茶箱や籃や盛器

と言った煎茶道具も手掛けており、

その作品は現代生活に沿っている

と言われています。

独自の技法

重ね網代編みの発展前と言える網代編みは

竹細工においての基本的な技能で

縦軸と横軸が隙間無く編めるため

頑丈になると言われています。

対して二代目前田竹房斎の行う

重ね網代編みの場合は

隙間の美しさを見るものと言われます。

(これを透かし編みとも言います。)

また細い丸ひごを並列することも

二代目前田竹房斎の技法と言われています。

竹材について

「竹取物語」があるように、

日本人は古くから竹に親しんできました。

縄文時代から使われていた竹材は

日本家屋や籠やザルなどにも使われており

生活を豊かにしてきました。

前田竹房斎の作品は

それを見つめ直す機会となります。

今の日本に伝える竹工芸の良さ

二代目前田竹房斎が息を引き取った時点で

あとを継ぐ者が現れていなかった事から

前田竹房斎の名は途絶えました。

しかし竹工芸の職人は

中川裕章や小倉智恵美など多くいます。

古くから日本で親しまれているにも関わらず

まだ知名度が低いと言われている竹細工。

現代の職人が前田竹房斎に続いて

その美しさをもっと知れ渡るようにと伝えています。